衝撃的というか、やりきれないというか。あまりに突然の出来事に言葉を失った人が
多いのではないか。松岡利勝農相がきのう、都内の議員宿舎で首つり自殺した
「政治とカネ」の問題の、まさに渦中にいる現役閣僚の死である。人を食ったような
表情で「ナントカ還元水」などと胸を張ってみせる。そんな態度からすれば一見、
自ら命を絶つ行為とは最も縁遠い人だと思うのだが。
内面は意外にもろかったのかもしれない。外見とは裏腹のひ弱さがあったのだろう。
ムネオ日記から抜粋です。(2007年5月28日)
24日夜、私は松岡大臣に「明日決算行政監視委員会で私が質問するから、
国民に心からのお詫びをしたらどうか。法律にのっとっている、法律に基
づいてきちんとやっていますと説明しても、国民は理解していない。ここは
国民に土下座し、説明責任が果たされていませんでしたと率直に謝った方が
いい」と進言した。
「鈴木先生、有難いお話ですが今は黙っていた方がいいと国対からの、
上からの指示なのです。それに従うしかないんです」と。私はなお、
「これからも何かにつけこの話は続くので、早く国民に正直に説明した方が
良いと思うよ」
「そこまで言ってくれるのは鈴木先生だけです」と、にっこり微笑んで
くれた事を想い出す。
私の感想です。「ナントカ還元水」以来、世間の目は厳しかった。
その頃大臣を辞めていれば自殺まで追い込まれることはなかった。
だがその前に、安陪政権で二人が辞任している。内閣としては任命権者の
責任を問われる、松岡大臣の他に柳沢大臣も同じような境遇にいた。
4人もの辞任が出たら内閣として大変な痛手だろう、だからどうしても
避けたかった。しかし、追い討ちをかけるように、緑資源機構の談合事件が
起きた。
自分でも「政治とカネ」の問題が再燃する、参議院選挙にも影響を与える。
覚悟を決めたのだろう。これ以上は書くことはできない、奥様はじめ、
ご家族にご冥福を祈りたい。