〈第三項〉論で読む近代小説  ◆田中実の文学講座◆

近代小説の読みに革命を起こす〈第三項〉論とは?
あなたの世界像が壊れます!

明日の講座のこと

2024-07-26 11:13:20 | 日記
明日の講座は魯迅の「『藤野先生』再論 ―『狂人日記』を踏まえて―」
と題しましたが、芥川龍之介の『羅生門』や『白』についても話をします、
と前の記事でも書きました。

それについて補足をしておきます。

魯迅の『藤野先生』と芥川の『羅生門』や『白』とは一見無関係のように見えますが、
文学の根底を問題にすると、メタプロットで繫がっています。
すなわち、通常、小説はストーリーを読み、プロットを捉えますが、
それを支えるメタプロットまで読み込むと、近代的リアリズムを超える
近代小説の神髄の問題が浮上してくるのです。

メタプロットを読み込むと、哲学や宗教あるいは最先端の科学、
そうしたことも視野に入ってきて、ポストモダンの問題に突き当たります。

これを乗り越えて、ポスト・ポストモダンを拓きたいと
『小説の力―新しい作品論のために』から考えて来ました。
明日もそうした話になります。

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7月の文学講座のお知らせ

2024-07-24 13:30:30 | 日記
皆さん、こんにちは。
今月の講座は、魯迅の「『藤野先生』再論 ―『狂人日記』を踏まえて―」
と題しました。

これまで『藤野先生』は、魯迅が医学から文学に転向した契機が描かれている
と読まれてきましたが、私はそうではなく、
それまでの文学活動では「施す手なし」の状況に対して、
次元の異なる全く新しい文学活動を始める、その契機が書かれている
と考えています。
その始まりが『狂人日記』なのです。

『狂人日記』は『藤野先生』の末尾にある「正人君子たちに忌みきらわれる文章を書きつぐ」、
その「正人君子たちに忌みきらわれる文章」の最たる作品です。
何故なら、中国四千年の歴史の暗部である食人文化を
「狂人」が告発するという過激な作品だからです。
人間としてきわめて真っ当な告発をすると「狂人」扱いされる、
そこには当時の社会状況への痛烈な批判が込められています。

この『狂人日記』を踏まえて論じたいことは、
『藤野先生』が近代小説の《神髄》であることです。

この近代小説の《神髄》に関わって、芥川龍之介の自殺の問題、
『羅生門』を改稿し、名作『藪の中』を書きながら、
何故そこから私小説に向かい、結果自殺したのか、
こうしたことと魯迅文学との相関を考えてみたいと思っています。
自分でもその場でどんな話になるのかわかりませんが、
今のところそのように想像しているところです。

以下は朴木の会の係の方からのお知らせです。

   ※      ※      ※

7月27日(土)に、田中実文学講座を開きます。
今回のテーマは 「『藤野先生』再論 ―『狂人日記』を踏まえて―」
です。
はじめて方も歓迎します。大勢の皆さんのご参加をお待ちしています。
※下記時間は日本時間である。
作品 魯迅作品『藤野先生』、『狂人日記』
講師 田中実先生(都留文科大学名誉教授)
日時 2024年7月27日(土)13:30~15:30
参加方法 zoomによるリモート
申込締切 2024年7月26日(金)19:00 まで
参加をご希望の方は、下記申込フォームから申し込んでください。
申し込まれた方には、締め切り時間後に折り返しメールでご案内します。
https://forms.office.com/r/3nKvXa3fGd
問い合わせ:dai3kou.bungaku.kyouiku@gmail.com
主催 朴木(ほおのき)の会


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村上春樹の「うなぎ説」と〈第三項〉

2024-06-27 15:15:29 | 日記
皆さん、こんにちは。
明後日、いつもの通り、朴木の会の講座を開きます。
テーマを「村上春樹の「うなぎ説」と〈第三項〉」としたのは、
多年語り続けていた〈第三項〉論とは、村上春樹の譬喩で言えば、「うなぎ説」のこと、
両者は同じ、主体と客体の二項の外部の第三者を踏まえて「世界」を捉えています。
これは近代的リアリズムを捉え直すことで、近代小説の《神髄》を捉えるには必須です。
そこでこのタイトルにしました。
当日は、分かりにくいところの御質問を頂きながら、お話しします。

ところで、昨年10月、都留文科大学の『紀要』に「心の架け橋、魯迅『藤野先生』論と
その行方―「ああ、施す手なし」―」を発表しましたが、これも〈第三項〉論で論じています。
この『藤野先生』は日中で広く国語教科書に掲載されていますが、
わたくしは従来の〈読み〉をこの拙論で覆してしまいました。
因みに、今年3月には、周非さんがこの解説を同じく都留文科大学の『紀要』に
書いて下さっています。

現在、あらためて拙稿「心の架け橋、魯迅『藤野先生』論とその行方―
「ああ、施す手なし」―」の改訂版を書き進めています。
なお、拙稿は既に中国の成瑞さんが中国語に翻訳して下さっています。
日中双方で、魯迅について考えて行ければと願っています。

以下はいつもの係の方からの連絡です。

皆さん6月29日(土)に、田中実文学講座を開きます。
今回のテーマは 「村上の「うなぎ説」と〈第三項〉」です。
はじめて方も歓迎します。大勢の皆さんのご参加をお待ちしています。

※下記時間は日本時間です。
作品 特になし
講師 田中実先生(都留文科大学名誉教授)
日時 2024年6月29日(土)13:30~15:30
参加方法 zoomによるリモート
申込締切 2024年6月28日(金)19:00 まで
参加をご希望の方は、下記申込フォームから申し込んでください。
申し込まれた方には、締め切り時間後に折り返しメールでご案内します。
https://forms.office.com/r/MPP6m8PGHs
問い合わせ:dai3kou.bungaku.kyouiku@gmail.com
主催 朴木(ほおのき)の会
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5月の講座案内

2024-05-24 08:34:52 | 日記
皆様、

 遅くなって申し訳ありません。明日の講座は予定通り、開催します。芥川の最後の童話『白』論のを踏まえ、明日は芥川の自殺の問題、芥川の文学とはいかなるものかを村上春樹の問題で前回お話ししたところをもう一度考えながら、考えます。奥は深く、何処までも闇は深い、芥川が自殺して果てなければならなかったその命は、『歯車』の問題であり、近代小説の《神髄》に関わるように思われます。その点、村上春樹の仕掛けは容易なことではありません。彼が小説ならぬ「スケッチ」を書きつづけてきたゆえんでもあります。


5月25日(土)に、田中実文学講座を開きます。
今回のテーマは「芥川の最期と村上春樹の小説―リアリズムの問題」です。
はじめて方も歓迎します。大勢の皆さんのご参加をお待ちしています。
※下記時間は日本時間である。
作品 特になし
講師 田中実先生(都留文科大学名誉教授)
日時 2024年5月25日(土)13:30~15:30
参加方法 zoomによるリモート
申込締切 2024年5月24日(金)19:00 まで
参加をご希望の方は、下記申込フォームから申し込んでください。申し込まれた方には、締め切り時間後に折り返しメールでご案内します。
https://forms.office.com/r/aCnF2NA3QD
問い合わせ:dai3kou.bungaku.kyouiku@gmail.com
主催 朴木(ほおのき)の会
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4月の講座案内

2024-04-25 21:37:32 | 日記
連絡遅くなり、大変申し訳ありません。
 
   いよいよ、問題は急所へと、来ています。
      以下は、いつも係の方からの通信です。




4月27日(土)に、田中実文学講座を開きます。
今回のテーマは「芥川龍之介の自殺と村上春樹―〈近代小説の読み〉の原理的転換―」です。
はじめて方も歓迎します。大勢の皆さんのご参加をお待ちしています。
※下記時間は日本時間です。
作品 特になし
講師 田中実先生(都留文科大学名誉教授)
日時 2024年4月27日(土)13:30~15:30
参加方法 zoomによるリモート
申込締切 2024年4月26日(金)19:00 まで
参加をご希望の方は、下記申込フォームから申し込んでください。申し込まれた方には、締め切り時間後に折り返しメールでご案内します。
https://forms.office.com/r/4XHis1mc5Z
問い合わせ:dai3kou.bungaku.kyouiku@gmail.com
主催 朴木(ほおのき)の会
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