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星くず雑記

日々の出来事は煌めく星くずのように…

令和7年6月大阪松竹座 OSK『春のおどり』&河藤さん割氷

2025年06月22日 13時41分42秒 | OSK・宝塚(OG含む)

OSK日本歌劇団『春のおどり』

6月14日の初日(11時開演、15時30分開演の2回)を見ました。

 

(以下ネタばれあり)

 

 

【第1幕】日舞レビュー『翔 ~Fly High~』

(花)恒例チョンパからの幕開きは、江戸時代の街並み。

芸者や職人たちが歌い踊る中、満を持して「のアニイ」が登場。

ややシックですが粋で情緒ある感じが、私は好みです。

 

(鳥)『白鳥の湖』を日本風にした感じの場面。

鳥たち&翼さんの舞台上での衣装チェンジも見どころ。

魔女である朝香さんの凄みが、若いトップスターを覆い尽くす迫力の素晴らしさ。

ただし、役名「魔女」は日本的ではないので、「妖術遣い」とか別の名称が良かったのではと思います。

 

(風)風のように次々と和楽器を持った踊り手たちが登場。

さんが下駄ップ(下駄のタップ、さすがに下駄の歯は長くない)をしながら、

パーカッションをまとめていきます。

客席の参加度合いも程よく(特徴的な五連符の拍手)、

手持ちサイズの和楽器を使う演出が非常に新鮮で、

若々しくエネルギッシュな場面になっており良かったです。

 

(月)三組の平安貴公子・淑女のしっとりした場面。

一応「花鳥風月」の中の「月」の位置づけですが、全体の繋がりの中で唐突な印象。

(翔)かつら無し(洋髪)に着物での総踊り。パンフレットにもある通り、

本来のOSK日舞レビューっぽいのは、「花」よりこちら。明るく〆。

 

一つ一つの場面は素敵なのに、全体が45分でやや短いのと、

場面ごとのつながりが悪く、一貫性が見えにくいのが残念です。

 

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【第2幕】洋舞レビュー「The Legendary!」

幕開けはスパニッシュ風。OSKの伝統の一つなので大切にして欲しい舞踊の一つ。

ただ、特に男役の衣装が中途半端で違和感があります。

(着回しが多いのは仕方が無いにしても)黒系の衣装をベースにした方が、

オレンジ色スパニッシュの翼さんが際立つのではないでしょうか。

 

続く千咲メインの場面、天輝唯城メインの場面は、

良くも悪くも「いつものOSK」味があって、安心して観ていられます。

 

ラテンの場面は、知颯さんのソロ歌唱は初かな?

赤黒の衣装なんですが、娘役さんの胸元の金の飾りが白ジャケットで中途半端に隠れるため

上位娘役さんの中には蜘蛛みたいに見えてしまう方もあり、気になりました。

(着回しが多いのは仕方が無いにしても)組み合わせについて、工夫いただきたい。

スター以外の若手にもソロ又は少人数の場面が多く、OSKらしくて良かったです。

 

中盤の「伝説の一夜」として桐生城月メインの場面。

城月さんが後ろからハグしに行くところが、

「私の男…!」というセリフが聞こえてきそうで、特にドラマチックでした。

(このところゴルゴ13の読みすぎかもしれません…)

 

淡いピンク衣装の「Sakura伝説」は、

新トップ翼さんを劇団全体で包み込む温かみがありました。

 

新入団生紹介からのラインダンスはもちろん良かったのだけど、

ほんのわずかしか使わない「101」の装置が必要か疑問(その分、お衣装に予算を…)

また一緒にラインダンスしないなら、役名「ロケットボーイ」もどうかと思います。

空良さんが足上げると期待してしまったではないか…「プレゼンテーター」の方が適)

 

千咲のデュエット「桜」は、

同期らしいフレンドリーなデュエット。

男役&娘役ペアが、「恋人」「夫婦」だけでなく

こんな風に「親友」「戦友」「ライバル」など色々なパターンで

できるのはOSKの強み。でも根底にあるのは「信頼」や「尊敬」ですね。

 

終盤は黒燕尾×白ドレスからのパレードで、シンプルかつ華麗に〆。

パレードの桜乃さんの髪飾りが可愛い。

 

こちらも一つ一つの場面は良いし、「伝説」のテーマに沿って

奇抜すぎる場面は無く、また懐メロもあり、

肩の力を抜いて観られるレビューだけど、70分はちょっと長くて……

日舞レビューとのバランスが悪かったなあ、と思います。

(洋舞を一曲短くして、日舞の方で一曲(ソロか少人数歌唱)欲しかったなあ…)

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いつものことながら、羽那さんはお顔も動作も表情豊かで、

オペラグラスなしでも情感が伝わってきました。

 

…そう比較的前方なので油断し、オペラグラス忘れてしまいました。

(松竹座のレンタル復活していただきたいです)

間違いがあると失礼なため、今回は印象に残った方へのコメントは割愛します。

また、東京でも観劇します。

 

久々に大阪観光する時間があったので、

四天王寺の「河藤」さんの割氷を買いました。

寒天ゼリーに薄い砂糖の衣の和菓子です。

似たような和菓子は数多在りますが、ダントツでこちらのが美味しいです。

 

初日11時の回は先斗町から舞妓さんが華を添えていました。

(劇場入口の立て看板にも記載あり)

 

ところで(プライベートなのでお名前は出しませんが)

近くの席に宝塚歌劇団の下級生さんが複数名いらっしゃいました。

OSKと宝塚は似て非なるものであり、それぞれの伝統・型を大切にする一方

相互に学び取る風通しの良さや柔軟性もあって欲しいです。

頑張ってください!


令和7年3月 有楽町よみうりホール『TARKIE 伝説の女たち』

2025年06月10日 06時11分55秒 | OSK・宝塚(OG含む)




最大手かつ現存最古の宝塚以外の女性歌劇、

特に松竹歌劇が題材になっていたので、観に行きました。



(以下ネタバレを含みます)



【あらすじ】

松竹楽劇部の少女スター水の江瀧子は、ふとしたきっかけで歌劇史上初の短髪の男役「タアキイ」に転ずると、大人気となる。

歌舞伎座と新橋演舞場で、宝塚少女歌劇との熾烈な歌劇対決となり、休むことなく公演を打つ。劣悪な労働環境に、瀧子はリーダーとして立ち上がるが、後輩の津阪オリエは劇団に残り、スターに祭り上げられる。しかし瀧子らは待遇改善を勝ち取り、オリエとも和解した。


やがて日中戦争となり、瀧子らも大陸に慰問に向かう。帰国後、感想を問われると、当たり障り無く答えたが、戦地で祖国の娯楽を求める兵士らの疲れ果てた姿に、強い衝撃を受けていた。瀧子は松竹少女歌劇を退団し自分の劇団を立ち上げ、各地で巡業を行う。

戦争が終わると、松竹歌劇の後輩:並木路子が、彼女自身も戦争で家族を失った悲しみを背負いつつ、歌で人々を勇気づける。再び明るい娯楽が必要とされる時代がやって来たのだった。



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まず、これを歴史に忠実な物語として捉えてはいけません(重要)。


恐らくは意図的に、笠置シヅ子の諸々の設定は変えられており、あくまでもOSSK全体を象徴する役所。

他、歴史的な正確性は検証する気が起きないほどです。


「大槻冴子」は、当然SKDの小月冴子のオマージュと期待していただけに、宝塚側の架空のスターで残念です。

(松竹側は実在人物名なので、ちょっと脚色のズルさを感じます

監修の植田先生は、ご子息の友五郎先生ともども、OSKにも参与したことがあるこですが)


あとは男性陣の、特に髪形が昭和前期的ではなく、時代感が出し切れていません。彼らは彼らで、当時の価値観・世相で戦争を推すキャラクターとして描く方が、慰問で現地の様子を見て疑問や衝撃を抱く瀧子との対比になったのではないでしょうか

(実際には、瀧子は慰問誌『戦線文庫』の軍服グラビア等、協力的な姿勢も見せています)


歌劇ファン(OSK寄り)として、歴史物語として観ると辛口になりますが、レビューや歌謡ショーとしては、とても見応えがありました。


また宝塚出身者同士が、それぞれ宝塚と松竹の歌劇スターとしてディスり合うのも、出演者の背景を知ってるとブラックユーモアとして面白かったです。


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タアキイ役の鳳稀かなめさんは、スターとしては初めて観ました。

華があって素敵でした。


オリエ役の彩凪翔さん・大槻冴子役の天華えまさんは、惜しくも宝塚トップに届かなかった方。宝塚時代以上のスター役(衣装とか)で、見事なスターぶりでした。


笠置シヅ子役の妃海風さんを拝見するのは、たぶん宝塚以来。娘役キーではなく少し低声のパワフルなシンガーとして、(ネイティブの)関西弁と相まって、とても似合ってました。


最後に、ストーリーテラー(物語全体が、若い俳優が芸能記者からタアキイの一代記を聴く、と言う構成)である三枝乃里江役の未沙のえるさん!

お元気そうで何よりです。

軽妙なおばさん記者で、煌びやかなレビュー主体の作品の中で、素晴らしいアクセントでした。


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宝塚出身者の皆様のパワフルな姿に元気をもらいました。

が、いつものことながら、SKDやOSKのOG役を、両劇団出身者・縁の方が取れないのは誠に寂しい限り。

(それだけ宝塚が頑張った、と言うことでもありますが、やはり複雑な心境です)





ロビーには所狭しとのぼり旗が飾られていました。


令和7年3月銀座博品館劇場 OSK『ドラキュラ』

2025年06月08日 10時14分50秒 | OSK・宝塚(OG含む)


年度末業務&転勤で繁忙のため、更新が遅くなりました…
『三銃士』に続き、観劇しました。

この作品は、娘役スター恋羽みうさんの退団公演でもあり、
結果的には、将来を嘱望された男役スター悠浦あやとさんの最後の公演になってしまいました。
(次の『春のおどり』休演後、復帰されることなく退団)
ということで、OSKファン的にはちょっと切ない思い入れのある作品です。

内容自体は、OSKの厳しい衣装事情もなんのその、
効果的な群舞(コロス)と、4人のメインキャストで、
見事に19世紀末ロンドンと中世東欧の雰囲気を醸し出しています。

(以下ネタバレあり)




【あらすじ】
(第1幕)
19世紀末ロンドンでは素性不明のデザイナー:ヴラド(椿りょう)が人気を博す。
若手歴史学者のジョン(壱弥ゆう)は、婚約者ミーナ(唯城ありす)のための
ウェディングドレスを依頼する。
ミーナを見たヴラドは一目で彼女を気に入り、とっておきのドレスを提供する。
同じ頃、ロンドンでは不可解な死亡・行方不明事件が相次いでいた。
ジョンとミーナの結婚式で、ヴラドはミーナを連れ去る。
ミーナはジョンを守るため、彼への愛を否定する。

(第2幕)
中世のルーマニア(ワラキア)、ドラキュラ公ヴラドは、聖職者たちから冷遇されており
彼の妻エリザベートは、異教徒との戦いにおいて神聖ローマ帝国に尽くす夫を擁護する。
しかし、ヴラドの敗死の誤報によって、エリザベートは身投げする。
帰還したヴラドに対し、自殺はキリスト教の禁忌であるため、聖職者たちは騒ぎ立てる。
ヴラドはガブリエル(白藤麗華)と契約し、エリザベートを求めて彷徨う。

再び19世紀末、ジョンはヴラドの正体に気付き、ルーマニアに到着する。
謎の少年(白藤麗華、二役)の誘いで城に到着する。
ミーナもまた、自分にうり二つのエリザベートの肖像画に困惑する。
ミーナはついにヴラドを選ぶが、心が充足したヴラドはミーナの持つ剣を自らに立てて自害する。
ミーナはジョンと城を逃れる。
そして大天使ガブリエルによりヴラドの魂は救済された。


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基本的には、初演のままだと思いました。

改めて、ミーナの為人が分かりづらい脚本です。
彼女の性格はジョンのセリフだけで説明され、第1幕でそれを発揮する場がありません。
また、基本的に、本心ではジョンを愛しているが、
彼を守るため、またヴラドの心を救済するため、偽りを述べていると思うのですが、
これも発揮する場が無く、なんとも心の揺れ動きが分かりづらいです。

余談ですが、凄い返り血を浴びたであろうミーナは、
ジョンとどうやってイギリスまで帰ったのかな…
(どこかでドレスを買い直して、長い船・鉄道の旅と想像します)
二人のその後に幸あれと願うばかりです。

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椿りょうさんは、ソフトな雰囲気とのギャップが
おどろおどろしいドラキュラの世界観にぴったり。
声がかすれるほどの大熱演でした。

唯城ありすさんは、ヒロイン役者ですね。
容姿も声もとにかく可憐で素敵。
(彼女のせいじゃないんですが)エリザベートとしての髪型は中世っぽいと良かったです。
劇中の肖像画は、あのエリザベート(オーストリア皇后エリーザベト)のようでした(美しい

壱弥ゆうさんは、ヒロインを奪われ、
そして奪還する複雑な役どころに加え、狂言回しとしての役割もあるので
ジョンの人柄の良さが、非常に重要だったと思います。
温かみのある雰囲気で好演されていました。

そして白藤麗華さんは、終始謎めいた存在で、
最後に正体が明確になる、この物語のカギとなる役どころ。
貴婦人としても、少年としても、そして悪魔or天使としても
演技の幅が広く、世界観を作るのに大きく貢献されていました。

モブ役では、蘭ちさとさん、鼓珀ひびきさんが印象に残りました。
(ワルも似合いますね…)

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ヴラドのドレスコレクションは、初演の方がギリギリ19世紀末にもありそうで
今回はいまいち現代っぽく残念でした。
(映像で見比べてないので、同一のままだったらスミマセン)

キリスト教の解釈について、ちょっと難がありますが、
ファンタジーとしては非常に面白く、
演出の工夫で世界観を作り上げている点でも、佳作だと思います。

ところで、先週の『三銃士』に比べると上演時間が結構短く、
チケット代は同じでした。
ちょっと工夫してもらえないかな、という感じです。
(損した、とまでは全く思っていませんが…)

今回も文科省の事業の一環で、子供無料だったようです。
ぜひ、本物の舞台芸術に触れてもらいたいですね。


祝満員御礼!

令和7年2月銀座博品館劇場 OSK『三銃士』

2025年03月02日 06時42分56秒 | OSK・宝塚(OG含む)

ネタバレ(アニメ三銃士、原作を含む)を

前提としています。



 

【あらすじ】

(第1幕)

教会でダルタニアンが、アンヌ王妃の下女である人妻コンスタンスへの恋慕を懺悔している。

ダルタニアンと三銃士は、既に友情で結ばれた仲。

コンスタンスが現れ、この教会で王妃と英国のバッキンガム公が面会することを告げる。

公は王妃を愛するが、王妃は立場を重んじてその思いを受け入れない(つまりプラトニックなまま)。その代わり、国王ルイ13世から送られた首飾りを形見に贈る。リシュリュー枢機卿もまた王妃を恋慕し、国王に王妃の不定疑惑を焚き付ける。

首飾りを巡る一件は、ダルタニアン&三銃士の活躍により、リシュリューとミレディの策略は失敗し王妃の名誉は保たれる。コンスタンスはダルタニアンに愛を告白され有頂天となるが、リシュリュー一派に誘拐される。

 

(第2幕)

バッキンガム公が主導し、英国がフランスに侵攻する。リシュリューはミレディを責め立て、公やコンスタンスの謀殺を図る。

危機を察知したダルタニアン&三銃士は、アンヌ王妃を通じて公を助けようとするが寸前で間に合わなかった。王妃側はコンスタンスを救出して修道院で保護するが、ミレディが言葉巧みに修道院に侵入して殺害する。コンスタンスはダルタニアンの腕の中で絶命する。ダルタニアン達に、ミレディの罪が暴かれ死刑にされるが、彼女の策謀が徒となって、ダルタニアン達は罪に問われなかった。しかし、三銃士は喪失感などから銃士隊を去る。

10年後、ルイ14世の御代で、一人残ったダルタニアンは銃士隊長として、フロンドの乱が起こる中、アンヌ皇太后と幼い王を守るため、消極的にマザラン枢機卿側についていた。ダルタニアンはまずポルトスに復帰を求める。二人の前に、フロンド派についたアトスとアラミスが現れ剣を交えるが、四人は友情を確かめ合い、意気投合する。

 

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【感想ほか】

『ダルタニアン物語』シリーズ三部作のうち、

日本では第1部『三銃士』がよく知られています。

児童向けの翻案・抄訳では、ミレディ(ミラディ)とコンスタンスの死、

ダルタニアンが正式に銃士隊副隊長になり三銃士はそれぞれの道へ、

と第1部のみで終わることが多いです。

 

本作は、設定を少し変えたとは言え、

第2部『二十年後』の内容に触れていてビックリしました(未読、概要のみ知ってた)。

 

OGはやみ甲氏の演出だけに、

心情やドラマ性をダンスで表現するシーンも多く、

ダンスのOSKの面目躍如で満足度は高いです。(同じコロスでも、歌主体の宝塚とは異なる趣で、非常に良い)

久々に『アニメ三銃士(アニ三)』観たくなりました。

 

OSKは子供料金を設定しているため、高校生以下がかなり多かったように思います。

舞台にのめり込む余り背をつけない子が私の周囲だけでも結構いて、

観客から指摘されてた(すぐ直してトラブルにはなってなかった)ので、

子供料金を設定する公演では、

開演前にマナーをレクチャーするのがよろしいかと思います。

 

それにしても、満員御礼で嬉しい限り!

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翼さんは若々しい熱血漢の役作り。

千咲さん演ずる、恋の喜びを知る、若き人妻コンスタンスとの同期カップルが尊すぎる…

照れ臭さすぎて、私は正視できませんでしたよ…

 

三銃士の面々はキャラクターの違いが鮮明ながら、

『アニ三』を彷彿とさせる(アトス=黒髪長髪、アラミス=金髪くせ毛)のが嬉しい。

みな期別では翼さんより下のはずが、先輩銃士に見える。すごい。

 

若手もモブ含め二役どころか何役やってるか分からないが、

ちゃんと違うキャラに見える。すごい。

 

中でも、大柄ではないが顔が小さく、まだ癖のない(素直な印象)の男役さんが

陽向さんですね。これからどんな男役になるか楽しみです。

顔立ちが柊さんとよく似ていて、柊さんがモブ男役も?と思ってしまいました。

 

アンヌ王妃役の柊さんは、史実に近い、若い王妃の恋の喜びと、

王族としての覚悟が滲み出て、大好演。

 

桜乃さんは、リシュリューの密偵として、

照明が当たらない時の目配せや仕草までもが印象的。

 

そして助演女優賞というか闇のヒロインは、

何と言っても妖婦ミレディ役羽那さん

共演の娘役が華奢で可憐な方々(千咲さん、柊さん、桜乃さん)なこともあり、

女性的な体型で表情豊かな羽那さんの、

魔性の女っぷり&存在感&ド迫力が際立っていました。

 

 

【もやもやポイント】

勧善懲悪ものとして、リシュリューとがそのままなのがモヤッとします。

原作通りと言えばその通りですが。

 

コンスタンスの人妻設定を弱めた分、

経済的事情で愛のない結婚をした悲しみが薄れていました。

 

OSKの厳しい衣装事情は理解しますし、

近い時期に『ドラキュラ』(19世紀末&中世のコスチュームもの)を控えているのも分かりますが、

17世紀フランスを舞台としたコスチュームものとしては、

衣装がかなり苦しかった……です(悲

 

ダルタニアン&三銃士、リシュリューはファンタジー風味の創作ですが、

あとはバラバラで統一感がなくて残念です。

 

特にアンヌ王妃は、10年後の短い場面のもの深緑のドレスの方が

重厚で良かったなあ、と思います。

せめて、アンヌ王妃がそうだったように、

男役も娘役もバロック様式の広襟(重ね襟)を着けるとかですね、

時代感を出す工夫をして欲しかったなあ。

 

とは言え、一応15年来のファンとしては、

劇団の懐事情は察するにあまりありますし、

あまり要望を押しつけても宝塚同様、劇団の自腹問題にも関わるのも分かります。

 

例えば、オペラや演劇の前衛的な演出のように、

割り切ってシンプルな配色の現代の衣装にしてしまうとか、

工夫して欲しいと思いました。

 

さらに言えば、時代ものですが言葉遣いがカジュアルな現代語が多く気になります。

例えばミレディが(元夫で因縁のある)アトスに「超タイプ」とか、

アラミスの好みの女性が「ボン、キュッ、ボンの熟女」とか。

悪いという意味ではなく、作品全体の方向性として、

衣装含めた前衛的な娯楽作に振り切っても良かったかも知れません。

 

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…海外ドラマ『マスケティアーズ パリの四銃士』、

録画だけして放置してたので、ちゃんと観るか。

(これも大胆な改作で、今回の銃士隊の衣装は、このドラマにインスパイアされたような気がします)

 

最後に、(退団して一般人なので)お名前は出しませんが、

OGの方々が何人もいらしていて、お元気そうで嬉しかったです。

 

 

来週(つまり今)は『ドラキュラ』で、2週連続でOSKを東京で観られて嬉しいです。


令和6年10月 OSKたけふレビュー『DREAM SCAPE』

2024年10月31日 19時25分49秒 | OSK・宝塚(OG含む)


※久々の武生が嬉しくて、チケットと特典ポストカードの写真を撮ったのですが、やはり「特典」であることに配慮しぼかしをかけています。

東京駅始発の新幹線に乗れば、
なんと武生で平日2回OSKが観られる!

の事実に気付き、はるばる都内から実に11年振りに武生に行きました。
かこさとし、いわさきちひろの、著名な童話作家の郷里であり、菊人形会場や周辺エリアが、ファミリー層向けにリニューアルされています。
(お洒落なお店等も出来ましたが、シャッター商店街は相変わらず…)

平日で、後方サイド席はカバーをかけてあるとは言え、明らかにガラガラ、では無く、また満席ではありませんが、万遍なく埋まっていて嬉しい限りです(嬉涙)

初主演の天輝さんを観るのは、ほぼ初。

いや、ちょっとこれは凄いスターさんですよ…

幕開きは男役・娘役ともマントの衣装で
クールで格好いい雰囲気。
闘牛士のようにバサッと翻すのが爽快。

推し活女子5人組の場面は、マイクありでセリフを言う方以外も、客席にそれぞれの推しスターの魅力をPR。
かなりマジな内容で、その男役さんと、近くで演技してくれた娘役さんのどちらも応援したくなります。
やがて推し活女子の妄想が現実になり、最後は天輝さん(金のタキシード)にメロメロに。
ここで天輝さんの客席下りなんですが、
ものすごーく良い香りがしました。

続いてミニスカ紫式部(唯城さん)と光源氏(天輝さん)の場面。
この位デフォルメした方が、子連れファミリー層も含めて、楽しめます。
二人の喧嘩から「動物探偵ゲーム」バトルに。
司会やジェスチャー担当は、毎回違うようです。

さらにミニスカ紫式部は、そのまま「やんしき節」からのラインダンスへ。
唯城さんも武生初ヒロインですから、気合いも入り、出ずっぱりです。

スパニッシュの唯城さんから、総踊りかと期待したのですが、同期同士である唯城さんの歌と、羽那さんのタップダンスのみのシンプルな構成。
羽那さんは、(貶める意図はなく)ご本人の魅力や持ち味として、ふっくらした女性らしい健康的な体型。
この健康美から繰り出される、渾身の激しいタップ、かと思えば小刻みで繊細なタップと、ダンスの魅力が光っていました。
健康美、躍動感、そして温かな雰囲気など「ダンスのOSK」で輝く素敵な娘役さんです。
(華奢なプリンセス系も、ファニーな愛嬌系も、おっとり系、小動物系、姐さん系…etc、様々なタイプの娘役が活躍できるのがOSKの良さだと思っています)

白い衣装の場面は、照明で体のシルエットが透けるのが美しく、
男役4人の場面は、全員が入団3年以内の若手男役で(驚)、歌やダンスのソロをもらって成長著しい。

白眉はピンクの衣装のデュエットダンス。
天輝さんがメイクを変えたかと思うほど、温かく優しく包容力のある印象に。
(私はこういう雰囲気の方が好みです)

再びポスターの黒×紫の衣装で、雪妃さんには餞のシーンも。
羽根扇はかなりスカスカなものもあり、(いつか中太マダムになって)寄贈したくなりました…
羽根扇で決まったあとにフィナーレなのは流れが悪く、一体化させても良かったのでは?と思います。

桜咲く国は1・3番のみのショートバージョン。

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客席下りが多く、ハイタッチや声かけ、やんしき節では一緒にダンスもあり、地方公演ならではのとても楽しい一体感でした。

前述したフィナーレの繋ぎと、
紫式部の鬘(茶ボブではなく、もうちょい長めの姫カット(黒髪)が良かったのでは?唯城さんはツクヨミでのおかっぱボブもあり、既視感があるので)以外は、
特に不満ポイントはありません。

むしろ、これ2000円は破格すぎますね。
北陸方面の方は絶対行って欲しい。

はるばる足を運んだ甲斐ある、大満足なレビューでした!

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で、天輝さんの何が凄いって、
場面ごとに演じる雰囲気が全然違うんです。

クールなのか(プロローグ、フィナーレ)、キザなのか(金タキシード)、軟弱で母性本能をくすぐるのか(光源氏)、怖い系(殺陣)、はたまた包容力があるのか(デュエット)…

初めて観たときは、
えっ、場面ごとに化粧変えてる?
とまで思ってしまいました。
(早変わりが強みのOSKでもさすがに無理です)

故に、「天輝レオらしさ」が掴めず、素顔がミステリアスなのが、さらに興味をそそります。
この公演に際し、他の劇団員と2ショット写真とその方の紹介をSNS更新されているのも好感が持てます。
共演者がいてこそ、スターとして輝けるので、それを理解されているのだと思います。
とんでもない逸材です。

虹架さん、愛瀬さん、そして楊さんの退団に寂寥を感じていたところ、またOSKの男役の層が厚くなったと実感でき、翼さんトップ体制での、皆さんの活躍が楽しみです。

男役は今回天輝さんの他は入団3年以内(=4年目以内)でした。
三座公演とは異なり「その他大勢のモブ」では無いので、皆さんスターとしての魅せ方を工夫されていて、良かったです。

南星さんは、依吹さんの降板があったとは言え、入団3年(=4年目)で二番手としての存在感。殺陣の場面は、天輝さんとしっかり対峙してました。

少し小柄な鳳寿さんは、ブレイクダンス風のしゃがむような振付やダイナミックな動きで体格をカバー。ヒップホップ系など、小柄さを活かしたダンスが強みになるかも、と期待します。

鼓珀さんには品の良さ、育ちの良さを感じます。まだ持ち味に悩み中でしょうか?色々チャレンジして欲しい(関東出身なので応援してます👍)。

大胆な赤い髪に染めた奏叶さんは、ブロマイドの素朴な印象と大きく異なり、目を引きました。

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関東からだと、チケ代より交通費が高くつく上、旧北陸本線が第3セクター移行により、鉄道の日きっぷ対象外になったので「安い旅」では行きづらくなりました(T_T)

菊人形や菊花も屋外になった関係や、入れ替えのタイミングで、あまり見応えもなく…

生花を扱う特性上、安定して高いパフォーマンスのOSK公演は、菊人形イベントの核になっていると思います。
これからも武生とのご縁が、末永く続くことを願っています。




しきぶんぶんミュージアム(大河ドラマ館)で唯城さんのメッセージ見つけました😊
天輝さんのは見つけられず…


令和6年10月ヒューリックホール東京『姿月あさとソロコンサート』

2024年10月06日 20時51分57秒 | OSK・宝塚(OG含む)


「姿月あさとソロコンサート」に行きました。

会場は有楽町駅前の、Men's阪急や、コニカミノルタプラネタリウムのビルの11階にある「ヒューリックホール東京」でした。映画館を改装したとのことで、座席も広々観やすく、ドリンク置きや傘立てが座席に完備されてるのは良いです。ただ、緞帳はないのかも知れません

で…

(以降、ちょい辛口です)


まず、チケット代と別にドリンク代600円が必要なのですが、これが市販のペットボトル(ノンアルコール)やスミノフ・生ビールそのままなんです。ビール以外はカップに注ぐわけでもなくこれは、あまりにも残念です。当たり前だけど、上演中は飲食禁止ですしね。

姿月あさとを生で観るのは、初です。
宝塚退団から24年経ち、ファンもやや年齢層高めな感じ。客席は満員では無いものの後方まで、まあまあの入り具合。

ミュージカルよりはコンサート等の音楽活動多めな印象だったので、歌への期待が高すぎたかも知れません。
男役スター時代の声の明るさや伸びやかさはなく、時間を重ねたのだな、と思いました。

1幕はパリ五輪に因んでシャンソン中心に。
・おおシャンゼリゼ
・パリ野郎
・パリの空の下
・ろくでなし(with上原)
・上原:She
・インシャラー
・ミマンケライ
・愛の賛歌

(帰宅後調べたところ)インシャラーは元々、第三次中東戦争直前に平和を願って発表(その後中立的な歌詞に変更)された曲だそうです。

2幕目はミュージカルを含む様々なジャンルから。
・鑑の中のつばめ
・yo soy maria
・(ミュージカル「シカゴ」の曲)
・(ミュージカル「レベッカ」の曲)
・上原:ラマンチャの男
・愛と死の輪舞曲
・闇が広がる(with上原)
・夜明け ※姿月オリジナル曲
・berangkat-ブランカ-

最後のブランカは、姿月も赤いストールを纏い、ファンクラブの方?も「ブランカ!」の歌詞のたびに赤いスカーフか何かを振っていました。

約50分×2幕で、コンサートとしてはかなりボリュームがあり、飽きさせない構成でした。

髪をとても綺麗にセットしていたのですが、どうやらウィッグで、全体を通じて、美しい衣装と共に約4つのスタイルでした。
(※スタッフのXより、衣装は「HIROKO KOSHINO 2024-2025 AW COLLECTION」とのことです。)

ご本人も言っていた「大阪のおばちゃん」的な天然ぶりと、ゲストの上原理生の掛け合いは面白かったです。

上原理生は、生で観るどころかお名前もはじめて知りました。東京藝大卒で声楽にこだわりもおありらしく、そのとおり見事な迫力あるバリトンで、素晴らしい歌声でした。

客席にマテ・カマラスが来ている中での、上原トート&姿月ルドルフの「闇が広がる」は素晴らしい趣向でした。姿月全盛期に、男性の低音との掛け合いを聞いてみたかったなあ、と思いました。

この他、紹介されていましたが高嶋弘之氏もお見えになっていました。

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観劇を全てブログ等に書いている訳ではありませんが、OG公演で印象深いのは安奈淳さん。
ご年齢もあり曲数こそ多くありませんが、情感のこもった艶のある歌声が今も魅力的です。

こうした大御所が声を維持していることを思うと、姿月さんへの期待度も必然的に高くなってしまいます(^-^;


令和6年8月新橋演舞場 OSK『夏のおどり』2回目(+大谷盛雄氏のこと)

2024年08月10日 09時21分10秒 | OSK・宝塚(OG含む)

2回目(8/9昼の部)に行きました。
2階の下手側廊下に、楊さんの衣装の展示がありました。
これ皆さん観た方が良いと思いますよ~


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1回目観たとき、『90年誌』の大谷先生の言葉を思い出しました。

一人一人の(特に、スターでは無い)劇団員さんが、
ファンの方やご家族、ご友人に
「〇〇の場面、一瞬だけセンター踊るから観てね」
「妖精が一人ずつ出てくるところのX番目」
「殺陣でトップさんに斬られる時、ピンスポ当たる」
「ラインダンスでソロパート貰った」
「花道で踊る」
「客席下りで、どこにいる」


と劇団員さん一人一人の人生と
無数の「観てね!」があるんだなあ、
と思うと、箱推しの私としては
ジーンと来てしまいました。
民謡メドレーの後半で、まさかの号泣です。
(客席下りで近くに来た某娘役さんに、見えたかも。すごく感動していることが伝われば嬉しい

晴れの大劇場公演で、
身近な人に「観てね」って言えるのが
本当に大切だと思うんです。
OSKの「風通しが良さそう」なイメージも
トップになる、以外の活躍の道が
沢山開かれていることも、その理由だと思います。

(イメージ、だけでなく本当にそうあって欲しい)


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【第1幕】
やはり、日舞のせいらさんが、
精悍で粋で爽やかな日本男児、という感じが
すごく良いです。

『深川マンボ』の最後の掛け合いは、
アドリブなんですね。昨日と微妙に違いました。

『河内音頭』は、空耳なんだけど
「空よりOSK」に聞こえて、
青空とOSK讃歌のような気持ちで聞いてます。

【第2幕】
幕開き、椿さんが「背中で語る」
つまり後ろ姿で、お顔も帽子で隠してるけど、
どこから観ても椿さんと分かるんです。
長身でスラッとしていて魅力的です。

椿さんは、ちょっとニヒルな感じを
持ち味にしてるのでしょうか?
違う感じも観てみたいと思いました。

殺陣は、改めて観ると、
沢山の若手男役(モブ)が
楊さんや翼さんと対峙することで、
その一瞬、ピンスポットが当たるんですね。
楊さんへの惜別の意味でも、
皆さん気持ちが入るシーンだと思います。

ラインダンスは手拍子すると分かりますが、
今回も(≒いつも)かなり高速です。
その中でも機敏で長身でスタイルの良い娘役
華蓮さんがよく目立ちます(上手側2番目)。 
他の場面では、ここまで目立たないので、
シンプルな髪形・衣装が似合う方なのかも。
かつての恋羽さんのように、
いつかラインダンスのセンターに立って欲しい
と思いました。

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と、ここまで書いて、荻田先生や桜花さんSNSより
大谷盛雄先生のご逝去の報に接し、大変驚きました(8/9夜)。

私が初めて観たOSK公演も、
大谷先生の手によるものでした。
(→2007年当時の感想
「商業演劇と違う優しさ」が 
これからもOSKに残ることを願います。
素敵な作品をありがとうございました。

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以下『90年誌』大谷盛雄氏インタビュー
p81より引用

初舞台の子とか、普段は後ろの方で全然顔が見えないことが多いですからね。歌劇なんだから、顔が見えないというのはおかしい。一生懸命踊っていても、客席から「いてた?」なんて言われたら⋯。
「あ、あそこにいてたから素敵やった⋯」とか、お母さんが「見てよ、うちの娘があそこにいてる〜」とか言ってもらうことも大事やと思います。ほかの商業演劇とは違って、歌劇はそれが絶対大事。その優しさが、僕はあったらいいと思うんですよね。若い女の子が「ここで仕事したい」と憧れて入ってくるというのは、ものすごく夢のあることですから。


令和6年6月新橋演舞場 OSK『夏のおどり』eプラス貸切

2024年08月09日 15時33分09秒 | OSK・宝塚(OG含む)

この日の感想はこちら

(※メモしていないので、うろ覚え&ニュアンスです)

トークショーは、左から

椿、翼、華月千咲舞美、白藤、城月壱弥

と司会の唯城さん(小旗を持っていて可愛い)。

 

【自己紹介】

名前と「ごほうび御飯」

楊:白いご飯、舞美:母の手作り牛しぐれ煮、千咲:フルーツタルト、白藤:アフタヌーンティー、華月:お寿司、城月:お肉、翼:ニンニク料理と激辛カレー、壱弥:焼肉、椿:ラーメン。

最後に唯城さんは、苺タルト。

 

【見所、感想】

椿、翼舞美、白藤、城月壱弥

印象的な方のみ

壱弥「松竹座・南座とは違う角度で、ジャングルブギウーの楊さんが「危ない」格好良さ」

城月「中堅~若手のラインダンスで、横一線で皆の顔が見えるところ」

白藤「パレードで舞美ちゃんが楊くんを迎えるところ」

舞美「南座は一本立てなので、また日舞・洋舞の二幕に戻り、劇場が変わると新鮮な気持ち」

 

【ドラマ『ブギウギ』劇中劇風キャッチコピー】

華月「いつも元気に!」楽屋も賑やか

千咲「勇ましく!」娘役の殺陣など強さ

舞美「粘り強く!」稽古熱心さ

「そして~」

「感謝の気持ちを忘れずに!」

 

抽選会は劇団員さんがくじを引き、

当選者が全員席番を呼ばれ、場内は温かい雰囲気に。

最後は楽しく写真撮影タイムでした。

 

eプラス貸切は初めて行きましたが、

独自価格のお値引きに、

このアフターはお得すぎます。

素晴らしい企画をありがとうございました。

 


令和6年8月新橋演舞場 OSK『夏のおどり』1回目

2024年08月08日 23時07分50秒 | OSK・宝塚(OG含む)

eプラス貸切『夏のおどり』を観劇しました。
すごく良かったです!
こんな前の良い席で、堪能しました。
(※OSKは箱推しで、全員好き。贔屓はいません)

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【第1部:日舞レビュー】
いつもの「〇〇のおどりは~♪」ソロはなし。
幕開きは、客席下りもあり華やか。
 
たけのこ、は大阪っぽく、
翼さんの客席下りがたっぷり。
 
民謡メドレーが楽しい。
 
爽やかなイケメンがいる!と思ったら
せいらさん。洋舞メイクと印象が違って素敵。

 
男役オンリーの殺陣は、ストーリー性が謎だけど、
楊&翼の「男の絆」がグッときました。
 
蝶の舞踊も、娘役のみである点等、OSKらしさ満載。
ただ、上位娘役も日本髪(の鬘)にして欲しかったなあ…
 
ちょっとコスト削減な感じが気になりますが
女性歌劇の日舞レビューが、
定期的に観られるのはOSKだけなので
本当に大切な文化として、守り受け継いで欲しいです。
 
【第2部:洋舞レビュー】
幕開き、千咲さんの鍛え抜かれた背中が美しい。
ショートヘアの鬘で、どことなく恋羽さんの面影を感じる。

そして男女ペアで各々踊る中、
白藤さん&千咲さん
麗しい百合デュエットに感嘆

 
極楽鳥の唯城さんが、総スパンダルマに
OSKでは珍しい背負い羽ありのゴージャス衣裳なのに、
立ち位置がスターと横並び。 
トップより派手な衣裳なのに、おかしいでしょ(苦笑)
(※似合っていて可愛いのだけど、
独立した役ならともかく、OSKなりのスター序列は守るべき)
 
『ブギウギ』場面は、ドラマが懐かしく、
それをリアルで観られた嬉しさに
黒と白の蝶の衣裳は、想像を超える美しさ。
(事前にドラマ再現シーンのみ予習しましたが)
映像にないのが「大きなしずく」の桐生さんが、
花道で見守るように踊るところ。
 
続く笠置シヅ子メドレーは、
千咲さん「ジャングルブギ」が圧巻。
娘役の高めのキーではなく、ドスの聞いた低めで迫力がある歌い方が合うのかも。
歌唱力に嬉しい驚きでしたし、
彼女が表現する激しさや熱さを、
優しく包み込む楊さんがいい。
 
中国風の場面は、時代設定が謎。(架空の近現代?)
 
フィナーレまでのダンスは、ちょっとずつ、
沢山の劇団員さんに見せ場があり
『90年誌』の大谷先生(振付家)インタビューどおり
「一人一人の顔が見える【優しさ】」が、
劇団員さんのモチベーション上も重要だと思います。
約40名の小規模だからこそできる、
大切&必要なことだと思います。
 
ラインダンス、フェッテの方は誰かしら?
そして、華妃さんの「私を見て!」という気迫がすごい。
 
近年、(遥花さん、実花さん等)上位娘役が抜けたので
羽那さんが要所要所で、目立つ。
表情豊かで温かみのある、素敵な女役に。
男役では、知颯さんの美形ぶりや、
碧さん・鼓珀さんから溢れる、
男役として舞台に立つ嬉しさが印象的でした。
 
デュエットダンスは壮大で、
二人の集大成に相応しく。
フィナーレは様式美では無く、
花道から楊さんを迎える、また新しいスタイル。
 
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OSKは短い公演期間に全てをぶつけるので、
完成度が高く、劇団員さんは涼やかな笑顔だけど、
汗を額に光らせながら踊り、
青筋を立てながら熱唱し、
とにかく誰もが全力です。
 
高校野球のごとく
果たして自分は今全力で生きているだろうか?
と自省すると、涙が出てきました。
 
改めて、一人一人のお顔を観ながら、
それぞれの歌劇への情熱に敬意を表します。
 
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ちょっとしたことですが(たぶん100均アイテム…)
OSKに合わせた装飾が嬉しかったです。
新橋演舞場さんの細やかな心遣いに感謝します。

満員御礼!


令和6年7月明治座『松平健芸能生活50周年記念公演』暴れん坊将軍&ショー

2024年07月06日 19時37分17秒 | 文化・芸能・スポーツ



まず代役公演のニュースに驚き、

テレビの歌番組で見る市川さんと、

北翔みっちゃん、

そしてWキャストの音波さんも

三人とも持ち味が違うので、はて?どうなるかと思ってました。


とまれ、急遽チケットを買って、

初日に観に行くことができました。

(と言うか、北翔出演日で土日が今週末くらいなので

必然的に初日を選ばざるを得ないです…)

明治座入口には目安箱があり

開演前の注意事項も「上様からお客様に申し上げます

~以上のこと守れない方は、成敗いたします」と、

雰囲気を盛り上げます。


冒頭、テレビドラマ版のイメージそのままに

上様こと松平健が登場。

観客席からは感嘆の声が漏れ出します。


ドラマ版の「お約束」通り、街に繰り出すと

田舎娘:おちか(伊藤純奈)が狼藉に遭い、

それを町娘:お佳代が助け………


あれ?


(以下ネタバレを含みます)



『蘭』で見覚えのある、

男装の麗人(若侍)スタイルじゃないですか!!!


これは驚きました。

スチール写真もポスターも、町娘スタイルだったのに。

ストーリー的には、当初から(市川さん出演)

こういう役だったと思われます。


はたして音波さんならどう演じるか、

も気になってしまいました。

(『愛と青春の旅立ち』の訓練生役が印象深い方です)


…さて、お佳代は部下を引き連れ

吉宗に思い入れ深く、なにやら執念深く付け狙います。

敵か味方か終盤まで確定せず、

ハラハラしながら観ていました。


「お約束」の展開、曲、さらにはテロップを、

舞台に落とし込むと、こうなるのかー

という工夫と、プロジェクションマッピングの妙で

誰もが期待する『暴れん坊将軍』🐴

になっていました。

中盤の馬を走らせるシーンは、ちゃんと疾走感があり

歌舞伎でも応用できそうです。

(プロジェクションマッピングを

古典歌舞伎としてどこまで許容するか、

の問題はありますが)

お佳代は、立ち回りあり、

娘姿あり、コメディタッチあり、

と大活躍のヒロイン格でした。


第2部は、冒頭マハラジャから。

エキゾチックな女性ダンサーの中央が

迫力ある長身の美女…あ!

この姿のみっちゃんだけで大満足です。

男役イメージが残るパンツスタイルで

『ハナミズキ』一青窈

(白×赤花模様の燕尾服風)

『奇跡』さだまさし

(ミントグリーンのジャケットに↑と同じ白パンツ)

の二曲をソロで。

(私のような)ファンが爆竹拍手で先導しなくても

どちらも間奏で自然な拍手が起きていて

感動しました。嬉しかったです。

代役という立場からMCはなし。

フィナーレのマツケンサンバIIでは

真っ赤な総スパンのお着物で、トップ娘役ポジションでした。


辰巳ゆうとさんの二曲のソロも大盛り上がり。

私も「ゆうと」コールしましたよ。

宝塚OGも何人も出演されてます。

愛田・夢咲は芸名変わらず。

みそ乃=風人夕真、明理=久路あかり、ですね。

皆さん懐かしい(^^)


1・2部とも

言うまでも無く、歌、踊り、芝居に殺陣と

松平健さんは圧巻でした。

目安箱の読み上げに、

女装あり、過去の振り返りありと

ファンの方は大満足なのでは?


観客層は30代以上で上は青天井。

ペンライト(サンバ棒)※を二本持ちしている方も多く

2部のショーではカラフルな客席でした。

大盛り上がりで、本当に楽しい公演でした。

※公演公式グッズではなく、松平健公式グッズの位置付け


気になったのは、所作で、草履を脱ぐ向き。

城中で振り向いて脱いだ武士がいたので、

ちょっと驚いてしまいました。

(進行方向に向いたまま脱ぎ、

振り向くか使用人が直すのが正式なはず。

そのようにしてる場面もありましたので、

↑をラフなシチュエーションの表現として、

敢えてやってるなら流石です)

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時代劇は、古典歌舞伎はもちろん


歴史考証が重視される大河ドラマとも違い

「現代ナイズしたエンタメ」として

また復興して欲しいなあ、何て思います。

美化されているとは言え、

古き良き日本の秩序、情愛、仁義に

分かりやすい勧善懲悪の様式美は、貴重です。


末筆ながら、市川さんのご快復をお祈りします。

また素敵な歌声をお待ちしています。


【追記】

『マツケン・マハラジャ』が強く印象に残っているので

歌詞を調べたら、(近鉄時代の)OSKの座付演出家で

マツケンサンバIIの作詞家の

吉峯暁子先生でしたわ…

OSKと宝塚がマツケンで結びつくとは…


【追記2】

曲を覚えてる限り調べました(順番は大体です)

『マツケンマハラジャ』

?健様と女優さんのデュエット

『下町殉情』辰巳ゆうと

『迷宮のマリア』辰巳ゆうと

『マツケンAWA踊り』

『ハナミズキ』北翔海莉

?健様と女優さんの舞踊

『夜明け(暴れん坊将軍挿入歌)』

『奇跡』北翔海莉

『マツケンサンバIII』

『マツケンサンバII』