わたしの印を
目立たぬようにさりげなくだけど誰しもが気づくように
そこに置く
柄にも無く手を合わせてみる
どうか特別なゆったりとした
時で有ります様に
ここにいる私のため
そこにいるあなたのため
暮れかかるその茜色を
手で掻き毟るような
焦燥感
欲しいモノは何と喉から出る幾本もの手が
暴れる
饒舌なワタシを見ている
冷ややかに
誰が無口な私が
複雑な西洋菓子のような甘さより
単純な飴玉でいい
いつまでも舌のうえで
幾度も幾度も
飽きることなく幾度も
確かめられるのなら
少しずつ減ってゆく
好きなモノ
それに反して
だんだん濃くなってゆく
その濃度
見えない見えてはいけない
そんなやさしい胸に
すっぽりと滑り込みたい
音の無い雨の夜
騒音ではない程度
真っ暗ではない灯り
独りがひとりとして楽しめるための
行き交う人々は
ギャラリー
基準はわたし好み
桜は葉 混じり
切れる刃のわたし好み
風に舞いましょう
その花びらと なら
きっと私は ゆるすわ
あなただから
あなたなのだもの