インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

徒歩圏内で便利な金沢ライフ

2018-03-07 16:12:50 | E全集(受賞作ほかの全小説作品、2017~)
金沢滞在もひと月ちょっとになったので、晴れた日はせっせと動いているが、わがマンションから、繁華街の片町や、石引町を経ての美術館・博物館めぐりから広阪通までのコースが歩いてもそう遠くないことを知り、これまでもっぱらコミュニティバスを利用していた当方にとっては、うちは郊外だからと思っていたけど、歩く気になれば十分歩ける距離内カルチャー関連施設や繁華街があることを知り、改めて地の利のよさにうれしい驚きを感じている。

もちろん、街中と比べると、三十分は歩かないといけないが、日ごろ図書館の往復で一時間歩いている当方にはしんどくない。
あれ、こんな近かったかという驚き、なあんだ、そうと知っていればと、いまさらながらの感である。ただし、寒いと、歩くのはきつい。風がなければ大丈夫だが、昨日は少し肌寒く、帰りはさすがにバス利用。

でも、歩いてみると、あれって感じで、意外に近距離なのにびっくりしている。武蔵辻から金沢駅までもコミュニティバスで遠回りしなくても、近道を歩けば二十分なことがわかり、ありゃありゃ今までなんのために長いことバス停前で待っていたのかと、悔やまれたことであった。

つまり、金沢はその気になれば、徒歩で網羅できるほど良い街の大きさなのである。

冬の降雪時をのぞいて、お天気のいい日はせいぜい歩こうと決めた次第。

わがマンション近くには犀川も豪壮に流れ、自然環境も申し分ない。加えて繁華街や美術館にも徒歩で行けるとなったら、便利といわずしてなんといおう。
いやあ、思いがけず、いい立地を見つけたもんだ。

文化都市・金沢は毎日、いろんな催しが各施設で催されている。無料の催しも多い。インドの本宅に帰ると、単調な生活パターンになるので(僻地すぎて文化的なものは何もない、本屋も図書館もデパートもスーパーもなし)、いまのうちにせいぜい楽しんでおこう。
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圧巻の小説書

2018-03-07 16:04:45 | カルチャー(祭)・アート・本
金沢滞在も余すところ四十日、この四か月半ほどで180冊くらい読んだと思うが、ベストは、パウロ・コエーリョの「星の巡礼」だった。
訳は精神世界書の第一人者、山川夫妻。かなり分厚いハードカバーの文庫本だったが、二日で読破、パウロの作品は原書ですでに二冊読んでいたので、これで三度目だったが、やはり読ませる。

スペインとフランスにまたがる巡礼路、サンティアゴ・デ・コンポステーラを歩いてみたくなった。

お薦め復刻版は、カドカワ書店から。ぜひご一読いただきたい。人生を変えるほどのインパクトを秘めたブラジルの著名作家の処女作、全世界で売れているベストセラー書でもある。
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感動のマークエステル展

2018-03-07 15:25:06 | カルチャー(祭)・アート・本
昨日、歩いて石引町まで出(徒歩で二十五分ほど)、まず県立美術館地階の無料展示を見た後、広阪通りに出、しいのき迎賓館で開催されていた初日のマークエステル展を堪能してきた。

そんなに期待していたわけでなかったが、プロの手腕はさすがに素晴らしかった。その前県立美術館で見たアマチュアの絵がすべて吹き飛んでしまった。フランスのコートダジュールの岬上にある八百年の伝統を誇る由緒ある名門ホテル一家に育ったマークエステルは、星の岬(カップエステル)という名のそのホテルに宿泊する各界の名士たちとまだ若い青春期に知遇を得る。ケネディ米大統領や、チャールズ・チャップリン、モナコのグレース王妃、アラン・ドロンなど錚々たるメンバーたちから、のちに芸術家として立つインスピレーションを受ける。しかも、近所には有名な画家シャガールが住んでおり、多感な芸術志向の青年に大きな影響を与えた。そのため、彼の作風はシャガールを思わせる幻想性と神秘性にあふれ、色鮮やかな色彩が特徴だ。油彩にはじまり、手彩ジグレー(デジタルによる着色吹付)版画、ブロンズ像、ガラス工芸品、陶器の絵付けとジャンルが多彩だが、一番展示点数が多かった絵がなんといっても素晴らしかった。

シャガールの絵の空を飛ぶ男女が、マークエステルの場合、日本の古事記の神々になる。これまで日本国内の九十の神社に奉納してきた経歴があり、今回も南町の尾山神社に作品(加賀百万石の礎を築いた前田利家とお松の方)を奉納、その後のしいのき迎賓館でのA・Bギャラリーでの無料展示だったわけだ。どうしたらこんなに素晴らしい色が出せるんだろうと、色遣いにおいて本物の花をはるかに凌駕するイマージネーション豊かな豊饒な色彩、原色のめくるめく色が駆使された作品群は、見ていて飽きない。美しくわかりやすく、美術の素人でも一目で魅了される作品だ。

天照大神はじめ、イザナギノミコトやイザナミノミコトが自然を背景に配された少しオリエンタル風の絵はじめ、静物画であるブーケ(花瓶の生け花)がテーマの絵がたくさんあり、とにかくありとあらゆる原色が駆使さ、手変え品替えの豊饒さに感嘆、何度も巡回、ちょうど入口の奥の座席に作者が常駐しており、決め手は色で、赤が愛、青が希望、紫が悟りなど、色が決まれば作品はおのずと完成すると、片言の日本語で述べておられた。

目つぶしを食らうようなカラフルさなのに、洗われるような透明感のある原色で、並みの人には出せない色遣い、清々しくフレッシュで、純粋な子供の心を失わない氏の面目躍如たるところ、磨き抜かれた魂、清浄なハートの具現ともいえ、今年75歳という長年のプロの鍛錬のたまもの、さすがとうならされる手腕である。日本人には出せない色だなあと思う。作風に和洋折衷が生きている。また、シャガールの影響も随所に見られ、幻想的な美画でもある。

あいにく老眼鏡を忘れてきて細部を子細にチェックできなかったのが残念だが、11日まで展示予定なので、近日中にもう一度再訪するつもりだ。
まさしく圧巻の芸術作品、とくと堪能した後、ワインで一杯やりたくなったのはいうまでもない。
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