『アリアドネの弾丸』 海堂 尊 著
ふわぁぁぁやっと読めた~~☆
『螺鈿』読みたい~~!…という個人的感情はさておき、なかなかのページ数でしかも白鳥さんの難解ロジック炸裂シリーズなので、ちと休みたい(笑)
このシリーズを通じてお知り合い・お友達になったかたがたの中には、忙しくてまだ読んでないとか買ってもいないとかそういう状況らしいので、ネタばらしせずに感想文書けないこのシリーズでさてどうやって書こうと思いましたが。
やっぱり、読了されるまで、この先にはお進みにならないでね♪とお願いするしかなさそうです…。
◆2011.8.17追記。この作品のドラマ版をご覧になってて、ググってたらこんな僻地にまで飛ばされてきた皆様へ。このドラマシリーズは原作とは全然ストーリーが違います。わたしは原作のレビューを書きますが、ドラマは見ていないのでドラマのキャスティングやストーリーに沿ったものは書いていません。ご了承ください。むしろ、ドラマを見て原作も読んでみようと思っていただけると嬉しいです。
んーと、海堂先生のコメントによると、『バチスタ』+『ゲリラ』のような感じ、ということでしたが…。
確かに、派手に銃声が響くし死人は出るし、ミステリのお膳立てとしてはそのとおりなんですけどね、なにせ容疑者が少なすぎるというか、ぶっちゃけコイツしかいないんだよ、だからどうやって追い詰めるのかというまあちょっと変わった倒叙モノのような。
でも、わたしの倒叙アレルギーは発動しなかったので、白鳥さんの立て板に水のロジックをぐいぐい読んでしまいましたよ。
そのロジックがこれまた、一度聞いただけだと反論できそうなのに何故かかっちり組み合わさってるから、犯人に引導を渡す白鳥さんのキレのよさは見事なんですが。
このシリーズは医療エンタメなので、医療現場のあれやこれやを加味して読んでかないと、ん?となるので、読後は脳みそが疲労困憊です(笑)
で、ねー、いくつかの小道具や伏線は分かったんですが、あーやられたッとページを戻したのが、白鳥さんが思わずといった感でもらしたセリフ(24章)
そうかーだからこの人、リアルで登場してから時々こんな状態(もしくは仕草)だったのか…。ケホケホ。ゴホゴホ。
ここが多分、この作品の一番のキモじゃないかと思う。
最初にソレに引っかかっていれば、高階病院長の冤罪は端から自明で、あとはグッチー先生の序章及び15章のクラシック音楽に対する悔いの述懐と組み合わせて、白鳥さんとミラージュ・シオンの凡人にはまったく理解できない画像処理に頼らなくても二件目の事件に関してはからくりが分かる人もいるんじゃないかな。若干無理矢理な感のあるトリックは…これ、本格原理主義者が読んだら「バカミス」と言われかねない気もしますけど…。でも破綻はしてない。アリバイ崩しは○。
要は、全ての伏線を回収して束ね、ロジックを完成させるための一番肝心なキーワードが、叙述トリックになってるのでした。
『凱旋』は完全にエンタメ(そして死人は出ない)、『祝祭』は彦根くんの独壇場(これも死人は出ない)、と続いたので、海堂先生が「本格ミステリ」だとコメントされたのも分かります。
グッチー先生のセリフやモノローグが感傷的というか人間臭くて、でもそれが作品全体にバイアスをかける役目、ミスリードとして機能してる。海堂先生にうまく誘導されてしまいました★
高階さんがハメられた事件の現場は、MRIに金属は絶対NGであることは知ってるし、今回の場合はその磁場が超強力で最先端なことは繰り返し説明されてたので何にも考えずに読んでてもこりゃおかしいよとすぐ分かるから、じゃあ絶対的に不利なこの状況からどうやって起死回生をはかるのか、その一点でしたしね。うん、高階さんが犯人じゃない、と導き出すロジックは綺麗だった♪
もっとも、友野くんの死に関する謎、これは。
犯人が意識せずにうっかり漏らした専門用語がキーワードだったのかー。いや確かに言われてみればこれも不思議なことですわね…。読み飛ばしてた…★
医療ミステリ、医療エンタメとして、事件の謎やタイムサスペンスのトリックとロジックの大筋は普通のミステリと同じ伏線の仕込み方なんだけども、とにかく直接証拠が無いことと相手が普通の市民感覚では太刀打ちできない巨大組織であることを踏まえて、状況証拠を補強するために画像処理やらムズカシイ数式が使われた、ということでいいのかな(自信なし)
むしろ、背後に蠢くブラックな人たちの方が怖いよー!
南雲の爺さんがこれで大人しくなるとは思えないし第一この爺さんは傀儡だし。その後ろにいるヒトがまあ…。
斑鳩さんもねえ、自分自身も含めて全ての人間を駒にしか見てないから、その行動が怖いのよ…。このヒトぜったい、最初っからこの犯人を見切ってたよね★
そうそう、16章の「危険物」「劇薬」が先読みしたのが、結局事件の裏の真相でしたね…予言者か。やっぱり白鳥さんの同類だ。
北は北でまた何かありそうな気もするし。
ともかく、犯人がオチて間一髪のところで東城医大もなんとか救われて、そこまではいいんですけど、ミステリとしてはできればもう一段仕込んでおいてほしかった気もする。
有栖川先生の『マレー』のような二重底みたいな。
これでも十分上げ底なんでしょうけど、斑鳩さんの絶対零度な存在だけではもったいない感じ。犯人よりも事件の真相がサプライズなことは確かですが、あと一ひねりのどんでん返しが欲しかったなあ。
ところで、話の本筋とはまったく関係ないことなんですけど。
ガンガントンネル魔人と天空のお地蔵様が仲良しなのはたいへんいいことです。
ただ、仲が良すぎてうっかり腐の読み方をしてしまうんです…。
島津先生、行灯行灯いいすぎ!(苦笑)
もっとも島津先生はどこまでもご友人なのでいいんですけど、これがアノ人やこのヒトだったらと思うとどうしましょうか(爆)
あーあ、早く速水先生の三年間の出向が終わって同期三人組が勢揃いしてくれんかなー☆
あ、彦根くんも入れて、そういや初めて出てきましたね「やさぐれ四天王」!のネーミング、四人で満天でご飯たべるとかどうですか。
そして、次回作では、ミラージュ・シオンと氷姫が表舞台で大立ち回りしてくれると嬉しい。
それと今度こそ、確研カルテットもずらりと並べてくださいよ海堂先生www
『バチスタ』→黄色。
『沈黙』→青。
『凱旋』→赤。
『祝祭』→緑。
ときて今回の『弾丸』は橙。
過去編の2冊が黒なので。
次回作は、紫、と予想しますが、いかがでしょう?
私が一番食いついたのは「北が本当に~あそこは将軍が赴任し」のトコでした(笑)
世良さんとともに将軍が極北の医療体制を一変させそうですね。で、南へ二人同時に戻るかも(汗)
螺鈿読み返して思ったんですけど、大吉君が戦力として同期生3人組と彦根さんのトコに参戦するのはいつなんでしょうね?
で、小百合先生はすみれ先生が仄かに心寄せていたぐっちー先生の事はどう思ってるんでしょうね?いろいろ先を期待させる書き方でしたよね~
お返事が遅くなってごめんなさい、『螺鈿』再読中です(苦笑)
この本編のシリーズも、黒本の過去シリーズも、次回作に繋がる終わり方をしてるので悩ましいというか期待が膨らむというか…☆
そうそう、北の様子が出てきた時は、ぞわりと興奮してわくわくしましたわw
…残念ながらグッチー先生のモノローグの中にしか将軍のお名前は出てきませんでしたけど(涙)
わたしも世良先生と将軍が北でのお役目をとっとと終えて、桜宮に帰還してきてほしいですー!
…感情的にこんがらがってる2人かもしれませんけどね(爆)ハヤブサめ…!
それにしてもまさか、桜宮一族がまた出てくるとは思ってなかったので、正直ビビリました(苦笑)
それに、高階さんが、でんでん虫の跡地を視察にくる序盤のシーンで、天城先生のコトらしい懺悔をしてましたしね、いつか天城先生の存在も本編に組み込まれるんでしょうか。
グッチー先生にとっては、桜宮一族や碧翠院がらみの事は過去であり同時に未来なんでしょうね、腹を括ったグッチー先生がどんな行灯っぷりを敵だらけの土地で発揮できるのか一抹の不安が。
早くも次回作が待ち遠しくてしょうがないです!
スリジエの計画頓挫は多分「医療に金銭の多寡で差をつける」事に非常に抵抗感のあった高階院長の策謀でしょう?そして多分この策謀の結果、スリジエの頓挫だけでなく任期途中での佐伯病院長の退官もあったのではと思います。
高階院長は医療が崩壊しかけてる現在、天城のやり方も決して否定すべきではなかったと思ってるのかも?
本編で天城の件が語られるのは、小百合先生との直接対決あたりでしょうか?
天城は桜宮一族と縁がありますから。
それに「たまご」でオレンジが壊滅してる事がはっきりしてるので、将軍が戻るとしたら大学ではなく桜宮市の関係機関?
今回名前が出て来た村雨浪速府知事は連載中の「ナニワ・モンスター」の主要人物ですし、将軍が浪速府に赴任してくれたら神戸在住の私には嬉しい限りですが(笑)
すみません。2度も感想書き込んでしまって。
ああ同じ事に気がついておられる…と思うと嬉しくて。お許しくださいませ。
長々とお返事書いて、それを読んでくださってありがたいです♪
『螺鈿』読み終わりました。
ついでに、『たまご』と『1990』もぱらぱらしてみました(笑)
おそらく、さやかさんが失踪した時に会った「悪意」って、マリツィアさんのことではないかと。『1990』で桜宮一族と世良くん・天城先生・マリツィアさんが鉢合わせしてときのことを彼女は父親が何を言ってマリツィアさんがどう反論したかまで一字一句覚えてたんじゃないでしょうか。
その邂逅の結果、今回の『弾丸』のラストで高階さんやグッチー先生が呆然としたという「ニュー・でんでん虫」に繋がるような気がします。もちろんそこには、高階さんの敵にまわった天城先生の意思もあるのでは。
『たまご』の時代、グッチー先生が教授になってる未来に、
①「大昔の貝殻の残骸。跡地にガラスのお城が建てられて、また壊された」(ここが次回作になるんでしょうか?)、
②「東城医大全体が一度潰れて、再生可能なセクションから作り直した」けれども
③「救急センターは復活できなかった」
ということから、この“ガラスのお城”=桜宮一族の生き残り、と、“東城医大”=田口・白鳥コンビを中心とするレギュラーメンバー、の相打ちみたいな形になって、それから東城医大が部分的に復活、高階さんが学長になったのかも、という時系列をイメージしました。
すると、東城医大が道連れにされる前にいくばくかの時間があると思うので、その隙間に将軍と世良先生が帰還してくれることを、わたしは夢見ているのですが。
(『たまご』の教授会に将軍も魔人もいませんしね…東城医大が崩壊したときに離散してしまうとか)
いかがでしょう?
所々ヒントが散りばめられているのに、中々トリックがわからなくって、後半は一気に読みました!
面白かったです♪
本筋以外でも、将軍って言葉が出たり、みどりさんとすれ違ったりとか、ここで出すのね~って楽しめました
ほかの作品も、もう一度読みたくなりますね
今後の小百合さんの動きも気になります!
最後まで触れられなかったということは…続編の予定があるのですかね!?
期待しちゃいますw
そうなんですよね、伏線は分かりやすいのに、物理的なトリックと叙述トリックが絡み合ってて、解決シーンは面白かったですねwww
海堂作品は、伊坂さん並みに既刊のちょっとしたことがリンクしてて、それが続編に繋がるのかもと思うとわくわくしますよね♪
今回はやっぱり、桜宮一族、小百合さんでしょう。
『螺鈿』の時とは別人のようですが、おそらくすみれさんとの双子ゆえの仕込みがあるのか、と穿った読み方をしましたよ私★
それがたぶん、次の軸なんでしょうけど……さて、次回作はこの本編の続きなのか、それとも黒本の続きが来るのか、もしくは北か♪
なんにしても、楽しみですね!
極北クレイマーの続編が、年末~年明けから週間朝日にて連載スタートするようです
(情報が正確なのか、残念ながら確認はできなかったんですが…信じて期待しちゃいますw)
ジェネラルが出てくれるといいな~♪
楽しみですね
情報、ありがとうございます!
海堂先生、あっちこっちに連載されてて、それがまたみんな桜宮サーガの一部なもので、どれが一番早く1冊に纏まるのか、なかなか予想しづらいんですが。
浪速か、北か。でしょうか。
裁判もまだ続いてますし、魔女映画の宣伝もあるでしょうし、いくら速筆の海堂先生でも、立て続けに出版は難しいでしょうねえ★
ま、ファンは待つのみですw楽しみ楽しみ♪