★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

映画『大奥』

2010年10月04日 | 映画鑑賞記


今日は、10月1日公開初日に見に行った、映画『大奥』の感想を♪

それにしても。
土曜日の日記にも書きましたが、ホント、春からすごく楽しみにしていたので。
あっさり初日で見終わっちゃうと・・・淋しい。
なんか、お祭りが終わった・・・的な感じというか。

でも、まだ前売りあるし、あと1回は観に行こう~。
美しいお中・松島様に会いに(//▽//)♪


さて。
物語ですが。

大きくキャッチコピーになっているように、「男女逆転」の大奥です。
そう、この物語の世界観・・・見所は、現実の世界と、男女が逆転していることですね。


江戸時代。

男子だけがかかる謎の伝染病が猛威を振るいます。
これと言った治療法も、特効薬もなく、かかった者の殆どは死亡。

こうして、男子だけがどんどん死に絶えていき、やがて、人口の男女比は大きく崩れ、男が女の僅か4分の1に。
その為、男性は、非常に稀少になり、男子が産まれると、病気にかからないよう大切に育てられ。それに変わって、すべての仕事を女性が担う世の中になります。

つまり、世の中での働き手はすべて女性。
男子の幸せは、良家に婿に行き、そこで、子供を作ること。

また、こういう世の中なので、女性が男性を「買う」世界。

吉原では、男性の花魁が、金持ちの女に体を売ったり。
はたまた、貧しい家の男は、女に体を売ることで、お金を稼いだり。

もちろん、国の中枢も女性。
将軍も女です。

主人公の水野は、貧しい旗本の生まれ。
幼なじみのお信とは、両想いな間柄なのですが、家柄の違いから決して結ばれない関係。
そんな報われない関係を断ち切るためにも、また、貧しい実家の家計を助けるためにも、大奥に上がることを決意します。

こうして、水野は大奥へ。

そこは、女将軍のお世話をするために集められた、身元のしっかりした美しい男性ばかりの世界。女人禁制の男の園。その歪んだ世界を初めて目にした水野は、色々と戸惑うのでした。
けれども、持ち前の竹を割ったようなスッキリした性格故に、大奥では、妬まれる反面、人気者にもなっていきます。

そんな中、7代将軍が幼くして逝去。
幼少だった7代将軍に代わり、妙齢な女性である吉宗が、8代目の将軍になったことにより、大奥はにわかに慌ただしくなります。

将軍が、大人の女性になったこと。それは、つまり、大奥の男性の中から、夜伽の相手を選ぶと言うこと。

折しも、水野は、将軍にお目見えできるお中という位に昇格。
未婚の将軍のお相手をするご内証の方に選ばれるのですが・・・・・・・・・。


普通に楽しめる、エンターテイメント映画だったと思います。

私は、原作も読んでいるのですが、内容的にも、作品の持つ雰囲気的にも、非常に原作に忠実だったのではないでしょうか?

宣伝では、やたら、「女将軍に仕えるのは美男三千人」とかいって、妙にお耽美チックなことをアピールしてたり。
禁断の男性の園ゆえに、男性同士のラブシーンがある・・・とか、ともすれば、BL作品と誤解されそうな宣伝もあり、いろいろ煽られていたような気もします。

でも、実際見てみると、ホント、普通な感じというか。
PGもRも指定がないところからも、察せられるように、別段お耽美という訳でもなかったですよ~~。
まあ、原作も、BLではないですし、「そういう」シーンが詳しく描かれている訳でもないですし。
その点でも、原作に忠実だったのではないでしょうか?

なので、男性が見ても、ファンタジーな時代物エンターテイメントとして楽しめるのではないかと思います。


私は、作を読んでいるので、映画の物語展開も分かりますし。
そういう意味では、ドキドキハラハラはなく、落ち着いて見られましたです。

普通、「大奥」といえば、当たり前ですが、女の園。
ドラマや映画で人気した「大奥」シリーズでも、お鈴廊下でのシーンは圧巻でしたよね。
ほら、上様がお成りになるとき、女性がズラ~~~ッと廊下に並んでお出迎えする所。
そんな華やかな女性の世界を、男性に置き換えたら・・・どうなるのかな~?
原作は漫画だから良いけど、実際に、実写で表現するとなると、難しいのでは?
と思っていたのですが。

いやいや。
男性の裃も、華やかに派手になってて。そんな男性達が、ズラ~~っと並んで、女性の上様をお迎えする・・・というのも。
思っていたより、男臭くなく、綺麗で、華やかで艶やかでしたね。
うん、これはこれでアリだと思います。

そして、そんな男の世界ですが。

女性の大奥だと、やはり、愛憎渦巻く、ドロドロの世界~というイメージがあり。イジメとかも色々陰湿そう~と、ついつい思ってしまいますが。

男性の大奥の場合、やはり、愛憎劇やイジメもあるのですが。
女性版大奥よりは、イジメ方がアッサリしているというか、陰湿でないのは・・・・・・やはり、男性所以でしょうかね?
つか、語弊があるかもしれないけど、ドロドロな人間関係は、女性に多いのかなぁとも。

ここでは、ドロドロの愛憎~っていうのは、無かったですしね。
せいぜい、お膳を運ぶ部屋をワザと間違って教えられたり、お膳を持っているときに足をひっかけられたり、突き飛ばされたり。
あ~、そういえば、水野、寝込みを襲われたりもしてましたね。
イジメといえばイジメですが、やり方が分かり易いというか。
また、松島に可愛がられていた鶴岡が、水野を逆恨みしちゃうトコでも。
剣で一対一の決闘を申し込んできたのも、直接的だし。

女性の大奥だと、もっと、こう~、間接的にネチネチとしたイジメが行われるように描かれることが多いような気がして。

そういう点は、やはり、男と女の違いなのかな?と。

そうそう。
余談だけど、妙なツッコミを入れたくなったのが。

水野が寝込みを男3人に襲われて。犯されそうになるシーンがあるのですが。
そこでは、水野は、剣を出し、
「今度、こんなことをしたら、叩き斬る!」
って啖呵切ってた割には、鶴岡に決闘を申し込まれたときは、
「この剣は、上様をお守りするための物だから、抜けぬ!」
っていうのですよね(^^;
矛盾してる~~ぅ。

まあ、前者は、覚悟も度胸もなく、単に弱い者イジメをしようとする輩を脅すだけの台詞なのでしょうが(^^)b


それから。

俳優さん的には、阿部サダヲさんの杉下が、凄く良い味を出していたと思います。
原作のイメージ通りというか。

貧しいものの、健全に育ってきた水野には、歪んでいるとしか見えない大奥世界を、それでも、ここでしか生きていけない境遇の男もいるのだ・・・と語る所とか。
淡々としているようであり、そんな中に、哀愁があり。
良い感じでした。

そして、美貌のお中・松島の玉木宏さん。
彼も、物凄く、存在感があって、美しかったです。

私は原作を読んでいるので、松島の役回りは分かっているのですが。
でも、原作を知らずに映画を見た人、また、主人公・水野にとって見れば、松島は良い人なのか悪い人なのか、微妙に分からないというか。
そういう妖しさがあったと思います。
まさに、妖艶って感じでした。

そしてそして。
公開前から、各方面から耳にした(笑)、佐々木蔵之介さん玉木さんのラブシーンですが。
・・・・・・うん、別段、ラブいシーンでもなかったですぞ(笑)
遠景から、チラッと、2人がお布団に倒れ込む程度で。
ちょっと物足りなかったような、ホッとしたような(^^;

っていうか、わたし的には。ラブシーンではないのですが、大倉忠義さん演じる鶴岡が、松島に、しなだれかかっているシーン。
あれが、ごっつう、色っぽいというか、エロい!と思ってしまいました。


という感じで。
有り得ない世界観ではありますが、その、フィクションの世界を、さも、史実のように描いている手法は、原作も映画も、同様、素晴らしかったと思います。

男性が逃げ出したくなるような(笑)シーンも無いですし(^^)b
ファンタジー時代劇エンターテイメントとして、普通に楽しめるのではないかなぁ~と思います。
興味のある方は、是非是非♪

あ。
あくまで、私個人の感想ですが。映画の雰囲気と、エンディングソングが、全然合っていない感がありましたが・・・。これは、仕方ないですよねA^^;;