モノクロの
限られた単色で
ようやく影が
見えたり
見えなかったり
微かな物音が
聞こえたり
聞こえなかったり
輪郭だけで
うん
それで いいんだ
それが いいんだ
きみは
かみさまに選ばれて
わたしと
出逢うように
選ばれて
迷いに迷っていた
私を迷路の
出口へと導くように
きみは
かみさまに選ばれて
夜の空港
窓際で 微笑んでいた
*
だけど
それだけだったのかも
知れない
唯一
あなただけ
離れていても
音信なくても
逢える約束
なくても
月日が
無駄に過ぎても
あんなに 分かり合えたのに
抱き合ったことすら
なくとも