ひとり井戸端会議

主に政治・社会・法に関する話題を自分の視点から考察していきます。

議員宿舎は必要だ

2008年02月19日 | 社会保障関係
 一時期凄く「無駄」扱いを受けてたいわゆる議員宿舎について、今回は今さらながら考えてみたい。まず、結論から言うと、私は必要だと思っている。むしろ、議員宿舎大歓迎である。

 というのは、元々議員は、イギリスなどでは、ボランティアの無給でやっているのが当たり前で、議員の多くは議員以外の副業を持っているのが普通であった。しかし、そうなると、貧困層とか、お金のない人たちから議員を輩出することができない。
 こうなれば、議員は一部の富裕層の口利きみたいなものになってしまい、国民の多様な意見を反映させるための議会ではなくなってしまう。そこで、こういう弊害を除去して、幅広い層の国民を代表する多様な議員を議会へ送り出すために、議員に給料が支払われてるようになったのである。

 どうしてこんな話を出したかと言うと、議員の中にはお金のない議員、またはそんなに豊かではない議員もいるんだという、ごく当たり前の前提が、今の議員宿舎に反対する人たちは、分かっていない、もしくは見落としているんじゃないかと思ったからである。

 議員になっても、その職場である国会に通わなければ仕事にならない。当然ながら、議員は全国から選挙された人たちであるから、北海道から沖縄の離れた島の出身の人まで、その出身地は多様である。こういう人たちのためにも、家賃を格安にして提供できる議員宿舎って必要なんじゃないだろうか。
 もし議員宿舎がないと、国会から通える範囲にいる議員に情報などが集中したり、地方出身の議員はまともに政策などを勉強したりする時間が取れないと思う。もっと言えば、果ては参政権の侵害にもなるだろうかと。

 議員宿舎に批判的な人の中には、その家賃の安さが問題なんだと言われる方もいるのは承知している。しかし、選挙をするだけでも莫大な費用が必要で、しかも当選すれば今度は国会から通える範囲に居住しなければならない。これでは、資産の乏しい議員にとっては、ふんだり蹴ったりの出費だと思う。
 けれども、繰り返すが、議会とは多種多様な国民の声を反映したものでなければならいない以上、財力に余裕のない人でも安心して議員活動ができる土壌を保障しなければならないと考えている。よって、私は家賃も安くていいと思っている。

 お金のある人がわざわざ財テク感覚で議員宿舎を占拠したりするのはいただけないし、そういう者には批判は然るべきものだろうが、そういう一部の人たちをもって、一部の問題を全体に波及させて、「議員宿舎はいらない!」は、行き過ぎだと思うのである。