そちらとこちら
熱く熔けだしましょう
どろっとまるで金属の熔解ように
タマシイとタマシイと、ね。カラダとカラダと。
ふつうのまいにちに
つみかさねる薄紙
さくらいろの次には
もえぎいろ
季節のその通りの
あたりまえと言う
薄紙
過去へそれとも
未来へ
乗りたいタイムマシーンは
どちら
その雨に吸い込まれよう
なるべく小さな単位のなるべく単純の組成の
H2O
という成分に紛れて
さあお家にお帰りの時間
カラスはお山に
ボクはママのとこへ
カタチの見えない私のこゝろは
いずこへ
覚えてる忘れてない
その季節その情景その匂い
なのに
記憶にこゝろが
間に合わない
ぎゅっと固く紐を結ぶ
紐は絹のちりめん色は淡色
なにびとであろうとも
紐に手はかけさせない
たとえそれが私であったとしても
ワタシのこゝろを私が
盗み見する
ほんとうのところはなにワタシに気づかれぬようチラッと盗み見してみる
最後の一枚だったとしても
いえだからこそ
潔く
容易いと思えば
なだらかに
険しいと思えば
これほど面白いものは
なく