東京の工業用ゴム製造販売会社の元社員が会社の金約6億円をキャバクラ嬢に貢いでいた事件。
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電子計算機使用詐欺の疑いで先月警視庁中央署に逮捕された栗田守紀容疑者(33)は、「入院代がかかる」と言われて同情したと話している。送金を受けていた約7年間、相手の女性は都内の高級マンションに住み、六本木で豪遊していたという。
◆病気
捜査関係者の話や栗田容疑者がこの女性を相手取った不当利得返還請求訴訟の記録などによると、栗田容疑者は2001年頃、東京・葛飾区のJR亀有駅近くのキャバクラで、当時20歳代前半だったこの女性と知り合った。何度か通ううちにデートやドライブをする関係になった。
「胃がんになってしまった。入院にお金がかかるんです」。2年後の03年、突然、打ち明けられた。栗田容疑者は必要だという30万円を振り込んだ。
「内視鏡検査や無菌室に入る」「脊椎損傷で手術が必要」「白血病になった」――。様々な病名で要求は続き、会社のカネに手を付けた。長く経理にかかわり、インターネットバンキングの会社口座を1人で管理していた。振込額は、2003~10年の7年半の間に350回以上、総額6億円近くに達した。
◆疑問
栗田容疑者は、女性から、茨城県つくば市の病院に入院し面会謝絶になっていると聞かされた。会えなくなった後は主に電子メールを交換。あまりの金額に疑問を感じて病院の請求書を見せるよう求めたこともあったが、「疑われたら生きている意味がない。自殺する」と返信があり、諦めた。
10年になって勤務先に税務調査が入り不正が発覚。栗田容疑者は自首しようと考えた。その前に「一目でも会いたい」と伝えたが断られ、逆に1300万円の振り込みを要求された。入院先だという病院に出向いたところ、「入院記録はない」と言われ、だまされたことに気付いたという。
◆謝罪
関係者によると、女性は亀有の店の後、別のキャバクラに移り、現在は都内の風俗店に勤めている。警視庁などに対し、受け取ったカネは六本木のホストクラブの飲食代や旅行代、新宿の高級賃貸マンションに使ったと話しているという。
栗田容疑者の勤めていた会社の担当弁護士によると、栗田容疑者は同社の調査に「不自然だとは思ったが、当時は病気だと信じていた」と説明したという。捜査関係者は「信じられない」と首をかしげている。
女性の方は病気を偽ってカネを要求していたことを認め、栗田容疑者に対し、「すみませんでした」と謝罪の気持ちを伝えている。しかし、回収できる資金はほとんど残っておらず、栗田容疑者は訴訟を取り下げた。女性への刑事告訴の意思もないようだという。
(小野沢記秀、石坂麻子)
(2012年5月2日15時43分
読売新聞)
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