おぉきに。

気が向いたら読書感想を書き、ねこに癒され、ありがとうと言える日々を過ごしたい。

『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』

2009-08-01 12:00:00 | 本の話・読書感想
『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』 飯間浩明 著 (ディスカヴァー掲書)
 …タイトル長いよ!(笑)
 この本は、私が日参しているブログさんのうちの、最高学府で教鞭をとられているという大層インテリジェンスなかたのところで紹介されていたものです。(そしてメディアマーカーを見ると、かなりの読者数にのぼっていて、知られたタイトルだったんだーと頷いた次第)
 そのかたはおそらくご自身の実生活にリンクさせて読まれたのだと思いますが、ただの一般人な私には、まずタイトルで“後頭部を鈍器で殴られた上に背中を日本刀で袈裟掛けに切られたー!”というほどのダメージを食らいまして(笑)、じゃあいっちょ読んでみようと。決意したわけです。


まず。
この《ディスカヴァー掲書》という新書のレーベルを、私は京都で一番大きいジュンク堂書店でも見つけられませんでした。ていうか在庫切れだと言われて。でも、新書の棚には全くこのレーベルは発見できなかったので、もしかしたらフロアが違ったのかな。
なんにせよ、ネットで取り寄せが一番早いだろうと思われます。

さて。
本題ですが。

このブログをココでちまちまと続けて一年以上経ちますが、ご存知のかたはご存知のように、私はたいへん感情的で一方的です。論理の組み立て方など、訓練したことなんて全くありません。

この本は、そういう《日記文》に親しんでいる人に、いかに簡潔でかつ論理的な文章を書けるようにするか、という、この飯間先生(早大の先生だそうです)の授業を分かりやすくレクチャーされたものです。

で、最初は私も、《クイズ文》なるものの感じが掴めなかったのですが、読んでいくうちにアラ不思議!
「じゃあクイズ文を書いてみよう!」という第3章のあたりにくると、なんというか、コツが分かったような気になるんですよ!
その第3章の例題で提示されている、クイズ文としてはダメな文章、というのを読んでいると、あれこれはおかしいよー、とか、論理のすり替えが起こってる、とか。生意気なんですが、でも実際に思ったんだから、我ながら調子がいいというか。

《クイズ文》というのは、
「問題」→「結論」→「理由」
という基本骨格から成り立っていて、実践段階になると、
「背景の説明」→「問題」→「結論」→「理由」→「理由を支える証拠」→「想定される反論」→「反論に対する再反論」→「結論の確認」
という形を取ります。
これ、こうして書き出しただけでは、なんのことやらさっぱり分からないと思います。
実は、わざとです(笑)
この流れをより納得するには実はちょっとしたコツがあるのですよ。それが本書のユニークなところで、私も著者の先生に誘われるままに実行してみました。
すると、やっぱりその後の展開がものすごくよく理解できるんです。

なので、ぜひこの本を、ココを読んでくださってる皆様にも手に取っていただきたいと願って、わざと一番肝心な部分をすっ飛ばしました。

是非!

ところで、そのこととは別に、思ったことがあります。
これは純然たる「感想文」です。

この中で、《日記文》というものの定義に少し驚きました。
「日記」はもちろんですが、新聞などの報道記事も、小説も、《日記文》なのだそうです。
つまり、先ほど書いた定型をとらない文章は、ほぼ《日記文》として括られています。

そこで!
私のちょっとイカれたミステリ脳がうねうねと蠢きましたよ!!

確かに小説は、↑の定型をとらない以上、日記文なのかもしれない。けれども、ひとつだけ、そう「推理小説」だけは、《クイズ文》をも含んでいるんです。

終盤の、探偵役が鮮やかに謎解きをする、あのシーンです。

特に、ロジックを積み上げて真犯人を指摘する場合、このロジックが強固でなければ成り立ちません。ダメミスの烙印を押されて、ゴミ箱行きです。
で、さっきの定型の、「背景の説明」→「問題」→「結論」→「理由」→「理由を支える証拠」→「想定される反論」→「反論に対する再反論」→「結論の確認」という流れを思い出してください。

関係者を一同に集めてさてと言い、という形で始まる謎解きの場面。
本題に入る前に、長々と前口上を並べるキャラや分かりきってることをいちいち最初から話し出すキャラまで様々ですが、だいたいこれが「背景の説明」。
そして、その説明が事件の核心に迫りフーダニットまたはホワイダニットが多いですが「問題」が提示されます。
……次の一点だけは、一概には言えなくて、まず「犯人はあなただ」と指摘するキャラもいれば、「まあ最後までお聞きなさい」と犯人の名前を最後まで引っ張るキャラもいますが、でも別に、ここで犯人の名前が明かされることが無いわけじゃないので、良しとします。(強引ー☆というか断言していいのか?)
そして「理由」。
ここから探偵の怒涛のロジックが始まります。
それまでに散りばめられた数々の伏線を全て拾い集め「理由を支える証拠」、聴衆から上がりそうな反論を想定し“ああ、~~~という意見があるかもしれません”「想定される反論」、“けれど、~~~あの時あなたはこう言った(こういう行動を取った)、よってその意見は考慮にいれなくて構わない”という「反論に対する再反論」、“以上のことから、真犯人はあなた以外にはありえない”と締めくくる「結論の確認」。

ね、ぴったり当てはまるでしょう?

私はこれを、もちろん火村准教授のつもりでイメージしました(大笑)

そんなわけで、全くの非論理的人間な私にもたいへんタメになる、楽しい1冊でございましたよ♪
最近の新書は、マジで侮れん…☆
新書が売れるのが分かる気がしました。

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