「電気的音楽講座」は"Foto Musik"の制作風景を4日間で放送されたもので、情報の少ない時代、最先端の現場を垣間見ることが出来て大変感動しました。(XTC~ヒューパジャムのゲートエコードラムは、業界に膾炙しましたね...)
現在はパソコンのDAW上で、マルチトラックでテンポもキー変更でき、音源差し替え、Vocalの音程修正までも自由自在となっていますが、この頃は、MC-8というテンキーで打ち込むシーケンサーの同期信号をベースに人間と協奏していた時代。私もMC-4を持っていましたが、データのセーブ・ロードはアナログテープで一倍速!ライブで渡辺香津美さんギターソロが長大なのは、データロード時間を稼ぐためだったとか・・。
さすが坂本教授で、曲の構成、完成像がしっかり出来上がっている。音源もプリセットやサンプリング以前ですから、アナログシンセProphet5(170万円!)一台で音色をつづれ織るテクノ・マエストロでした。
Ryuichi Sakamoto - Sound Street '81 - 電気的音楽講座
いまやBBやECもDAWを使う時代。共演と言ってもネットで演奏データをやりとりして編集するのですから音楽が一層パッチワーク化しています。音符の合間に立ち現れる音楽のゲシュタルトも変質しているはずなのですが・・。
今後、いくらレコーディング技術の自由度が高まっても、4トラック2台をシンクロ、ピンポン録音したSgt.Pepperを凌駕できるかは別問題で、制限された自由、偶然が生む意外性は生まれにくいでしょう。むしろPaulやTodd、Mike Oldfieldのような人的多重録音作品に期待したいですね...。
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