今年の新入社員は「カーリング型」だそうだ。
社会経済生産性本部の分析。冬の新しいスポーツ、カーリングのように「育成の方向を定め、そっと背中を押し、氷をブラシでこするように周囲は働きやすい環境作りに心を砕く。少しでもブラシの手を休めると、減速したり停止しかねない」とか。
「超」がつく売り手市場で、お客様扱いをしてきただけに、入社後も引き続きお世話が必要ということなのか。テレビ局の入社式に小島よしお、くりぃむしちゅーらが登場したほか、キリングループでも女優が飛び入り。新しいCMを大々的にPRする戦略の一環で、約400人の新入社員はサプライズを喜び、大いにわいたという。
そんな入社式のニュースを見て丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長の言葉を思い出した。
「新入社員に給料を出すのが、どだい間違っている。こっちが授業料をもらって、ちょうどいい。仕事はできないし、逆に教えてあげているわけですから」。ある会合で同席した丹羽さんは持論を語った。「若い人にはビシビシ厳しいことを言って、がんがん鍛えないと、会社も日本もほんとにダメになる。ただし、根底に愛がないといけませんよ」とも。丹羽さん独特の、ある意味乱暴な言い回しだが、経営者や上司の本音はこちらに近いのだろう。
実は、カーリング型との分析も締めは辛口だ。
「就職は楽勝だったかもしれないが、経済の先行きは一気に不透明。自分の将来は、自らの努力で切り開いていくという、本人の意志(石)が大事になるだろう」
毎日新聞 2008年4月4日 0時26分