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星くず雑記

日々の出来事は煌めく星くずのように…

令和7年3月 有楽町よみうりホール『TARKIE 伝説の女たち』

2025年06月10日 06時11分55秒 | OSK・宝塚(OG含む)




最大手かつ現存最古の宝塚以外の女性歌劇、

特に松竹歌劇が題材になっていたので、観に行きました。



(以下ネタバレを含みます)



【あらすじ】

松竹楽劇部の少女スター水の江瀧子は、ふとしたきっかけで歌劇史上初の短髪の男役「タアキイ」に転ずると、大人気となる。

歌舞伎座と新橋演舞場で、宝塚少女歌劇との熾烈な歌劇対決となり、休むことなく公演を打つ。劣悪な労働環境に、瀧子はリーダーとして立ち上がるが、後輩の津阪オリエは劇団に残り、スターに祭り上げられる。しかし瀧子らは待遇改善を勝ち取り、オリエとも和解した。


やがて日中戦争となり、瀧子らも大陸に慰問に向かう。帰国後、感想を問われると、当たり障り無く答えたが、戦地で祖国の娯楽を求める兵士らの疲れ果てた姿に、強い衝撃を受けていた。瀧子は松竹少女歌劇を退団し自分の劇団を立ち上げ、各地で巡業を行う。

戦争が終わると、松竹歌劇の後輩:並木路子が、彼女自身も戦争で家族を失った悲しみを背負いつつ、歌で人々を勇気づける。再び明るい娯楽が必要とされる時代がやって来たのだった。



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まず、これを歴史に忠実な物語として捉えてはいけません(重要)。


恐らくは意図的に、笠置シヅ子の諸々の設定は変えられており、あくまでもOSSK全体を象徴する役所。

他、歴史的な正確性は検証する気が起きないほどです。


「大槻冴子」は、当然SKDの小月冴子のオマージュと期待していただけに、宝塚側の架空のスターで残念です。

(松竹側は実在人物名なので、ちょっと脚色のズルさを感じます

監修の植田先生は、ご子息の友五郎先生ともども、OSKにも参与したことがあるこですが)


あとは男性陣の、特に髪形が昭和前期的ではなく、時代感が出し切れていません。彼らは彼らで、当時の価値観・世相で戦争を推すキャラクターとして描く方が、慰問で現地の様子を見て疑問や衝撃を抱く瀧子との対比になったのではないでしょうか

(実際には、瀧子は慰問誌『戦線文庫』の軍服グラビア等、協力的な姿勢も見せています)


歌劇ファン(OSK寄り)として、歴史物語として観ると辛口になりますが、レビューや歌謡ショーとしては、とても見応えがありました。


また宝塚出身者同士が、それぞれ宝塚と松竹の歌劇スターとしてディスり合うのも、出演者の背景を知ってるとブラックユーモアとして面白かったです。


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タアキイ役の鳳稀かなめさんは、スターとしては初めて観ました。

華があって素敵でした。


オリエ役の彩凪翔さん・大槻冴子役の天華えまさんは、惜しくも宝塚トップに届かなかった方。宝塚時代以上のスター役(衣装とか)で、見事なスターぶりでした。


笠置シヅ子役の妃海風さんを拝見するのは、たぶん宝塚以来。娘役キーではなく少し低声のパワフルなシンガーとして、(ネイティブの)関西弁と相まって、とても似合ってました。


最後に、ストーリーテラー(物語全体が、若い俳優が芸能記者からタアキイの一代記を聴く、と言う構成)である三枝乃里江役の未沙のえるさん!

お元気そうで何よりです。

軽妙なおばさん記者で、煌びやかなレビュー主体の作品の中で、素晴らしいアクセントでした。


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宝塚出身者の皆様のパワフルな姿に元気をもらいました。

が、いつものことながら、SKDやOSKのOG役を、両劇団出身者・縁の方が取れないのは誠に寂しい限り。

(それだけ宝塚が頑張った、と言うことでもありますが、やはり複雑な心境です)





ロビーには所狭しとのぼり旗が飾られていました。

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令和7年3月銀座博品館劇場 OSK『ドラキュラ』

2025年06月08日 10時14分50秒 | OSK・宝塚(OG含む)


年度末業務&転勤で繁忙のため、更新が遅くなりました…
『三銃士』に続き、観劇しました。

この作品は、娘役スター恋羽みうさんの退団公演でもあり、
結果的には、将来を嘱望された男役スター悠浦あやとさんの最後の公演になってしまいました。
(次の『春のおどり』休演後、復帰されることなく退団)
ということで、OSKファン的にはちょっと切ない思い入れのある作品です。

内容自体は、OSKの厳しい衣装事情もなんのその、
効果的な群舞(コロス)と、4人のメインキャストで、
見事に19世紀末ロンドンと中世東欧の雰囲気を醸し出しています。

(以下ネタバレあり)




【あらすじ】
(第1幕)
19世紀末ロンドンでは素性不明のデザイナー:ヴラド(椿りょう)が人気を博す。
若手歴史学者のジョン(壱弥ゆう)は、婚約者ミーナ(唯城ありす)のための
ウェディングドレスを依頼する。
ミーナを見たヴラドは一目で彼女を気に入り、とっておきのドレスを提供する。
同じ頃、ロンドンでは不可解な死亡・行方不明事件が相次いでいた。
ジョンとミーナの結婚式で、ヴラドはミーナを連れ去る。
ミーナはジョンを守るため、彼への愛を否定する。

(第2幕)
中世のルーマニア(ワラキア)、ドラキュラ公ヴラドは、聖職者たちから冷遇されており
彼の妻エリザベートは、異教徒との戦いにおいて神聖ローマ帝国に尽くす夫を擁護する。
しかし、ヴラドの敗死の誤報によって、エリザベートは身投げする。
帰還したヴラドに対し、自殺はキリスト教の禁忌であるため、聖職者たちは騒ぎ立てる。
ヴラドはガブリエル(白藤麗華)と契約し、エリザベートを求めて彷徨う。

再び19世紀末、ジョンはヴラドの正体に気付き、ルーマニアに到着する。
謎の少年(白藤麗華、二役)の誘いで城に到着する。
ミーナもまた、自分にうり二つのエリザベートの肖像画に困惑する。
ミーナはついにヴラドを選ぶが、心が充足したヴラドはミーナの持つ剣を自らに立てて自害する。
ミーナはジョンと城を逃れる。
そして大天使ガブリエルによりヴラドの魂は救済された。


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基本的には、初演のままだと思いました。

改めて、ミーナの為人が分かりづらい脚本です。
彼女の性格はジョンのセリフだけで説明され、第1幕でそれを発揮する場がありません。
また、基本的に、本心ではジョンを愛しているが、
彼を守るため、またヴラドの心を救済するため、偽りを述べていると思うのですが、
これも発揮する場が無く、なんとも心の揺れ動きが分かりづらいです。

余談ですが、凄い返り血を浴びたであろうミーナは、
ジョンとどうやってイギリスまで帰ったのかな…
(どこかでドレスを買い直して、長い船・鉄道の旅と想像します)
二人のその後に幸あれと願うばかりです。

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椿りょうさんは、ソフトな雰囲気とのギャップが
おどろおどろしいドラキュラの世界観にぴったり。
声がかすれるほどの大熱演でした。

唯城ありすさんは、ヒロイン役者ですね。
容姿も声もとにかく可憐で素敵。
(彼女のせいじゃないんですが)エリザベートとしての髪型は中世っぽいと良かったです。
劇中の肖像画は、あのエリザベート(オーストリア皇后エリーザベト)のようでした(美しい

壱弥ゆうさんは、ヒロインを奪われ、
そして奪還する複雑な役どころに加え、狂言回しとしての役割もあるので
ジョンの人柄の良さが、非常に重要だったと思います。
温かみのある雰囲気で好演されていました。

そして白藤麗華さんは、終始謎めいた存在で、
最後に正体が明確になる、この物語のカギとなる役どころ。
貴婦人としても、少年としても、そして悪魔or天使としても
演技の幅が広く、世界観を作るのに大きく貢献されていました。

モブ役では、蘭ちさとさん、鼓珀ひびきさんが印象に残りました。
(ワルも似合いますね…)

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ヴラドのドレスコレクションは、初演の方がギリギリ19世紀末にもありそうで
今回はいまいち現代っぽく残念でした。
(映像で見比べてないので、同一のままだったらスミマセン)

キリスト教の解釈について、ちょっと難がありますが、
ファンタジーとしては非常に面白く、
演出の工夫で世界観を作り上げている点でも、佳作だと思います。

ところで、先週の『三銃士』に比べると上演時間が結構短く、
チケット代は同じでした。
ちょっと工夫してもらえないかな、という感じです。
(損した、とまでは全く思っていませんが…)

今回も文科省の事業の一環で、子供無料だったようです。
ぜひ、本物の舞台芸術に触れてもらいたいですね。


祝満員御礼!
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令和7年2月銀座博品館劇場 OSK『三銃士』

2025年03月02日 06時42分56秒 | OSK・宝塚(OG含む)

ネタバレ(アニメ三銃士、原作を含む)を

前提としています。



 

【あらすじ】

(第1幕)

教会でダルタニアンが、アンヌ王妃の下女である人妻コンスタンスへの恋慕を懺悔している。

ダルタニアンと三銃士は、既に友情で結ばれた仲。

コンスタンスが現れ、この教会で王妃と英国のバッキンガム公が面会することを告げる。

公は王妃を愛するが、王妃は立場を重んじてその思いを受け入れない(つまりプラトニックなまま)。その代わり、国王ルイ13世から送られた首飾りを形見に贈る。リシュリュー枢機卿もまた王妃を恋慕し、国王に王妃の不定疑惑を焚き付ける。

首飾りを巡る一件は、ダルタニアン&三銃士の活躍により、リシュリューとミレディの策略は失敗し王妃の名誉は保たれる。コンスタンスはダルタニアンに愛を告白され有頂天となるが、リシュリュー一派に誘拐される。

 

(第2幕)

バッキンガム公が主導し、英国がフランスに侵攻する。リシュリューはミレディを責め立て、公やコンスタンスの謀殺を図る。

危機を察知したダルタニアン&三銃士は、アンヌ王妃を通じて公を助けようとするが寸前で間に合わなかった。王妃側はコンスタンスを救出して修道院で保護するが、ミレディが言葉巧みに修道院に侵入して殺害する。コンスタンスはダルタニアンの腕の中で絶命する。ダルタニアン達に、ミレディの罪が暴かれ死刑にされるが、彼女の策謀が徒となって、ダルタニアン達は罪に問われなかった。しかし、三銃士は喪失感などから銃士隊を去る。

10年後、ルイ14世の御代で、一人残ったダルタニアンは銃士隊長として、フロンドの乱が起こる中、アンヌ皇太后と幼い王を守るため、消極的にマザラン枢機卿側についていた。ダルタニアンはまずポルトスに復帰を求める。二人の前に、フロンド派についたアトスとアラミスが現れ剣を交えるが、四人は友情を確かめ合い、意気投合する。

 

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【感想ほか】

『ダルタニアン物語』シリーズ三部作のうち、

日本では第1部『三銃士』がよく知られています。

児童向けの翻案・抄訳では、ミレディ(ミラディ)とコンスタンスの死、

ダルタニアンが正式に銃士隊副隊長になり三銃士はそれぞれの道へ、

と第1部のみで終わることが多いです。

 

本作は、設定を少し変えたとは言え、

第2部『二十年後』の内容に触れていてビックリしました(未読、概要のみ知ってた)。

 

OGはやみ甲氏の演出だけに、

心情やドラマ性をダンスで表現するシーンも多く、

ダンスのOSKの面目躍如で満足度は高いです。(同じコロスでも、歌主体の宝塚とは異なる趣で、非常に良い)

久々に『アニメ三銃士(アニ三)』観たくなりました。

 

OSKは子供料金を設定しているため、高校生以下がかなり多かったように思います。

舞台にのめり込む余り背をつけない子が私の周囲だけでも結構いて、

観客から指摘されてた(すぐ直してトラブルにはなってなかった)ので、

子供料金を設定する公演では、

開演前にマナーをレクチャーするのがよろしいかと思います。

 

それにしても、満員御礼で嬉しい限り!

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翼さんは若々しい熱血漢の役作り。

千咲さん演ずる、恋の喜びを知る、若き人妻コンスタンスとの同期カップルが尊すぎる…

照れ臭さすぎて、私は正視できませんでしたよ…

 

三銃士の面々はキャラクターの違いが鮮明ながら、

『アニ三』を彷彿とさせる(アトス=黒髪長髪、アラミス=金髪くせ毛)のが嬉しい。

みな期別では翼さんより下のはずが、先輩銃士に見える。すごい。

 

若手もモブ含め二役どころか何役やってるか分からないが、

ちゃんと違うキャラに見える。すごい。

 

中でも、大柄ではないが顔が小さく、まだ癖のない(素直な印象)の男役さんが

陽向さんですね。これからどんな男役になるか楽しみです。

顔立ちが柊さんとよく似ていて、柊さんがモブ男役も?と思ってしまいました。

 

アンヌ王妃役の柊さんは、史実に近い、若い王妃の恋の喜びと、

王族としての覚悟が滲み出て、大好演。

 

桜乃さんは、リシュリューの密偵として、

照明が当たらない時の目配せや仕草までもが印象的。

 

そして助演女優賞というか闇のヒロインは、

何と言っても妖婦ミレディ役羽那さん

共演の娘役が華奢で可憐な方々(千咲さん、柊さん、桜乃さん)なこともあり、

女性的な体型で表情豊かな羽那さんの、

魔性の女っぷり&存在感&ド迫力が際立っていました。

 

 

【もやもやポイント】

勧善懲悪ものとして、リシュリューとがそのままなのがモヤッとします。

原作通りと言えばその通りですが。

 

コンスタンスの人妻設定を弱めた分、

経済的事情で愛のない結婚をした悲しみが薄れていました。

 

OSKの厳しい衣装事情は理解しますし、

近い時期に『ドラキュラ』(19世紀末&中世のコスチュームもの)を控えているのも分かりますが、

17世紀フランスを舞台としたコスチュームものとしては、

衣装がかなり苦しかった……です(悲

 

ダルタニアン&三銃士、リシュリューはファンタジー風味の創作ですが、

あとはバラバラで統一感がなくて残念です。

 

特にアンヌ王妃は、10年後の短い場面のもの深緑のドレスの方が

重厚で良かったなあ、と思います。

せめて、アンヌ王妃がそうだったように、

男役も娘役もバロック様式の広襟(重ね襟)を着けるとかですね、

時代感を出す工夫をして欲しかったなあ。

 

とは言え、一応15年来のファンとしては、

劇団の懐事情は察するにあまりありますし、

あまり要望を押しつけても宝塚同様、劇団の自腹問題にも関わるのも分かります。

 

例えば、オペラや演劇の前衛的な演出のように、

割り切ってシンプルな配色の現代の衣装にしてしまうとか、

工夫して欲しいと思いました。

 

さらに言えば、時代ものですが言葉遣いがカジュアルな現代語が多く気になります。

例えばミレディが(元夫で因縁のある)アトスに「超タイプ」とか、

アラミスの好みの女性が「ボン、キュッ、ボンの熟女」とか。

悪いという意味ではなく、作品全体の方向性として、

衣装含めた前衛的な娯楽作に振り切っても良かったかも知れません。

 

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…海外ドラマ『マスケティアーズ パリの四銃士』、

録画だけして放置してたので、ちゃんと観るか。

(これも大胆な改作で、今回の銃士隊の衣装は、このドラマにインスパイアされたような気がします)

 

最後に、(退団して一般人なので)お名前は出しませんが、

OGの方々が何人もいらしていて、お元気そうで嬉しかったです。

 

 

来週(つまり今)は『ドラキュラ』で、2週連続でOSKを東京で観られて嬉しいです。

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令和6年10月 OSKたけふレビュー『DREAM SCAPE』

2024年10月31日 19時25分49秒 | OSK・宝塚(OG含む)


※久々の武生が嬉しくて、チケットと特典ポストカードの写真を撮ったのですが、やはり「特典」であることに配慮しぼかしをかけています。

東京駅始発の新幹線に乗れば、
なんと武生で平日2回OSKが観られる!

の事実に気付き、はるばる都内から実に11年振りに武生に行きました。
かこさとし、いわさきちひろの、著名な童話作家の郷里であり、菊人形会場や周辺エリアが、ファミリー層向けにリニューアルされています。
(お洒落なお店等も出来ましたが、シャッター商店街は相変わらず…)

平日で、後方サイド席はカバーをかけてあるとは言え、明らかにガラガラ、では無く、また満席ではありませんが、万遍なく埋まっていて嬉しい限りです(嬉涙)

初主演の天輝さんを観るのは、ほぼ初。

いや、ちょっとこれは凄いスターさんですよ…

幕開きは男役・娘役ともマントの衣装で
クールで格好いい雰囲気。
闘牛士のようにバサッと翻すのが爽快。

推し活女子5人組の場面は、マイクありでセリフを言う方以外も、客席にそれぞれの推しスターの魅力をPR。
かなりマジな内容で、その男役さんと、近くで演技してくれた娘役さんのどちらも応援したくなります。
やがて推し活女子の妄想が現実になり、最後は天輝さん(金のタキシード)にメロメロに。
ここで天輝さんの客席下りなんですが、
ものすごーく良い香りがしました。

続いてミニスカ紫式部(唯城さん)と光源氏(天輝さん)の場面。
この位デフォルメした方が、子連れファミリー層も含めて、楽しめます。
二人の喧嘩から「動物探偵ゲーム」バトルに。
司会やジェスチャー担当は、毎回違うようです。

さらにミニスカ紫式部は、そのまま「やんしき節」からのラインダンスへ。
唯城さんも武生初ヒロインですから、気合いも入り、出ずっぱりです。

スパニッシュの唯城さんから、総踊りかと期待したのですが、同期同士である唯城さんの歌と、羽那さんのタップダンスのみのシンプルな構成。
羽那さんは、(貶める意図はなく)ご本人の魅力や持ち味として、ふっくらした女性らしい健康的な体型。
この健康美から繰り出される、渾身の激しいタップ、かと思えば小刻みで繊細なタップと、ダンスの魅力が光っていました。
健康美、躍動感、そして温かな雰囲気など「ダンスのOSK」で輝く素敵な娘役さんです。
(華奢なプリンセス系も、ファニーな愛嬌系も、おっとり系、小動物系、姐さん系…etc、様々なタイプの娘役が活躍できるのがOSKの良さだと思っています)

白い衣装の場面は、照明で体のシルエットが透けるのが美しく、
男役4人の場面は、全員が入団3年以内の若手男役で(驚)、歌やダンスのソロをもらって成長著しい。

白眉はピンクの衣装のデュエットダンス。
天輝さんがメイクを変えたかと思うほど、温かく優しく包容力のある印象に。
(私はこういう雰囲気の方が好みです)

再びポスターの黒×紫の衣装で、雪妃さんには餞のシーンも。
羽根扇はかなりスカスカなものもあり、(いつか中太マダムになって)寄贈したくなりました…
羽根扇で決まったあとにフィナーレなのは流れが悪く、一体化させても良かったのでは?と思います。

桜咲く国は1・3番のみのショートバージョン。

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客席下りが多く、ハイタッチや声かけ、やんしき節では一緒にダンスもあり、地方公演ならではのとても楽しい一体感でした。

前述したフィナーレの繋ぎと、
紫式部の鬘(茶ボブではなく、もうちょい長めの姫カット(黒髪)が良かったのでは?唯城さんはツクヨミでのおかっぱボブもあり、既視感があるので)以外は、
特に不満ポイントはありません。

むしろ、これ2000円は破格すぎますね。
北陸方面の方は絶対行って欲しい。

はるばる足を運んだ甲斐ある、大満足なレビューでした!

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で、天輝さんの何が凄いって、
場面ごとに演じる雰囲気が全然違うんです。

クールなのか(プロローグ、フィナーレ)、キザなのか(金タキシード)、軟弱で母性本能をくすぐるのか(光源氏)、怖い系(殺陣)、はたまた包容力があるのか(デュエット)…

初めて観たときは、
えっ、場面ごとに化粧変えてる?
とまで思ってしまいました。
(早変わりが強みのOSKでもさすがに無理です)

故に、「天輝レオらしさ」が掴めず、素顔がミステリアスなのが、さらに興味をそそります。
この公演に際し、他の劇団員と2ショット写真とその方の紹介をSNS更新されているのも好感が持てます。
共演者がいてこそ、スターとして輝けるので、それを理解されているのだと思います。
とんでもない逸材です。

虹架さん、愛瀬さん、そして楊さんの退団に寂寥を感じていたところ、またOSKの男役の層が厚くなったと実感でき、翼さんトップ体制での、皆さんの活躍が楽しみです。

男役は今回天輝さんの他は入団3年以内(=4年目以内)でした。
三座公演とは異なり「その他大勢のモブ」では無いので、皆さんスターとしての魅せ方を工夫されていて、良かったです。

南星さんは、依吹さんの降板があったとは言え、入団3年(=4年目)で二番手としての存在感。殺陣の場面は、天輝さんとしっかり対峙してました。

少し小柄な鳳寿さんは、ブレイクダンス風のしゃがむような振付やダイナミックな動きで体格をカバー。ヒップホップ系など、小柄さを活かしたダンスが強みになるかも、と期待します。

鼓珀さんには品の良さ、育ちの良さを感じます。まだ持ち味に悩み中でしょうか?色々チャレンジして欲しい(関東出身なので応援してます👍)。

大胆な赤い髪に染めた奏叶さんは、ブロマイドの素朴な印象と大きく異なり、目を引きました。

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関東からだと、チケ代より交通費が高くつく上、旧北陸本線が第3セクター移行により、鉄道の日きっぷ対象外になったので「安い旅」では行きづらくなりました(T_T)

菊人形や菊花も屋外になった関係や、入れ替えのタイミングで、あまり見応えもなく…

生花を扱う特性上、安定して高いパフォーマンスのOSK公演は、菊人形イベントの核になっていると思います。
これからも武生とのご縁が、末永く続くことを願っています。




しきぶんぶんミュージアム(大河ドラマ館)で唯城さんのメッセージ見つけました😊
天輝さんのは見つけられず…

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令和6年10月ヒューリックホール東京『姿月あさとソロコンサート』

2024年10月06日 20時51分57秒 | OSK・宝塚(OG含む)


「姿月あさとソロコンサート」に行きました。

会場は有楽町駅前の、Men's阪急や、コニカミノルタプラネタリウムのビルの11階にある「ヒューリックホール東京」でした。映画館を改装したとのことで、座席も広々観やすく、ドリンク置きや傘立てが座席に完備されてるのは良いです。ただ、緞帳はないのかも知れません

で…

(以降、ちょい辛口です)


まず、チケット代と別にドリンク代600円が必要なのですが、これが市販のペットボトル(ノンアルコール)やスミノフ・生ビールそのままなんです。ビール以外はカップに注ぐわけでもなくこれは、あまりにも残念です。当たり前だけど、上演中は飲食禁止ですしね。

姿月あさとを生で観るのは、初です。
宝塚退団から24年経ち、ファンもやや年齢層高めな感じ。客席は満員では無いものの後方まで、まあまあの入り具合。

ミュージカルよりはコンサート等の音楽活動多めな印象だったので、歌への期待が高すぎたかも知れません。
男役スター時代の声の明るさや伸びやかさはなく、時間を重ねたのだな、と思いました。

1幕はパリ五輪に因んでシャンソン中心に。
・おおシャンゼリゼ
・パリ野郎
・パリの空の下
・ろくでなし(with上原)
・上原:She
・インシャラー
・ミマンケライ
・愛の賛歌

(帰宅後調べたところ)インシャラーは元々、第三次中東戦争直前に平和を願って発表(その後中立的な歌詞に変更)された曲だそうです。

2幕目はミュージカルを含む様々なジャンルから。
・鑑の中のつばめ
・yo soy maria
・(ミュージカル「シカゴ」の曲)
・(ミュージカル「レベッカ」の曲)
・上原:ラマンチャの男
・愛と死の輪舞曲
・闇が広がる(with上原)
・夜明け ※姿月オリジナル曲
・berangkat-ブランカ-

最後のブランカは、姿月も赤いストールを纏い、ファンクラブの方?も「ブランカ!」の歌詞のたびに赤いスカーフか何かを振っていました。

約50分×2幕で、コンサートとしてはかなりボリュームがあり、飽きさせない構成でした。

髪をとても綺麗にセットしていたのですが、どうやらウィッグで、全体を通じて、美しい衣装と共に約4つのスタイルでした。
(※スタッフのXより、衣装は「HIROKO KOSHINO 2024-2025 AW COLLECTION」とのことです。)

ご本人も言っていた「大阪のおばちゃん」的な天然ぶりと、ゲストの上原理生の掛け合いは面白かったです。

上原理生は、生で観るどころかお名前もはじめて知りました。東京藝大卒で声楽にこだわりもおありらしく、そのとおり見事な迫力あるバリトンで、素晴らしい歌声でした。

客席にマテ・カマラスが来ている中での、上原トート&姿月ルドルフの「闇が広がる」は素晴らしい趣向でした。姿月全盛期に、男性の低音との掛け合いを聞いてみたかったなあ、と思いました。

この他、紹介されていましたが高嶋弘之氏もお見えになっていました。

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観劇を全てブログ等に書いている訳ではありませんが、OG公演で印象深いのは安奈淳さん。
ご年齢もあり曲数こそ多くありませんが、情感のこもった艶のある歌声が今も魅力的です。

こうした大御所が声を維持していることを思うと、姿月さんへの期待度も必然的に高くなってしまいます(^-^;

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