ある日、ままじょさん(まじょこちゃんのママ)の大好きな歌をまじょこちゃんも一緒に聴きに行きました。
ままじょさんは、たくさん説明はせず
「心で聴いてごらんなさい」とだけ言いました。
難しそうだけど、その意味はわかります。
ふーっと息をはいて、目をつむって、静かにしていれば、心の耳が開くのを知っていたのです。
心地良い旋律が心に流れてきました。
そっと目を開くと、男の人が力強く、心をこめて歌っているのが見えます。
力強い声なのに、なんだかちょっぴり悲しいような気もします。
ままじょさんに「すてきな歌なのに、少し悲しいような気がするの、なぜ?」
やっと訊いてみました。
「それはね、『切ない』というのよ」。
「悪い心ではないわ。思い切り感じてごらんなさい」。
女性が歌いだしました。
暖かい風が吹き込んできたようです。
優しい気分になりました。
でも、やっぱり、さっきの『切ない』もやってきました。
「2人とも、きっと淋しい心も知っているのよ。
だから、優しい声がでるのね。
まじょこちゃんの、どこかにある切ない心をそっとなでてくれているんじゃないかしら?」
切ない・・・?
黙って、また、優しく力強い声に身をゆだねて『切ない』を感じてみました。
思い切り心の窓をたくさん開けてみました。
とても心地がよい何かが流れてくるのです。
その夜、まじょこちゃんがいい夢を見たことは、言うまでもありませんね。
どうぞ東風さんのライブに行ってみて、感じてください。