〈第三項〉論で読む近代小説  ◆田中実の文学講座◆

近代小説の読みに革命を起こす〈第三項〉論とは?
あなたの世界像が壊れます!

明日の日中合同シンポジウムのお知らせ

2021-06-18 13:28:39 | 日記
明日6月19日、ズームにて、以下のオンラインイベントが開かれます。
私の講演が基調報告です。
お時間のある方は是非ご視聴下さい。

私の講演は今年3月、都留文科大学研究紀要 第93集(2021年3月)に発表した、
「魯迅『故郷』の秘鑰(ひやく)―「鉄の部屋」の鍵は内にあって扉は外から開く―」
をベースにしています。

そもそも日本では、竹内好さんが魯迅の原文を改竄して翻訳したものを
全ての教科書に使っているため、物語の出来事が理解されていません。
ストーリー・筋が取り違えられているのは、「語り手」を捉えられていないからです。
物語の登場人物の「私」を語る、「語りを超えるもの」である
〈機能としての語り手〉が捉えられていないため、物語がぐちゃぐちゃになっています。

例えば、藤井省三さんは楊おばさんのことを「私」が慕っていたと解釈されています。
(『魯迅と世界文学』東方書店 2020年11月)
そう読むと、「私」を全く理解できれないというのが、田中の立場です。
藤井氏の『魯迅 『故郷』の風景』(平凡社選書 1986年10月)では、実証的なことで教わるところが多く、
敬意を持って拝読していますが、〈読み〉に関しては原理論から対立しています。

明日はその話です。午前中です。
以下に、プログラムと視聴の仕方をお知らせしておきます。

日中国語教材・魯迅『故郷』発表 100 年記念活動

魯迅『故郷』を巡るオンライン日中共同研究会

※開催日:2021 年 6 月 19 日(土) 以下の時間は日本時間です。

09:30~09:35 全体司会者による参加者全員の紹介
09:35~09:45 開会の辞:鄒 波(復旦大学 准教授)(日本語と中国語)
09:45~11:15 特別講演
田中 実(都留文科大学 名誉教授) +中国語通訳

11:15~11:25 休憩
11:25~12:25 『故郷』をめぐる研究発表
日本側発表者:周 非(都留文科大学 特任准教授)(日本語と中国語)(30 分)
中国側発表者:李 勇華(浙江越秀外国語学院 講師)(日本語と中国語)(30 分)

12:25~14:00 休憩

14:00~16:10 『故郷』をめぐる日中共同シンポジウム
司会:霍 士富 (西安交通大学外国語学院 教授)(日本語と中国語)
① 『故郷』をめぐる日中授業実践報告
日本側発表者:山本 富美子(北杜市武川中学校 国語教員)(10 分)+中国語通訳
中国語発表者:陳 彦羽(紹興第一初級中学校 国語教員)(10 分)+日本語通訳
② 討論
日本側参加者:助川 幸逸郎(岐阜女子大学文化創造学部 教授)、山本 富美子(北杜
市立武川中学校 国語教員)、山田 伸代(静岡県立藤枝特別支援学校 校長)+(中国
語通訳)
中国側参加者:呉 暁東(北京大学中国文学科 教授)、陳 彦羽(紹興市第一初級中学
国語教員)、呉 淼峰(紹興市越城区教師発展センター 主任)+(日本語通訳)

16:10~16:30 閉会の辞:李 強(北京大学教授) 日本語通訳

ご感想、ご質問などは 周非 zhoufei@tsuru.ac.jp まで
※日中両側の中学校教員、研究者、教科書出版関係者が観客としてオンライン参加。
※日中双方のマスコミに取材依頼。


視聴希望の方は以下のURLからお入り下さい。

https://us02web.zoom.us/j/85873255001?pwd=TENOaW9qbmlNVnVVVERVK2RmUkZBdz09
ID:858 7325 5001
password:067091
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