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読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

佐藤亜紀「金の仔牛」

2013年02月18日 | さ行の作家
  講談社 2012年9月 第1刷発行 301頁     ルイ王朝下、18世紀初頭のパリ 追剥のアルノーは、襲撃した老紳士・カトルメールに逆に儲け話を持ちかけられる 話に乗ったアルノーは、恋人のニコルとの豊かな生活を目標に、直ぐに才能を発揮し羽振りのいい青年実業家へと転身する   近世ヨーロッパの「ミシシッピ事件」を題材にしたマネーゲーム . . . 本文を読む

沢村凜「夜明けの空を掘れ」

2013年01月17日 | さ行の作家
  双葉文庫 2011年10月 第1刷発行 解説・小池啓介 341頁     同じ大学でつるんでいた仲間5人が卒業10周年の同窓会で再会を果たす 10年の歳月は5人をそれぞれ違う道に進ませていた 会社員の利男、コンビニ店主の栄司、バツイチ・フリーターの昇平、研究者の大樹、主人公でニートの皓雅 再会の記念にtotoサッカーくじの予想を5人で分担したの . . . 本文を読む

小路幸也「リライブ」

2013年01月09日 | さ行の作家
  新潮文庫 2012年10月 発行 解説・東えりか 318頁     死に逝くあなたの〈思い出〉をいただくために参上しました 代わりに人生で失ったものを一つだけ取り戻すことができます 〈バク〉が誘うもう一つの人生とは――   臨終間際、現れるバク(目の前に存在するというより頭の中に語りかけてくるイメージ) あの日、あの時、あぁすれば . . . 本文を読む

西條奈加「善人長屋」

2013年01月08日 | さ行の作家
  新潮文庫 2012年10月 発行 解説・末國善巳 372頁     裏稼業を持つ悪党たちばかりが住む長屋に、ひょんなことから錠前職人の加助が住み始めた 根っからの善人・加助が加わったことで、元々善い人ばかりが住むと評判の長屋はますます善人長屋の名を高めていく   加助は人の不幸を見過ごせない性質で困っている人がいるとすぐ長屋に連れ帰っ . . . 本文を読む

沢村凜「リフレイン」

2012年11月27日 | さ行の作家
  角川文庫 2012年7月 初版発行 解説・小川一水 360頁     単行本は1992年に刊行されています ということは20年前   もし、当時読んで、その時まだ10代だった方がいらっしゃったら是非再読をお薦めしたいです 多分、今のほうがこの作品の本質を理解できると思います     SF小説です 遠い未来 . . . 本文を読む

佐藤哲也「ぬかるんでから」

2012年10月29日 | さ行の作家
  文春文庫 2007年8月 第1刷 解説・伊坂幸太郎 245頁     短篇集です   表題作「ぬかるんでから」 これは奇跡に関する物語だ その奇跡のために海はなんども身をくねらせて巨大な波を幾重にも繰り出し、無量のしぶきを飛ばして大地を濡らした 町は沈み丘は浸り、地上の土は海の水と交じりあって褐色を帯び、泥は溢れて道を走り、川に流 . . . 本文を読む

酒井順子「女流阿房列車」

2012年10月27日 | さ行の作家
  新潮文庫 2012年5月 発行 解説・田中比呂之 269頁     昭和26年に書かれた百先生の「阿房列車」に 「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」という件があります 目的もないのに汽車に乗るなど、何をやっているのだ?ですね   さて、現代 酒井さんは新潮社のT氏(解説を書いておられる田中氏)のプラ . . . 本文を読む

柴田よしき「いつか響く足音」

2012年10月03日 | さ行の作家
  新潮文庫 2012年5月 発行 解説・椰月美智子 271頁     今は寂れてしまった郊外の団地を舞台にした連作小説集   「最後のブルガリ」 そこそこの学校を出て事務職に就いていた絵里の人生の歯車が狂い始めた 母の入院と死 治療費に多額の借金をしていた父は自殺 父の生命保険と住んでいたマンションの売却金とで借金は消えた しか . . . 本文を読む

白石一文「幻影の星」

2012年05月30日 | さ行の作家
  文藝春秋社 2012年1月 第1刷発行 245頁     帯より 震災後の生と死を鋭く問う、白石一文の新たな傑作     主人公は東京で一人暮らしをしている男性 郷里・長崎の母から電話があり かなりくだびれてはいるが、彼のネーム入りの青いレインコートが実家近くで見つかったから送る、という そんなはずはない 自宅のクロ . . . 本文を読む

庄司薫「赤頭巾ちゃんきをつけて」

2012年05月25日 | さ行の作家
  新潮文庫2012年3月 発行解説・苅部直179頁   60年代から2010年代へ- 伝説のミリオンセラーふたたび!     昔読んだという方、多いでしょうね 実は私、庄司さんは初めてです なんとなく興味が湧かなかったのです   読み始めて、その理由がわかりました   この文体が、自分とは馴染まないのです 苅 . . . 本文を読む

沢村凜「ディーセント・ワーク・ガーディアン」

2012年04月04日 | さ行の作家
  双葉社2012年1月 第1刷発行364頁 The decent work guardian適正な労働の保護者 労働者が普通に働いて普通に暮らせるよう必死で保護する人 連作短編集です主人公は労働基準監督官の三村妻と息子は妻の仕事の関係で東京暮らし、三村はマイホームのある黒鹿市でひとり暮らしをしていますが、毎週末には妻がやってきて掃除や数日分の食事の用意をしていってくれるのでさほど . . . 本文を読む

重松清「とんび」

2012年04月01日 | さ行の作家
  角川文庫2011年10月 初版発行417頁 主人公は不器用で一本気、素直じゃないけれど心優しい男・ヤス昭和時代には、こんな男性が描かれた小説や映画が多かったと思います テレビドラマ、本編は見ませんでしたが予告は何度か見ていて読みながら堤真一さんが思い出されてしかたありませんでした堤さんは「メトロに乗って」「ALWAYS三丁目の夕日」など昭和と涙が似合う俳優さんですね 昭和30 . . . 本文を読む

関口尚「プリズムの夏」

2011年11月15日 | さ行の作家
  集英社文庫2005年7月 第1刷解説・海原純子187頁 直球青春小説です 大学進学を目指す高校3年生の植野と今井両親共働き、中学生の妹とごく当たり前の暮らしをしている植野に対し今井は父親が会社をクビになりノイローゼ状態、経済状態も厳しく、子供の頃から習ってきた筝も大学進学も諦めなければならないかもしれない 映画好きの二人が映画館の受付の女性、松下さんに恋をすることから『ひと夏 . . . 本文を読む

佐野洋子「友だちは無駄である」

2011年11月05日 | さ行の作家
  2007年2月 第1刷発行2011年4月 第5刷発行解説・亀和田武216頁 もともとは中高生向けの読者を想定して作られたシリーズの一冊だったようです 前半は谷川俊太郎さんと、後半は小形桜子さんとの会話形式になっています タイトルから思い違いをしてはいけません佐野さんは友だちは無駄なものだから必要ないと言っているのではありません 本当の友情とは、友だちとは何か珠玉の言葉が数多 . . . 本文を読む

須賀敦子「遠い朝の本たち」

2011年07月16日 | さ行の作家
  ちくま文庫2001年3月 第1刷発行2010年4月 第11刷発行解説・末盛千枝子215頁 以前読んだ「ユルスナールの靴」を今ひとつ堪能出来なかったのが悔しくて再挑戦しました 著者にとっての「遠い朝」小学生だった戦前から大学生になり結婚、帰国する頃までに出会った文学作品やエピソードを情緒豊かに描いた随筆集 家庭環境からして本読みになったのは必然的なものだったと思われますが著者が . . . 本文を読む