〈第三項〉論で読む近代小説  ◆田中実の文学講座◆

近代小説の読みに革命を起こす〈第三項〉論とは?
あなたの世界像が壊れます!

次回の文学講座のご案内

2021-06-29 14:31:59 | 日記
6月もう終わります。
コロナ禍の中、毎日進み方が違って感じるような気がします。
先日はワクチン接種の二回目を終わらせました。
特に私の場合、変わったところはありません。

先日6月19日、日中合同の魯迅『故郷』発表100年を記念してのシンポジウムは
無事に終わりました。
その際飛び入りの形で、北京大学の魯迅研究を代表するお一人呉暁東氏が参加され、
〈第三項〉論の批評を展開されました。
なるほど、〈第三項〉における近代文学の《神髄》が、日本語の使い手たち、日本文学研究者より、
中国文学研究者の方が対象化しやすいのかと思わせるに足る共鳴・共感を感じました。

そこで、次回の文学講座は以下のようにし、これまでの難問に立ち止まり、
改めて、お聞きくださる研究者の先生方と議論しようと思いました。

教材は村上春樹の最新作エッセイの『猫を棄てる』、短編の『一人称単数』、
あまんきみこの童話『あるひあるとき』と魯迅の『故郷』を取り上げます。
すなわち、田中が都留の学部と大学院の紀要に掲載した二本の拙稿の鍵になるものを
話題にしようと思っています。

お聞きくださる先生方の御質問を受けながら、最終的に日本の近代小説の草分け、
『舞姫』以降の近代小説の《神髄》の扉を開けたいと思っています。


以下は、朴木の会、望月さんからのお知らせです。


7月4日(日)に、田中実文学講座を開きます。

 今回は、これまでの文学講座のなかで、疑問に思ったことなどを参加者の皆さんが質問し、
先生に応えていただく講座です。田中先生との対話を中心に進めたいと思います。
「近代小説の神髄を読む」とはどういうことかを、一緒に考えていきましょう。
 はじめて参加される方も歓迎します。

テーマ    近代小説の神髄を読む
        ―村上春樹『猫を棄てる』『一人称単数』、魯迅『故郷』、
          あまんきみこ『あるひあるとき』、森鷗外『舞姫』―

講師      田中実先生(都留文科大学名誉教授)
日時      2021年7月4日(日)午後1時半から午後3時
参加方法    zoomによるリモート参加
申込締切    2021年7月4日(日)12時まで

参加をご希望の方は、お名前、所属をご記入のうえ、
下記のアドレスに申し込んでください。申し込まれた方には折り返しメールでご案内します。
dai3kou.bungaku.kyouiku@gmail.com  (担当 望月)

主催   朴木(ほおのき)の会
 

 
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明日の日中合同シンポジウムのお知らせ

2021-06-18 13:28:39 | 日記
明日6月19日、ズームにて、以下のオンラインイベントが開かれます。
私の講演が基調報告です。
お時間のある方は是非ご視聴下さい。

私の講演は今年3月、都留文科大学研究紀要 第93集(2021年3月)に発表した、
「魯迅『故郷』の秘鑰(ひやく)―「鉄の部屋」の鍵は内にあって扉は外から開く―」
をベースにしています。

そもそも日本では、竹内好さんが魯迅の原文を改竄して翻訳したものを
全ての教科書に使っているため、物語の出来事が理解されていません。
ストーリー・筋が取り違えられているのは、「語り手」を捉えられていないからです。
物語の登場人物の「私」を語る、「語りを超えるもの」である
〈機能としての語り手〉が捉えられていないため、物語がぐちゃぐちゃになっています。

例えば、藤井省三さんは楊おばさんのことを「私」が慕っていたと解釈されています。
(『魯迅と世界文学』東方書店 2020年11月)
そう読むと、「私」を全く理解できれないというのが、田中の立場です。
藤井氏の『魯迅 『故郷』の風景』(平凡社選書 1986年10月)では、実証的なことで教わるところが多く、
敬意を持って拝読していますが、〈読み〉に関しては原理論から対立しています。

明日はその話です。午前中です。
以下に、プログラムと視聴の仕方をお知らせしておきます。

日中国語教材・魯迅『故郷』発表 100 年記念活動

魯迅『故郷』を巡るオンライン日中共同研究会

※開催日:2021 年 6 月 19 日(土) 以下の時間は日本時間です。

09:30~09:35 全体司会者による参加者全員の紹介
09:35~09:45 開会の辞:鄒 波(復旦大学 准教授)(日本語と中国語)
09:45~11:15 特別講演
田中 実(都留文科大学 名誉教授) +中国語通訳

11:15~11:25 休憩
11:25~12:25 『故郷』をめぐる研究発表
日本側発表者:周 非(都留文科大学 特任准教授)(日本語と中国語)(30 分)
中国側発表者:李 勇華(浙江越秀外国語学院 講師)(日本語と中国語)(30 分)

12:25~14:00 休憩

14:00~16:10 『故郷』をめぐる日中共同シンポジウム
司会:霍 士富 (西安交通大学外国語学院 教授)(日本語と中国語)
① 『故郷』をめぐる日中授業実践報告
日本側発表者:山本 富美子(北杜市武川中学校 国語教員)(10 分)+中国語通訳
中国語発表者:陳 彦羽(紹興第一初級中学校 国語教員)(10 分)+日本語通訳
② 討論
日本側参加者:助川 幸逸郎(岐阜女子大学文化創造学部 教授)、山本 富美子(北杜
市立武川中学校 国語教員)、山田 伸代(静岡県立藤枝特別支援学校 校長)+(中国
語通訳)
中国側参加者:呉 暁東(北京大学中国文学科 教授)、陳 彦羽(紹興市第一初級中学
国語教員)、呉 淼峰(紹興市越城区教師発展センター 主任)+(日本語通訳)

16:10~16:30 閉会の辞:李 強(北京大学教授) 日本語通訳

ご感想、ご質問などは 周非 zhoufei@tsuru.ac.jp まで
※日中両側の中学校教員、研究者、教科書出版関係者が観客としてオンライン参加。
※日中双方のマスコミに取材依頼。


視聴希望の方は以下のURLからお入り下さい。

https://us02web.zoom.us/j/85873255001?pwd=TENOaW9qbmlNVnVVVERVK2RmUkZBdz09
ID:858 7325 5001
password:067091
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