アルテス2020年11月 初版第1刷発行199頁ひとり出版社・夏葉社の代表、島田潤一郎さんがつづる子供との暮らしと親の願い38歳で父親になった島田さん奥さまは40歳での初産で心配事も多かったようですが無事に長男が誕生さらに長女も生まれ、一人っ子同士だった両親は子どもたちに振り回されながらも楽しい毎日を過ごしておられるようです島田さんの優しさ溢れる美しい文章は読みやすく、心に響きますタイトルの「父と . . . 本文を読む
文春文庫2019年3月 第1刷特別対談 佐伯泰英x谷原章介「磐音は最高のユートピアだ!」359頁江戸での遊学を終え故郷に戻った当日と翌日の僅か2日のうちに親友2人を失った夏から一年江戸深川六間堀の金兵衛長屋に暮らす元豊後関前藩士の浪人・坂崎磐音は鰻屋での鰻割きの仕事だけでは日々食べていくのが精いっぱいです残り僅かな米櫃を眺めながらまとまったお金が入る当てはないものかと思案しているところに、富岡八幡 . . . 本文を読む
文春文庫2019年3月 第1刷特別対談 佐伯泰英x谷原章介「磐音は最高のユートピアだ!」379頁江戸・深川六間堀の長屋で浪々の日々を送る坂崎磐音糊口をしのぐべく、直心影流の剣さばきで用心棒稼業に励む中、関前藩勘定方・上野伊織に再会します藩を揺るがす疑惑を知った磐音友と共に大志を抱き故郷・豊後関前に戻った日に起きた凄惨な事件は仕組まれたものだったのか!?巻末に収録の特別対談で映画続編制作への期待が益 . . . 本文を読む
文春文庫2019年2月 第1刷2019年4月 第3刷362頁居眠り磐音決定版シリーズ第一巻双葉文庫から版元を変え、シリーズ名を決定版として刊行前シリーズでは20日余りで一作脱稿してきたため矛盾やブレなど多々あったと思われる部分を手直ししているそうです豊後関前藩の若き武士3人が江戸から帰藩したその日に互いを斬り合う窮地に陥ります友を討ったことをきっかけに脱藩し江戸で浪人暮らしの坂崎磐音隠しきれない育 . . . 本文を読む
新潮文庫2003年9月 発行2009年5月 12刷解説・森絵都210頁「サマータイム」11歳の進、一つ年上の姉・佳奈、進がプールで出会った13歳の広一が織りなす始まりの物語素直でまっすぐな進奇抜で勝気な佳奈交通事故で左手を失った不自由はあるもののクールで大人びた広一彼らの眩しい夏と切ない秋を17歳に成長した進が振り返ります「五月の道しるべ」まだ小学生になったばかりの佳奈の強情さと柔らかさを併せ持つ . . . 本文を読む
新潮社2019年11月 発行218頁ひとり出版社「夏葉社」の10年が伝える働き方と本の未来33歳で「夏葉社」という出版社を立ち上げた島田さん競争社会に馴染めず転職活動をするも、50社連続不採用という結果に…会社を立ち上げるしか選択肢が無かったとのことです従業員は島田さんひとり編集、営業、事務、発送作業、経理も全部ひとり定期的に仕事をお願いしているのはデザイナーと校正者のふたりだけつく . . . 本文を読む
ポプラ社完全復刻版2017年4月 第1刷発行復刻版『緑の校庭』に寄せて・野乃宮紀子156頁少年少女小説です「綠の校庭」「月光の曲」「虹の國」「綠の風」「水仙」「櫻咲く蔭に」の6作品を収録ポプラ社より出版されたのは1948年第二次大戦が終わってからわずか3年後しか経っておらず、どの作品にも〈父親の戦死〉〈配給の米〉〈傷痍軍人〉〈出征中の父〉〈慰問袋〉〈戦没遺家族〉といった言葉があり戦中戦後の世相が色 . . . 本文を読む
中公文庫2018年7月 初版発行解説・小山田浩子498頁「あの日」から4年青葉木菟の啼き声や合歓の香り、月の満ち欠け移りゆく自然とめぐり来る季節が、さりげなく前を向かせてくれる東北地方に住む作家の早瀬と染色家の柚子、夫婦のある一年を描きます全編、互いを、お互いの仕事を、自身を、自身の仕事を、そして知人を思いやる気持ちが貫かれています震災に関しての直截な表現はありませんが、4年の歳月が経ったことが分 . . . 本文を読む
新潮文庫2000年 6月 発行2018年11月 31刷解説・北上次郎416頁昨年、国分太一さん主演の映画を観て読みたいと思っていた原作ようやく読めました佐藤多佳子さん初読です吉祥寺で祖母と暮らす二ツ目の噺家、今昔亭三つ葉何となく頭打ち状態で口座に上がってもイマイチの日が続いていますそんな彼の元に集まった話し方指南を頼む物好きが4人従兄弟で吃音に悩むイケメン青年、元々は舞台女優だった口下手な女性、元 . . . 本文を読む
角川文庫1976年11月 初版発行1986年 5月 4版発行解説・串田孫一295頁
悲惨な戦争体験のショックとマラリヤの高熱の後遺症でほとんどの記憶を失ったモミイチただ、従軍した時の愛馬・ツキスミのことだけは鮮明に覚えていました敗戦後、山の牧場に引き揚げてきたモミイチは大変な働き者で牧場の人々から頼りにされていましたが、時折ツキスミの馬蹄の音が聞こえると話すことで . . . 本文を読む
新潮文庫2017年 7月 発行解説・堀江敏幸509頁
伊藤整文学賞受賞作
福武書店の文芸誌「海燕」に1993年11月号から1996年9月号まで27回にわたって連載されたものがもとになっています休刊にともなって中断を余儀なくされたものに加筆し全体を整えて岩波書店から刊行されたのが2013年12月連載開始から20年の歳月を経てのことで過去の基盤を「現在」を生きる製作者が「現 . . . 本文を読む
新潮文庫2003年 7月 発行2016年 5月 43刷解説・堀江敏幸354頁
「ゲンコツ」「はずれくじ」「パンドラ」「セッちゃん」「なぎさホテルにて」「かさぶたまぶた」「母帰る」
白状します本作はイマイチでした何がどうなのかわかりませんが、荻原浩さんや奥田英朗さんの描くものに比べて、距離を感じました重松さん、これで5冊目くらいです . . . 本文を読む
新潮文庫1995年11月 発行2015年 7月 24刷解説・高橋義夫660頁
小説新潮の1986年4月号から1993年2月号まで、足かけ8年間にわたって連載されたもの江戸の時代、人々は目に見えないものを見、理性では説明のつかぬことを信じていました“古より百物語と言うことの侍る 不思議なる物語の百話集う処 必ずばけもの現われ出ずると&rd . . . 本文を読む
ちくま文庫2015年4月 第1刷発行解説・江南亜美子309頁
初読です
合わない
くどい
しつこい
徐々に慣れてきて4時間ほどで読了
解説からの引用ですが
登場人物たちの心情に丹念に分け入り微細に描き出すため、全ての登場人物の内面に入り込むことのできる三人称の多元的な視点が設定されており、 . . . 本文を読む
集英社2015年4月 第1刷発行182頁
戦後70年に問う「聖水」「爆心」に続いて新たに殺戮と紛争の世紀を問う衝撃作
この世界のどこに救いや癒しがあるのか―――
「人間のしわざ」大学時代の恋人と不倫関係にある女性、50代前半でしょうか娘が二人いますが、夫も他所に若い愛人がいます不倫相手の仕事は戦場カメラマン中東な . . . 本文を読む