インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

航海安全祈願祭

2010-11-23 02:23:18 | カルチャー(祭)・アート・本
昨日の日曜のフルムーンは、ボイタ・バンダナ(Boita Bandana)といわれるボー
ト・フェスティバルだった。
カルティック(Kartic,11月)の満月日に催されるお祭りで、海や河、湖、池な
どに紙製のカラフルな小舟を流して、海運業で栄えた往時を偲ぶのだ。そもそも、
ベンガル湾沿いの海岸地帯の港町は昔ジャワ、スマトラ、ボルネオなどとの交易
が栄えたところで、海運商の航海安全を祈願して始められたものだったという。

                                     

パラディープ(Paradeep)という港町では大きな作り物の飾り船が作られ、住人が
往時の商人の古衣装をまとって、女たちが妻に扮し、夫の航海安全を祈った。
当オリッサ州首相、ナビン・パトナイク氏も例年通り開会式に駆けつけた(写真)。
バザールで市販された紙製のカラフルな舟は各地で飛ぶように売れた。

昔はバナナの葉の小舟だったが、近年は凝った紙製の色鮮やかな小舟が人気。
舟の上に神様のお供え物や銅貨、貝殻、聖なる灯油ランプなどを載せて、水に流す
のだ。
精霊流しと似ており、先祖の霊を敬う意味もまた別にあるらしい。

                                

小舟流しが済んだ今夕、日が沈んでから浜に出た。
祭りの後でさすがに閑散としている。
東寄りの中空に鬱金のほの暗い月が浮かんでいた。

濃藍の水平線は夜空に溶け込み、転々と瞬く漁火でかすかに不分明な境界がわかる。
十六夜月はやがてこんじきに明るみを増し、銀白に煌々と照りだした。
浜では男たちがカード遊びに余念がなかった。

背後の五つ星ホテルは明日結婚式のようで、会場作りにおおわらわ。
暑くも寒くもない絶好の日和だけに、結婚シーズンたけなわでもあるのだ。

十一月も下旬に近くなって、やっと少しだけ涼気が戻ってきた。
しかし、例年に比べると暑い。日中は冷房を回すこともある。
当地プリーは、恒例のビーチ祭りまであと二日。
忙務を縫って、私も当地古来の伝統舞踏オディッシーなどの催し、手織り民芸品
のバザール物色などエンジョイするつもりでいる。





コメント
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