飛行機はボストンからカンクンへの直行便。ADOのバスに乗り込み、ユカタン州の州都Meridaへ向かう。
メキシコは鉄道というものがほとんど存在せず、全ての主要都市がバス便でつながれている。
「地球の歩き方」には、「鉄道が便利なバスとの競争に負けて駆逐された」とあるが、その言い方は真実を表していないと思う。
国土の大きさの割に、人や物の移動が圧倒的に少ないから、固定費が大きくかかる鉄道では割に合わないんじゃないか、というのが私の仮説。
その結果、運賃が高くついてバスに負けたのかもしれないが、その原因は、そもそも人や物の移動が少ないことであり、単純な競争に負けたという話ではないと思うのだ。
高速を走っていても、ユカタン半島の主要都市であるカンクン・メリダ間を走るトラックなどほとんど見ない。
恐らく、ほとんどのものがその地で生産されてその地で消費される経済で、都市同士のつながりが薄いのかもしれない。
インドも鉄道や高速道路などのインフラがほとんど整備されてないが、恐らく同じ状況なんだろうな、と想像する。
バスはサバンナのような植生の草原を走っていく。
雲の隙間から注ぐ太陽の光。
だんだん眠くなる。
うとうとしているうちに、4時間があっという間に過ぎ、バスがメリダに到着。
ADOというのは、メキシコ東部を代表する一等バスで、メリダの町の端っこにある「CAME」という名のバス乗り場に到着する。
そこからホテルへと歩く。
ホテルはMontejo（モンテホ）という、「歩き方」にも「Lonely Planet」にも掲載されているホテルを予約していた。
コロニアル風の中庭が美しく、ドアや天井が高く、部屋も清潔で好印象のホテルだ。
シャワーに入ってちょっとゆっくりした後、早速メリダの街の探索に出ることにした。
メリダはユカタン州の州都でありながら、小さな街で、20分もあれば端から端まで歩ききってしまう。
小さな街だが、街の中はコロニアル風の建築物であふれており、建物の壁がパステルのピンクや緑に彩られていてとてもかわいらしい。
メキシコにはどの街にも中心に「ソカロ」と呼ばれる公園があるそうだ。
メリダのソカロはきれいに整備されていて、警察がたくさん巡回している。
周りには、州庁舎や市庁舎、カテドラルなどの重要な建物が建っている。
この写真はカテドラル。
光に照らされて幻想的。
その隣にある、ユカタン現代美術館。
美術館は6時までなのでもう閉まっていたが、屋外の彫刻展示を見学することが出来た。
こちらはソカロ周辺にある、別の公園の写真。
きれいに整備されていてやっぱり美しい。
そのまま歩いて、夕食は「歩き方」に載っていた「Los Almendos」という店で食べた。
この店はユカタン地区では高級料理店として名をはせているらしく、確かにメキシコの物価にしては、若干高めのプライシング。
名前は忘れてしまったが卵を使ったユカタン郷土料理の前菜と、コチニータ・ピビルという豚を唐辛子と酢で煮込み、バナナの葉に包んで石で蒸したという料理をいただいた。
さすが名店だけあって、味は絶品だった。
ビールは、「歩き方」に地元民に最も人気があると書かれていた「Bohemia」をいただく。
タイのシンハビールやバドライトを思い出させる軽さで、ベルギービール好きの私には若干物足りなかったが、暑い地域ではこれがよいのかもしれない。
隣のテーブルでは、ゴッドファーザーみたいなおじいさんを囲んで、上品な身なりの家族が一緒に食事をしている。
きっと地元の名士か何かで、月に一回の家族集会とかだったんじゃないだろうか。
音楽演奏もやってくれていて、少し物悲しい、単調の調べだった。
満足してホテルに帰り、ぐっすり眠りにつく。
朝のホテルの光景。
コロニアル風の中庭が美しい。
ホテルのレストランで朝食がつく。
絞りたてのオレンジジュースと焼いたパン。うーん、コンチネンタルだなあ。
私は朝食はベーコンや焼きトマトがつくイングリッシュ・ブレックファストが好きだと以前書いたけど、暑い国だと、朝食はコンチネンタルで十分なのかもしれない。
レストランのドアに面白いものを発見。
そうか、この国はシエスタを取るから、昼に一回お休みになるのね。
それにしても、AMEXがこんな販促おまけをレストランやホテルに配ってるのが面白い。
メキシコではAMEXのほうがVISAより使えるくらいカバレッジが大きいが、こういうのを配って地道にがんばったんだなあ、と感心する。
朝食を食べてしばらくゆっくりしたあと、ウシュマル遺跡ツアー会社のバスがホテルに到着した。
←次はマヤ文明を代表する遺跡、ウシュマルへ。クリックして応援してください！
