先日、義兄の葬儀でY市副市長から弔辞を戴きました。
義兄はY市の現職の市職員でした。また彼は同級生でした。
その時思い出したのですが、マスコミは著名人が亡くなったときによく
特集を組んで故人に失礼の無いように、経歴や職歴また活躍など映像で
上手にまとめています。
これを、「亡者原稿」というそうです。亡者とは、言うまでもなく亡く
なった方のことですので、新聞や放送の記者が、著名人が亡くなった時に
書く原稿のことの、マスコミ用語 だそうです。
ある著名人の方が亡くなったという知らせを聞いてから原稿を書くのでは、
締め切りの関係から十分に資料を調べられないこともあります。これが
普通の事件なら、締め切りまでに分かった範囲で原稿を書くしかありません。
しかるべき方の一生を書く場合には、かえって失礼になりかねません。
このため、政治家やご高齢の著名人や最近大病をされたといった情報の
入った著名人に関しては、大変失礼ながら万一の場合に備えて、経歴や
功績、お人柄などを綴った原稿をあらかじめ用意しておくことがあります。
これを、これまた業界の用語で「死亡予定稿」と言うそうです。
縁起でもないと叱られそうですが、ひとかどの人物がたどった足跡や
エピソードを原稿の資料として読み込むことは、とても大事なことと思います。
Y市でも、職員が急死する場合を想定した弔辞があるのだと思い出しました。
氏名やその時の役職、また功績など、その亡くなった方のエピソードなど
書き換えれば良いようになっているのだと思いました。
昨年、漫画家の赤塚不二夫さんが亡くなったときに弔辞を読んだ、
タモリさんが話題になりました。名文なので私はPCに保存してあります。
なお、この弔辞は白紙の状態でタモリさんが読んだということです。
2001年11月、92歳で亡くなった高知県出身の漫画家、横山隆一さん
の葬儀での弔辞です。今年90歳になる同じ漫画家の杉浦幸雄さんが、
友人の代表として追悼の言葉を述べた。遺影を前に杉浦さんが切り出した
最初の言葉は、「横山くん、とうとう死んじゃったんだね。何故そんなに早く
逝っちゃったんだい」というもので、92歳という年齢と「早く逝っちゃった」
という言葉の組み合わせに、友人への思いやりとユーモアの心が感じられた。
なお漫画家杉浦幸雄さんは、93歳で2004年6月18日に生涯を閉じて
おります。
それにしても義兄の死は早すぎる、人生の半ばみたいなものだ。
御冥福を祈ります。 合掌