毎年、五月を半ばも過ぎる頃には、ここ北信地域でも縄張りを確保したツバメさんたちが一斉抱卵に入る。一番巣立ちは早い子では6月10日前後、一番遅い巣立ちは私の確認した限りでは9月14日だった。今年は他の場所ではどこも飛来が激減、空き巣だらけの状態だが
、私の住んでいる約半径300メートル内での毎年確認している古巣には今年もすべての子達が帰ってきている
。嬉しいことだ
。
こちらもほとんどのメスが巣に篭もり始め抱卵開始だ。
抱卵中、メスツバメさんは食事以外は常に巣に入る。それぞれの番によって違うのはオスツバメの行動だ。メスツバメが食事に出かけると交代で巣の中に入ってほんの少しの間抱卵の手伝いをしているオスツバメ。 巣の中には入らないが、とりあえずは巣の渕に止まって卵の番をしているオスツバメ
。巣をほったらかしにしてメスツバメにくっついて行ってしまうオスツバメ
・・・人間の子育てにもあてはまるかなぁ・・
巣の中で、メスツバメさんはこまめに嘴と羽でで卵を転がして動かしながら位置を変えては、まんべんなく均等に温めている。これはツバメさんに限らずどの野鳥もそのようにして抱卵しているようだ。カラスなどは普段オス、メスの見分けはつかないが、この時期抱卵をしているメスの胸からお腹のあたりが白茶けてしまっているのでよくわかる。羽もずいぶん傷んでしまうようだ。どの鳥たちもメスの抱卵中の体力消耗は大変なものなのだろうなぁ
・・これもやっぱり人間の妊婦さんに当てはまるのね・・
抱卵中のメスツバメさんたちの画像です。同時にいろんな場所での様々な巣の形があることがわかりますね。
Aは 「道の駅」のお手洗いの入り口に毎年作られているんです。外から丸見えなのでカラスにいつ襲われてしまうかヒヤヒヤものですが、なぜか毎年無事に巣立ってくれています
。このあたりの縄張りはハシボソカラスなのかもしれませんね
Bは大町市商店街の看板掛けの鉄棒に器用に作られた巣。崩れやすくて毎年途中で巣が落ちてしまうことが多いのです。
Cは「道の駅」の軒下です。いくつもの巣があり、巣の落下はありませんが、蛇とスズメによる被害が時々・・・
Dは白馬駅前のお土産やさん「白樺」さんのテントの中の巣。毎年お店の方々の暖かい見守りで去年からはカラス対策もばっちり。幸せ物のツバメ夫婦です。
「白樺」さんのツバメさんへの愛情は
こちらから 白馬ツバメお土産屋さん白樺
Eも、大町商店街の鉄棒の巣。こちらはこの年半分壊れかけた状態で、なんとか巣立ちまで成功しました。
Fは、白馬駅のライトに毎年作っていたものです。ライトの熱で卵が温泉卵にならないか心配でしたが、毎年元気に巣立っていました
。このライトは去年の秋に取り払われ、なくなってしまったのでこのユニークな巣はもう見られませんね・・
G、大町商店街の電球の巣、なぜかお気に入りらしくいくつもの番が店舗の電球にこうして巣を作りますが・・・これも途中で崩れ落ちてしまうものが多くて・・・ちなみにこの電球のライトは使われていませんので温泉卵にはならないのですね
Hは、名物スピーカーの巣。週末には音楽がずっと流れているのにツバメさんたちは気にもせずここに巣を作り子育てをします。ところが・・・「絶対安全」神話がここ何年かで崩れてしまいました。カラスがこのスピーカーの巣を襲うことを憶えてしまったのです
。今年はなんとかカラスから守りたいと、商店街の皆さんがおっしゃっていました
。
こうして画像を見ていると、それぞれのメスツバメさんが一生懸命抱卵しています巣からはみ出ている燕尾の先がなんとも愛らしくて
・・・この子達を見ながらしみじみと・・「お母さんなんだね
・・・」 と・・・妙に感動してしまう白馬ツバメなのです。
そしてそして最後に・・・
頑張ったけれど力尽きてしまったこの子の画像を・・・・