〈第三項〉論で読む近代小説  ◆田中実の文学講座◆

近代小説の読みに革命を起こす〈第三項〉論とは?
あなたの世界像が壊れます!

村上春樹の「うなぎ説」と〈第三項〉

2024-06-27 15:15:29 | 日記
皆さん、こんにちは。
明後日、いつもの通り、朴木の会の講座を開きます。
テーマを「村上春樹の「うなぎ説」と〈第三項〉」としたのは、
多年語り続けていた〈第三項〉論とは、村上春樹の譬喩で言えば、「うなぎ説」のこと、
両者は同じ、主体と客体の二項の外部の第三者を踏まえて「世界」を捉えています。
これは近代的リアリズムを捉え直すことで、近代小説の《神髄》を捉えるには必須です。
そこでこのタイトルにしました。
当日は、分かりにくいところの御質問を頂きながら、お話しします。

ところで、昨年10月、都留文科大学の『紀要』に「心の架け橋、魯迅『藤野先生』論と
その行方―「ああ、施す手なし」―」を発表しましたが、これも〈第三項〉論で論じています。
この『藤野先生』は日中で広く国語教科書に掲載されていますが、
わたくしは従来の〈読み〉をこの拙論で覆してしまいました。
因みに、今年3月には、周非さんがこの解説を同じく都留文科大学の『紀要』に
書いて下さっています。

現在、あらためて拙稿「心の架け橋、魯迅『藤野先生』論とその行方―
「ああ、施す手なし」―」の改訂版を書き進めています。
なお、拙稿は既に中国の成瑞さんが中国語に翻訳して下さっています。
日中双方で、魯迅について考えて行ければと願っています。

以下はいつもの係の方からの連絡です。

皆さん6月29日(土)に、田中実文学講座を開きます。
今回のテーマは 「村上の「うなぎ説」と〈第三項〉」です。
はじめて方も歓迎します。大勢の皆さんのご参加をお待ちしています。

※下記時間は日本時間です。
作品 特になし
講師 田中実先生(都留文科大学名誉教授)
日時 2024年6月29日(土)13:30~15:30
参加方法 zoomによるリモート
申込締切 2024年6月28日(金)19:00 まで
参加をご希望の方は、下記申込フォームから申し込んでください。
申し込まれた方には、締め切り時間後に折り返しメールでご案内します。
https://forms.office.com/r/MPP6m8PGHs
問い合わせ:dai3kou.bungaku.kyouiku@gmail.com
主催 朴木(ほおのき)の会
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5月の講座案内

2024-05-24 08:34:52 | 日記
皆様、

 遅くなって申し訳ありません。明日の講座は予定通り、開催します。芥川の最後の童話『白』論のを踏まえ、明日は芥川の自殺の問題、芥川の文学とはいかなるものかを村上春樹の問題で前回お話ししたところをもう一度考えながら、考えます。奥は深く、何処までも闇は深い、芥川が自殺して果てなければならなかったその命は、『歯車』の問題であり、近代小説の《神髄》に関わるように思われます。その点、村上春樹の仕掛けは容易なことではありません。彼が小説ならぬ「スケッチ」を書きつづけてきたゆえんでもあります。


5月25日(土)に、田中実文学講座を開きます。
今回のテーマは「芥川の最期と村上春樹の小説―リアリズムの問題」です。
はじめて方も歓迎します。大勢の皆さんのご参加をお待ちしています。
※下記時間は日本時間である。
作品 特になし
講師 田中実先生(都留文科大学名誉教授)
日時 2024年5月25日(土)13:30~15:30
参加方法 zoomによるリモート
申込締切 2024年5月24日(金)19:00 まで
参加をご希望の方は、下記申込フォームから申し込んでください。申し込まれた方には、締め切り時間後に折り返しメールでご案内します。
https://forms.office.com/r/aCnF2NA3QD
問い合わせ:dai3kou.bungaku.kyouiku@gmail.com
主催 朴木(ほおのき)の会
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4月の講座案内

2024-04-25 21:37:32 | 日記
連絡遅くなり、大変申し訳ありません。
 
   いよいよ、問題は急所へと、来ています。
      以下は、いつも係の方からの通信です。




4月27日(土)に、田中実文学講座を開きます。
今回のテーマは「芥川龍之介の自殺と村上春樹―〈近代小説の読み〉の原理的転換―」です。
はじめて方も歓迎します。大勢の皆さんのご参加をお待ちしています。
※下記時間は日本時間です。
作品 特になし
講師 田中実先生(都留文科大学名誉教授)
日時 2024年4月27日(土)13:30~15:30
参加方法 zoomによるリモート
申込締切 2024年4月26日(金)19:00 まで
参加をご希望の方は、下記申込フォームから申し込んでください。申し込まれた方には、締め切り時間後に折り返しメールでご案内します。
https://forms.office.com/r/4XHis1mc5Z
問い合わせ:dai3kou.bungaku.kyouiku@gmail.com
主催 朴木(ほおのき)の会
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3月の講座のこと

2024-03-20 19:28:30 | 日記
今月の講座は「芥川の自殺『白』論の行方」と題して、
先月に続き、芥川龍之介の『白』についてお話しします。

先月の『鷗外』誌に、ある親しくしていた方の追悼文を書くことで、
改めて、魂の問題、「生きることと死ぬこと」について考えました。
それは以前の拙稿「村上春樹の「神話の再創成」(『〈教室〉の中の村上春樹』2011・8
ひつじ書房)や同「近代小説の一極北―志賀直哉『城の崎にて』の深層批評」
(2012・3  教育出版)で論じてきた問題を踏まえて、
〈語り〉の問題を論じたものですが、現在、これが一般の文学研究では
徹底的に等閑視されてきたことを改めて思い知りました。

例えば、村上春樹の『タイランド』では「生きることと死ぬことは、
ある意味では等価なのです。」とあります。
こうしたことの意味をあらためて考えてみませんか。

近代小説の《神髄》を読むには、三島由紀夫の「小説とは何か」での提起は
素朴ですが必須です。
「客観的現実」を知覚のリアリズムで信じる常識、イデオロギーは
AIの時代の現代では通用しません。
志賀直哉の問題、「生きている事と死んで了つている事とは、それは両極ではなかった」、
こうした古典的名作の提起した生と死の問題こそ実は、
AIの現代の問題と田中は考えています。

共に議論しませんか。
23日の講座はそうした契機にしたいと願っています。

下記に朴木の会からのお知らせです。


3月23日(土)に、田中実文学講座を開きます。
今回のテーマは「芥川の自殺と『白』論の行方」です。
はじめて方も歓迎します。大勢の皆さんのご参加をお待ちしています。
※下記時間は日本時間である。
作品 芥川龍之介『白』、その他
講師 田中実先生(都留文科大学名誉教授)
日時 2024年3月23日(土)13:30~15:30
参加方法 zoomによるリモート
申込締切 2024年3月22日(金)19:00 まで
参加をご希望の方は、下記申込フォームから申し込んでください。
申し込まれた方には、締め切り時間後に折り返しメールでご案内します。
https://forms.office.com/r/QVbuJUvfdq
問い合わせ:dai3kou.bungaku.kyouiku@gmail.com
主催 朴木(ほおのき)の会
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明日の講座のこと

2024-02-23 10:48:19 | 日記
今日は天皇誕生日、お休みですね。

前回の記事でお知らせしましたように、
明日の文学講座は芥川龍之介の童話『白』についてお話しします。
8年前の拙稿「〈自己倒壊〉と〈主体〉の再構築―『美神』・「第一夜」・『高瀬舟』の
多次元世界と『羅生門』のこと―」(『日本文学』2016・8)で論じたことを
下敷きにします。
そこにはすでに、『金閣寺』の〈語り〉と芥川の『羅生門』の〈語り〉が
如何に関わるかを問題にして論じました。
しかし、大変読みづらいと思いますので、
明日は分かりやすくお話ししたいと思っています。

前回の講座で取り上げた『金閣寺』の主人公溝口は末尾、
「徒爾」・無駄事と認識しながらも金閣を放火した後、生きようと思います。
それはいかなることかは『臨済録示衆』の「仏に逢うては」の一節をどう読むかと
深く関わり、そこに〈語り手〉溝口とその「三人の父」との関わりの秘密が隠されています。

ここには〈近代小説〉を読み解く〈本流〉ならぬ《神髄》を追究する入り口があります。
近代小説の〈本流〉は近代的なリアリズムを追求し、そのリアリティを問題化していますが、《神髄》はそれを突き抜けた一種の不条理・背理を抱えています。

今回はこれを芥川の童話『白』で考えましょう。
『白』は短いし、すぐ読めます。
この童話は芥川の生前には単行本では発表されていません。
佐藤春夫と同じ名前の「坊ちゃん」、「春夫さん」が登場します。
最後にお嬢さんの涙が書かれていますが、この涙の秘密を読みましょう。
あまんきみこの童話『白いぼうし』なら、「よかったね、よかったよ」の
チョウの言葉を人間の松井さんが聴き取る秘密を読むことです。

明日初めてお聞きになる方にも、ご参加いただるようにお話ししたいと思います。
お力をお貸しください。共に考えましょう。
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