My Life After MIT Sloan

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雨神だらけのカバー遺跡-メキシコ旅行(4)

2009-04-01 21:50:35 | ●メキシコ・中南米

カバー(Kabah)遺跡は、ウシュマル(Uxmal)遺跡から車で30分程度のところにある。
直線だがUp-downが大きな、真っ白な道を通っていく。

Uxmalよりも見学箇所が少ないため、1時間もあれば全部見て回ることが出来る。

まずは入り口で遺跡の説明をするベンジャミンさん。
時計はすでに2時を回っている。

Kabah遺跡は、7世紀の昔からUxmalとは交流があり、白い道が当時も使われていたらしい。
もちろん、道は舗装されてるわけだけど、白系の石を使って真っ白に道を舗装するのは当時の伝統に習ったものだそうだ。

Kabahの建築様式は、トルテカ文明の影響をあまり受けていないので、Uxmalよりもよりマヤ文明のPook様式が強く残っているんだそうだ。

他にもいろいろ説明してくれたんだけど、暑さとおなかがすいたので、あまりよく覚えていない。

1. Coz Poop (仮面の宮殿)

まずはKabah遺跡を代表する建築物、Coz Poopを見学。
遠くから外壁をよーく見ると、雨神チャック(Chaak)ばかりじゃないですか。
チャックの見方がわかると、ちょっと気持ち悪いくらいびっしり詰まってる。

Uxmalで時間を使いすぎてしまい、あまり時間がないのでさっさと歩くベンジャミンさん。
もう御年60を過ぎていると思うのだが、こんなにずっとしゃべり続けていても、少しの疲れも見せず、すごいスピードで遺跡の急な階段を上がっていく。

近くで外壁を見るとこんな感じ。

よくみると、Uxmalで見たチャック像とはちょっと違う。
口が開いていて、歯のようなものがあるし、眉毛(Eye brow)も2種類の違うデザインが交互に表れている。
チャック像とチャック像の間に耳がひとつしかなく、二つでひとつの耳を共有しているのがわかる。

建物の入り口を入ると、中にもチャック像がいた。

破損した天井から、日の光が差し込んでいる。
建物の基盤は、円柱が使われていて、これもPuuk様式らしい。

建物の裏側に回る。

こちらは、人の形を模した像がだいぶ良い状態で残っている。
マヤの様式ってどれも、建物の上部が普通に創造する建物の2倍くらいあって、さまざまな装飾が施されている。

この部分に、さまざまなストーリーが隠されていることが多いので、建物上部をよーく見るのがよいらしい。

この像の下には、やはりPuuk様式らしい格子状の文様が施されている。
さらに、生贄になった人のレリーフが良い状態で残っている。
ひざまずいて、頭がないのが生贄の人で、首からは7匹の蛇が踊るように出てきている。
マヤでは蛇(ケツァル)は豊穣の象徴なので、まさに生贄の首が落とされたことによって、神の恵みが得られるという当時の考え方を象徴したレリーフなのだ。

2. 祭壇跡

Kabah遺跡はだいぶ修復が進んでいるが、まだまだ破損したままのところが多い。
ここはCoz Poopの北側にあって、ピラミッドのような祭礼の場所があったと考えられているが、ほとんど壊れてしまって下部しか残っていない。

階段の下に入っていくと、マヤアーチなどPuuk様式のいくつかの特徴が見られる。

3. 凱旋門

Kabah遺跡から道路をまたいで反対側のほうに、ベンジャミンさんが案内してくれた。
いったい何があるのだろう、と思っていたら、大きな門が見えてきた。

これも三角形のマヤアーチの形をしているが、凱旋門だと考えられているらしい。
ぽつんとこれだけ残っていて、なんとなく、画家のマグリットの幻想の世界に入ってしまったような気がする。

凱旋門から遠くの林を望む。

私の写真の取り方が、マグリットの絵に影響されているのかもしれないが、
本当に絵を見ているような光景だった。

1時間のKabah遺跡の見学を終えて、ようやくお昼ご飯にありつけることになった。
時計はすでに3時半に近づこうとしている。

ベンジャミンさんが素敵な雰囲気のUxmal近辺のレストランに連れて行ってくれた。

レストランでは、ユカタン半島らしい料理がいろいろあるのだが、その中でもちょっと圧巻だったのがこれ。

Sopa de Ajo。
Ajoは「アホ」と発音するがにんにくのことだ。


疲れが一気に取れた感じ。

メインはMexican Bistecというのを食べる。
ビールは若干ダークなLEONとかいう、地元ビールを。

イタリアからの夫妻、デンマークからの夫妻、アメリカ中西部、イギリスと、皆さんいろんな国から来ている。イタリアからの夫妻とは同年代。さらに旅程がほとんど一緒だったらしく、その後、パレンケでもサンクリストバルでもお会いすることになった。

アメリカ中西部からきていたのは、50代後半のカップルで、ダンナさんは朴訥な感じの白人、奥さんはアメリカン・インディアンでかくしゃくとしつつもおしゃべりで楽しい人だった。

デンマークからの夫妻は、メキシコシティからサンクリストバル、そしてメリダに到着し、今日が最終日なのだという。
彼らにサンクリストバル・ラスカサスの街の話を詳しく聞いて、行ってみたいと思うようになった。
もともとの旅程では、カンペチェに行き、そこからカラクムル遺跡を見学する予定だったのだが、変更して、サンクリストバルを検討することに。

メキシコ初日は移動に追われてしまったので、実質最初の日という感じ。
圧巻のUxmalとKabahを回れた上、おいしい食事でおなかいっぱいになり、いろんな人と話が出来て、満足な一日だった。

次は→ フラミンゴの楽園セレストゥン-メキシコ旅行(5)

 

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