【週刊ゲーム市場分析】年末年始において同様の販売軌跡をたどった「どうぶつの森」2作品

2013年02月12日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第81回。週1回の更新は持続中!
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→今回のファミ通TOP30
※前作データ等はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。
※年間販売本数データ等はGEIMIN.NET様よりお借りし、独自集計。
※アニメディスクの販売枚数はアニメDVD・BD売り上げまとめwiki様よりお借りしています。
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■3DS「とびだせ どうぶつの森」が年明けも好調を持続、DS「おいでよ~」の約1.5倍ペースで推移

年末商戦明けということで有力な新作が少ない中、今回も3DS「とびだせ どうぶつの森」が首位。累計本数は276.7万本に達した。ここでDS「おいでよ どうぶつの森」と販売推移を比較してみた。



3DS「とびだせ~」は今回の集計期間で発売から13週となるが、DS「おいでよ~」の1.4~1.5倍のペースでの販売が続いている。


■年末年始において同様の販売軌跡をたどった「どうぶつの森」2作品

上記2作品はともに年末商戦に投入され、クリスマスを含む週に大きく販売を伸ばしており、似た販売推移をたどっている。しかしDS「おいでよ~」が11月4週発売だったのに対し、3DS「とびだせ~」は11月2週に発売された。ここで集計週を合わせた週間販売推移のグラフを掲載してみた。(DS「おいでよ~」が発売された2005年と3DS「とびだせ~」が発売された2012年は暦が異なるため、12月~1月にかけて集計週の表記は異なっている。)



見ての通り、12月以降はほぼ同じ推移をたどっている。DS「おいでよ~」も3DS「とびだせ~」ほどではなかったが、発売からしばらくは品薄が続き、需要が供給を上回っており、出荷本数≒販売本数という期間が続いていた。3DS「とびだせ~」の品薄については言わずもがな。つまり2作品とも、年末年始にかけての任天堂の出荷計画がほぼ同じだったと言えるだろう。

なお、3DS「とびだせ~」にはダウンロード版もあり、上記のデータ(ファミ通集計)は店頭販売のダウンロードカードも集計されている。そのためROM自体の生産は3DS「とびだせ~」のほうが少なかったことになる。任天堂としては今回はダウンロード版もあるので、少なくとも年末年始のROMのリピートに関してはDS「おいでよ~」を大きく上回る数は必要ないと考えたのだろう。そういったことがほぼ同じ推移をたどる2本の折れ線から読み取れそうだ。

3DS「とびだせ~」は、販売店によってはなおも品薄が続いている。一方、DS「おいでよ~」は、この直後にDS Liteが発売となり、同時購入ソフトとして大きく販売を伸ばしていき、最終的には累計500万本を超えるメガヒットになる。3DS「とびだせ~」の勢いがどこまで続き、DS版の金字塔にどこまで迫れるかはまだまだ見えてこない。


■好調な“コミュニケーション系”タイトル、次のウェーブは「トモダチコレクション」?

かつてDSを大きく牽引した“脳トレ系”タイトルは3DSでは沈黙しているが、同じくDSの主力となっていた“コミュニケーション系”タイトルは好調だ。「どうぶつの森」以外にも「牧場物語」「ルーンファクトリー」はDSの前作以上の販売を見せ、この年末商戦では「ファンタジーライフ」、ロングセールスとなった「こびとづかん」もこのジャンルに含まれるだろう。「nintendogs」も今のタイミングなら数を伸ばせるのかもしれない。そうなると、同ジャンルでDSでブレイクした「トモダチコレクション」も、3DSを大きく牽引するタイトルとして期待が持てるのではないだろうか。


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