【週刊ゲーム市場分析】DLで利益の半分を叩きだす「GRAVITY DAZE」は、VITAソフトのモデルケースとなるか?

2012年04月15日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第49回。
(ゲームソフトの販売を予想して精度を競うサイト「YSO3」もよろしく!)

コンシューマソフト週間販売ランキングTop20(4gamer.net/メディアクリエイト調べ)


■PSP「スパロボ」は前作の9割の本数を確保

今回の首位は「第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇」(26.5万本)。
今作は2010年発売の「破界篇」の直接の続編ということで、データを比較してみた。


※データはすべてメディアクリエイト集計 ※「破界篇」のダウンロード版の本数も推定

「破界篇」(初週30.7万本)よりやや本数を落としているが、今作はダウンロード版が同時発売
(「破界篇」のダウンロード版は先月発売)であり、シェアが高くなっていることが推測される。
ダウンロード版の本数を仮に5%とすると、前作の約9割の出足となる。

この「5%」は、かつてPSPで「ペルソナ3ポータブル」がパッケージ版とダウンロード版が同時発売されたが、
パッケージ版が推定16.4万本販売した際に、ダウンロード版の本数が1万本と発表されたことがあるため。
このときのダウンロード版のシェアは5.7%だが、VITAが発売している現在はそれ以上となる可能性もありそうだ。

さらに、メディアクリエイトのサイトにおいて、前作および今作の「予約数」が掲載されていたので
それを含めて初週のパッケージ版の状況をグラフ化してみた。


※データはすべてメディアクリエイト集計

予約数は前作に比べて2割ほど増えているが、初週の販売本数が減っているため
「予約以外の初週販売分」は約3分の2に。ストーリーが続く「直接の続編」の場合のモデルとなりそうだ。


■DLで利益の半分を叩きだす「GRAVITY DAZE」は、VITAソフトのモデルケースとなるか?

PS VITAの発売から、さらに注目度を増しているゲームのダウンロード販売。
PSPの有力タイトルも、今回の「スパロボ」に限らず、ダウンロード版が同時発売のケースが多くなっている。

ダウンロード版はパッケージ版とは違い販売状況が分かりにくいが、「GRAVITY DAZE」はパッケージ版の出荷と
ダウンロード版の合計で10万本を突破したことが明らかにされた。
このときダウンロード版の販売本数は約3万本、販売のシェアは3割強であることが推察できた。

当時のPSストアの「評価数」(PSストアでソフトを購入したユーザーのみ評価を入れることができる)は約4500件。
ダウンロード版を購入したユーザーのうち、約7人に1人が評価を入れていた計算になる。

この「7人に1人」の割合がダウンロードコンテンツにも適用されると仮定して、「GRAVITY DAZE」全体の
販売金額を推定してみた。



さらに、メーカーの取り分(利益)がパッケージ版で4割、PSストアのダウンロード販売で9割と仮定し
メーカーの推定利益額も計算してみた。

「GRAVITY DAZE」はSCE発売だが、ここではサードパーティのビジネスモデルとして考えたいため
サードパーティ製ソフトとして計算している。



利益額はパッケージ版とダウンロード版(追加ダウンロードコンテンツ含む)がほぼ1対1に。
パッケージの販売本数を7万本として計算しているので、利益をすべてパッケージ版に換算すると
約14万本分となる。

データは推定に推定を重ねたもので、参考程度に考えて見てもらいたいが
今後サードパーティがVITA専用ソフトの開発を始める際、その後のダウンロードコンテンツの配信まで含めて、
販売金額および利益額のモデルケースとなるかもしれない。


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2 コメント

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Unknown (じお)
2012-04-16 09:09:28
DL版もメリット、デメリットがあるでしょうが、現状だとパケ版のが店頭値引きとかでメリットが大きいのかな。一応売却もできるしね。
PSPソフトをVITAでできるのがいいのかな。
しかしスパロボは確かパケ版と同額だったような気も。
そういえばパケからデータに移行できるサービスはどうなっているのかしら
Unknown (きゃめ)
2012-04-17 00:59:05
UMDパスポートのサービスは徐々にタイトルが増えとんね。
サービス開始当初から3割くらい増えたけど、増えるスピードは遅い感じ。
MHP3は1200円・・高!

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