【週刊ゲーム市場分析】「7」も100万本突破、リメイク作品で空白を埋めて常に露出する「ドラクエ」シリーズ

2013年02月21日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第82回。予定より1日遅れてすんまそん。
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※前作データ等はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。
※年間販売本数データ等はGEIMIN.NET様よりお借りし、独自集計。
※アニメディスクの販売枚数はアニメDVD・BD売り上げまとめwiki様よりお借りしています。
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■「ドラクエ7」が3DSで最高となる初週83.7万本のスタート

満を持して登場した「ドラクエ7」は3DSで最高となる83.7万本を販売するスタートを切った。2週目までの累計は100.8万本で、「とびだせ どうぶつの森」と同じく2週で100万本を突破している。以下は3DSソフトの初週販売本数ランキング。



また、DSシリーズにおける「ドラクエ」ナンバリング作品のリメイクは「4」より始まったが、「4」と「5」は二度目のリメイク、「6」は初のリメイクという違いはあれど、累計本数は大きくは変わらない。「6」と同じく初のリメイクとなる今作「7」も、「4」~「6」と同程度の累計本数となるか、それとも3DSの普及とともにさらに販売本数を伸ばすかはまだ分からないが、「7」の2週目の本数は「6」と同じ初週の2割程度となっている。


※「7」の2週目以降の本数は2週目のみの本数
※「7」はダウンロード版も同時発売


■リメイク作品で空白期間を埋め、常に露出する「ドラクエ」シリーズ

「ドラクエ」シリーズの特徴のひとつは、オリジナルの本数が大きいこともあるが、今回の「7」のようにリメイクでも大きな実績を残せるところ。ここで、2006~2013年までの8年間における「ドラクエ」シリーズのオリジナル作品とリメイク作品の販売本数推移のグラフを掲載してみた。これはナンバリング作品だけではなく、「ドラクエモンスターズ」シリーズ等の本数も含まれる。



「ドラクエ」シリーズのナンバリング作品は、言うまでもなく、発売間隔が長い。リメイク作品はその間隔を補う役目も果たしてきたが、当然ながらリメイクできる作品数にも限りがあり、本編の空白期間を埋めきれなくなってきていた。そこで、空白を埋めた上で低年齢層も獲得できる「モンスターズ」シリーズがより重要になってきていたが、その「モンスターズ」シリーズのリメイクも、2011年にDS「~モンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル」が累計50万本以上、2012年には3DS「~モンスターズ テリーのワンダーランド3D」が累計90万本以上を販売した。これらタイトルの成功で、「ドラクエ」シリーズは8年連続で100万本以上を販売するに至っている。

「ドラクエ」シリーズが現在も普遍的な人気を誇っている理由として、ナンバリング作品は十分な発売間隔を空けて大作をリリースしつつ、その間をリメイク作品、または派生シリーズ、さらにはそのリメイク作品で空白を埋めて、店頭や雑誌・ネットといったゲームメディアで常に「ドラクエ」ブランドを露出できている事実を外すことはできないだろう。


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