徒然なるままに。

徒然に小話を載せたり載せなかったり。

give in to (~に降参する)

2006年02月01日 | スレイヤーズ
「私も行きたいです」

 濃紺の瞳がじっと自分を見つめて、断固とした口調で言った。




 この町の近くに、大昔のある偉大な魔道士の屋敷跡があるという。
 今では大部分が崩れ落ちてしまっているが、地下室は未だ健在であるらしい。
 だが魔道士の屋敷の常、崩れかけた今でも数々のトラップがあり、行くのはやめた方が良いとその屋敷の話をした老人は言った。

 駄目だ、と言おうとして言葉に詰まる。
 濃紺の瞳がじっと自分を見つめて――睨んで――いる。

 どうせこの様子では、駄目だといってもついて来るに決まっている。

「…………好きにしろ。自分の身は自分で守れよ」
「はいっ!」

 そうは言っても、いざとなったら身を挺してしまうに違いないのだが。