6/23 中村浩子 And then 第４４話

6/23 中村浩子　And then 第４４話


結局、どちらの安全も確保ということで雄二と益田は会うことになった。

益田は警察から中村雄二、浩子の夫に会うと告げられた。


益田は驚いた。

雄二は何を知りたいのだろう？と思った。


警察は一部屋を後付の壁で仕切り、中央に机を置き、

その上に透明な樹脂の仕切りを設けた。

それは警察の面会室と同じ造りだけど、大きな部屋で

刑事たちは待機できた。


雄二が最初に口を開いた。

感情を隠すこともなく、雄二は言った。

なんで浩子を生きたまま解剖なんてできたのですか？

刑事たちは驚いて構えた。

浩子が何をやったんですか？


益田は苦笑いした。

奥さんは僕に抱きついてきましたよ。

そりゃ、彼女はあなたに恋をしていたから、

先生と夕食に行けるってあんなに楽しそうだったのに。

第一先生は浩子の気持ちを知ってたじゃないですか？

私だって先生に浩子をかまってやってって頼んだくらいです。


益田の願った展開ではなかった。


僕は言い寄る女は嫌いだ。

益田は冷たく言い放った。


だから生きたまま解剖したんですか？

あなたは医者ですか？

医者にそんなことできるんですか？


益田は考えた。

雄二を前に再び、浩子に対するような憎悪がわいたから。

この男を今解剖できないなら、

あの時の様子を再現してやる


浩子さんがまとわりついてくるから、服を脱がせました。

なんの抵抗もなく、脱がされましたよ。

いい体してるじゃないですか？

あなたの手に負えない？　そうかもしれない。

私は浩子さんの性感帯を手だけで刺激して

浩子さん、恍惚状態っでした。


それから解剖台に乗せて、子宮のチェックをした。

もしかしたら、閉経後でも治療で子供を産めたかもしれない。

イタリアでそういう例がありましてね。


彼女の膣はフル性感帯で、さらに子宮は妊娠することを欲していた。

子宮をもんでやるとあなたの奥さんの喜んだこと。

彼女を妊娠させなかった罪はあなたのあるんだ。


あの子宮さえなければ、浩子さんはもっと清らかだったかもしれない。

だから子宮をまず切除したんです。

雄二は蒼白になった。

両手でしっかり目の前の机の端を握っていた。


ちょうど膣を刺激され、エクスタシーに達したときだったから

痛みを感じることなく子宮は周辺から切り離された。

ああいう麻酔もあるんだと新発見でした。


それから子宮を取り出した。

すごい流血で血液吸収布を大量に置いておいたおかげで

掃除の手間が省けた。

雄二は声もなく益田を聞いていた。

僕は血液不足で浩子さんがおとなしくなるのを見ていたというか待っていた。


それから年にしては見事な乳房の片方の皮を剥いだ。

ああ、声にもならない声が雄二から出た。

いや、もう浩子さんは感じていなかったと思いますよ。

もう少し早くやればよかった。

僕が脅威だと知らせたかった。

それからもうひとつの乳房から乳首の表皮だけをとった。


どれもホルマリンの瓶に保管しましたからよろしければお持ちください。

記念に差し上げますよ。


雄二を保護するために刑事たちが介入した。


雄二は刑事２人に抱えられて室外に去った。

医務室のベッドに寝かされ、鎮痛剤がうたれた。