乾いた風に
私の長い髪と繊細なその指とが
偶然を装うように奏でるの
大好きな足音がある
幾とせも聞いていないけど
忘れていないとそう宣言できる
大好きな大好きな
足音が ある
久しぶりの雨
その降りはじめはほこりの匂い
どこか懐かしくてきみのこと
ほこりの匂いに見え隠れ
日々の
風にさらされているこゝろ色は
変わらぬはずはないわ
それをもし
こゝろかわりというのなら
日々の風に聞いてみて
もう一度 振り返ると違うのに
思わずくらくらしてしまうの。