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読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

村木嵐「まいまいつぶろ」

2025年03月26日 | ま行の作家
幻冬舎2023年5月 第1刷発行2023年12月 第11刷発行330頁暗愚と疎まれた将軍の比類なき深謀遠慮に迫ります口が回らず誰にも言葉が届かない、歩いた後には尿を引きずった跡が残り、その姿から「まいまいつぶろ(カタツムリ)」と呼ばれ馬鹿にされた君主、第9代将軍・徳川家重しかし、幕府の財政状況改善のため木曽三川の治水事業である宝暦治水工事を命じ、郡上一揆の見事な処理から田沼意次を抜擢した将軍は本当 . . . 本文を読む
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宮部みゆき「よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続」

2025年03月15日 | ま行の作家
角川書店2022年7月 初版発行523頁江戸は神田三島町にある袋物屋の三島屋は、語り手一人に聞き手も一人、話は決して外には漏らさず「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」という趣向の風変わりな百物語をしていることで知られています従姉妹のおちかから聞き手を受け継いだ三島屋の小旦那こと富次郎は、おちかの出産を控える中で障りがあってはならないと、しばらく百物語を休むことに決めます今回の語り手は三人「賽子と虻」 . . . 本文を読む
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丸山正樹「夫よ、死んでくれないか」

2025年03月02日 | ま行の作家
双葉社2023年10月 第1刷発行269頁大学の同級生だった麻矢、璃子、友里香卒業後しばらく疎遠だった3人は、三十代半ばで璃子の離婚騒動をきっかけに再び集まるようになります共働きの麻矢、バツイチの璃子、子育て中の友里香と立場は異なりますが、夫(おとこ)への不満という共通点のある彼女たちの集まりの最後は、大抵この言葉で締めくくられます「うちの夫、死んでくれないかしら」友里香がモラハラ夫を突き飛ばして . . . 本文を読む
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町田そのこ「星を掬う」

2025年02月24日 | ま行の作家
中央公論新社2021年10月 初版発行327頁千鶴がDV夫から逃げるために向かった「さざめきハウス」には幼い頃に自分を捨てて出て行った母・聖子がいました他の同居人は、娘に捨てられた彩子と聖子を「ママ」と呼び慕う恵真そこに押しかけてくる彩子の娘・美保普通の母娘関係を築けなかった五人の共同生活は思わぬ変化と気づきをもたらします現代女性を取り巻く様々な問題が詰め込まれています『普通の母娘関係』とは何ぞや . . . 本文を読む
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宮野入羅針「八事の町にもやさしい雪は降るのだ」

2025年02月14日 | ま行の作家
幻冬舎2023年11月 第1刷発行203頁中学一年の冬、思いを寄せる幼馴染の杉浦沙耶伽を守るため、大きな罪を犯してしまった長瀬律それから6年、人知れず罪の呵責を抱えたまま大学生になった彼の前に北海道へ引っ越していった沙耶伽が現れます奇跡の再会をきっかけに封印していた恋心を呼び覚ます2人しかし惹かれあう2人に衝撃的な結末が待ち受けます宮野入さんは初耳の作家さん舞台は名古屋市昭和区八事と北海道小樽市八 . . . 本文を読む
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森絵都「獣の夜」

2025年02月05日 | ま行の作家
朝日新聞出版2023年7月 第1刷発行243頁ありふれた一日のはずだった、のに眼の前の世界が不意にぐらりと揺らぐ瞬間を、さわやかに、艶めかしく、ユーモラスに描き出します「雨の中で踊る」コロナ禍中にリフレッシュ休暇を取らねばならなくなった会社員の男性予定していた旅行もできず家で過ごす日々妻の勧めでフットマッサージに行くはずが思い付きで海へ行くことにします「Dahlia」時代のニーズが産んだ産業「見舞 . . . 本文を読む
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三浦しをん「舟を編む」【再読】

2025年01月06日 | ま行の作家
光文社文庫2015年3月 初版第1刷発行解説・平木靖成347頁玄武書房の営業部員・馬締光也は言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれます新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まります定年間近のベテラン編集者・荒木日本語研究に人生を捧げる老学者・松本主に資料整理を担当する契約社員・佐々木辞書編集部から宣伝広告部へ異動になるも大渡海の発刊に助力を惜しまない西岡ファ . . . 本文を読む
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皆川博子「夜のリフレーン」

2024年12月18日 | ま行の作家
編・日下三蔵角川文庫2021年2月 初版発行304頁ミステリ、幻想文学、歴史小説破格のスケールと妖艶かつ幻惑的な物語で読者を魅了してやまない物語の女王が、幻想と綺想のあわいで紡ぐ短編集様々な内容の短編集で長編とはまた違った趣があります短いのに深い、怖い、美しい次はどんな内容なのかしら頁を捲る手が止まりませんご本人は長編のほうが書きやすいとのこと短い中で序破急まとめて読者にインパクトを与える作品を書 . . . 本文を読む
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宮部みゆき「ぼんぼん彩句」

2024年11月20日 | ま行の作家
角川書店2023年4月 初版発行320頁深い洞察力と鑑賞力で12の俳句から紡ぎ出した玉手箱俳句から着想を得ての短編集とのこと面白い試みです各話、印象は異なりますが全体に登場人物が心を病んでいて暗くて辛い内容に1話毎に時間を置いたため読み終わるのに時間がかかってしまいましたともかく宮部みゆきさんの想像力、創造力は大したものです同じような試みで次は明るい内容のが読みたいかな . . . 本文を読む
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丸山正樹「キッズ・アー・オールライト」

2024年08月20日 | ま行の作家
朝日新聞出版2022年9月 第1刷発行270頁NPO法人「子供の家」の代表で、虐待、差別、体罰、貧困といった子供の人権救済活動に関わっている河原ある日、SNS上で〈このままだとあたし、おばあちゃんころしちゃうかも〉というヤングケアラーと思われる書き込みを見つけます河原は組織を手伝う少女・通称うさこを通じて発信元の子に連絡を取ろうと試みます一方、繁華街でパパ活を仕切る半グレ集団に睨みを聞かせている男 . . . 本文を読む
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町田そのこ「あなたはここにいなくとも」

2024年08月11日 | ま行の作家
新潮社2023年2月 発行252頁さまざまなおばあちゃんが登場する短編集「おつやのよる」自分の家族、親族を恥じていて恋人・章吾に紹介できずにいる清陽(きよい)故郷の祖母が急死したとの報せを受け、急ぎ実家に戻ります通夜の夜というのに、もめ事ばかりが噴出してウンザリしている清陽の前に突然現れた章吾え?どうして?90歳を過ぎてスマホを使いこなす祖母が生前にとった作戦(?)のおかげで家族、親族、清陽の問題 . . . 本文を読む
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村井理子「兄の終い」

2024年01月10日 | ま行の作家
CCCメディアハウス2020年4月 初版2020年5月 初版第3刷169頁宮城県塩釜警察署刑事第一課から夜遅く、「私」の携帯にかかってきた1本の電話それは、既に両親を失くしている「私」の唯一の肉親であり、もう何年も会っていなかった兄の訃報でした発見者は兄と暮らしていた小学生の息子で今は児童相談所に保護されているといいます周囲に迷惑ばかりかける人だった兄二度目の離婚後、多賀城市へ住まいを移したものの . . . 本文を読む
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丸山正樹「刑事何森 逃走の行先」

2023年09月12日 | ま行の作家
東京創元社2023年6月 初版268頁デフ・ヴォイスシリーズスピンオフ第2弾優秀な刑事ですが組織に迎合しない性格から、上から疎まれつつ地道な捜査を続ける埼玉県警の何森刑事の活躍を描きます「逃女」「永遠(エターナル)」「小火(しょうか)」ベトナム人技能実習生、ホストに貢ぐ女性、高齢者ホームレス3編とも貧しく孤独な女性が加害者で実際に起きた事件をヒントに創作されています何森の考えを通して現代社会の現状 . . . 本文を読む
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宮部みゆき「魂手形 三島屋変調百物語七之続」

2023年08月19日 | ま行の作家
角川書店2021年3月 初版発行293頁江戸は神田の袋物屋・三島屋で行われている風変わりな百物語従妹のおちかから聞き手を引き継いだ三島屋の次男・富次郎は、語られた話を墨絵に描き封じ込めることで聞き捨てとしていました「火焔太鼓」美丈夫の勤番武士が語る摩訶不思議な力であらゆる火災を制す神器の真実「一途の念」馴染の団子売りの娘が打ち明けた一途な愛が起こした悲しき事件「魂手形」木賃宿に泊まったお化けの復讐 . . . 本文を読む
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宮部みゆき「さよならの儀式 8 Science Fiction Stories」

2023年07月30日 | ま行の作家
河出書房新社2019年7月 初版発行2019年9月 5刷発行413頁「母の法律」被虐待児を救済しうる奇跡のシステム、マザー法により新しい家族の元で幸せに暮らしていた少女・二葉しかし、養母が病気で亡くなったことで未成年である二葉は施設に戻らなければならなくなります「戦闘員」妻を亡くしてから独り暮らしの老人・達三が、毎朝の散歩ルートで少年が防犯カメラを壊そうとしているのを目撃以来、防犯カメラが気になる . . . 本文を読む
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