わが家の食育…「お家で作ろう! 食べよう!」

家族の健康づくりは、わが家で作る食事から…。信濃毎日新聞発行「週刊さくだいら」「週刊いいだ」特集掲載をまとめます。

女性加工グループ、そのぬくもりの味

2011-09-10 | 農と食をつなぐ…農産物の加工で豊かな食



農と食をつなぐ…農産物の加工で豊かな食 Part2 

                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2011.9/8号掲載>

さまざまな作物が収穫のときを迎え、農産物の加工施設は製造の最盛期です。
東日本大震災から約6ヶ月が過ぎ、暮らしや意識を変えなければ、と思っている方も多いはず。
今、注目したいのは「女子力」。どんな時代にも、状況に合わせて生きる環境を快適にしようとしてきた力…それが女子力です。
地域の暮らしに密着してネットワークを活用する女性加工グループに目を向け、母性の集結ともいうべきその活動に触れてみました。

                      
女性加工グループは地産地消の担い手
地産地消の推進は、自然との共生、農業振興、食文化の伝承、地域の親睦などの様々な側面を持っています。
地産地消の推進の貢献しているのが、女性加工グループの皆さん。
苦労が多くても生き生きしている姿は、個々の生きがいを得ながら、日々の暮らしの中での活動に無理なく身を置いているからなのでしょうか。

………地産地消は危機管理のひとつ………
グローバル化による企業の大生産、集中製造が進んだ現在。東日本大震災によってそのスケールデメリットを知らされました。
流通網が遮断されると食糧確保が危うくなる現実を目の当たりにし、地産地消の大切さと、地域で対応できる底力をつくることが危機管理として求められています。
震災時の女性加工グループの活躍も、日頃の活動の延長線上にありながら、その存在意義が自然な形で表れたものでした。


スタンプを集めて「商品券」をゲットしよう

地産地消の店スタンプラリー実施中
佐久市では、地産地消を推進するために、佐久ブランド(市産品)を扱う販売店や飲食店などの事業所を「地産地消推進の店」に認定しています。
店頭に旗印のある推進店(現在市内46店)を広く知り、利用してもらうために、スタンプラリーを実施しています。
 ■賞品/スタンプ3店舗分…2千円分の商品券を20名
    スタンプ9店舗分…1万円分の商品券を3名
 ※ダブルチャンス…抽選に外れた中から30名に千円分の商品券

■応募方法/推進店で千円以上の買い物または食事をして、応募用紙にスタンプを押印して集めます。(1店につき1個)
応募用紙配布、応募先ともに、推進店、市役所農政課、各支所経済建設課。

■実施期間・応募締め切り/10月31日(月)まで。

■問い合わせ先/0267・62・3203 佐久市農商工連携地産地消推進協議会事務局(市農政課)


望月駒の里バリューアップの会(佐久市)  
駒の郷望月(旧望月町)の特産品を開発するために望月駒の里バリューアップの会が組織されたのは1992(平成4)年。
当時は、農水省が施策の中で、農林、水産業に携わる女性に「女性起業」という言葉を使い、ビジネス化の支援を始めた時期にあります。
時代の流れとともにその後約20年間、地域で親しまれるお漬物「駒ちゃん漬け」「こま姫漬」など6種の製造を続けてきました。

地産地消推進の店に
「地元の野菜を使い、添加物を使わない漬物」が当会のモットー。
お盆過ぎると、地元の農家から新鮮な白ウリやキュウリが加工所に届けられ、漬物という付加価値が付いた形で販売されます。
調味料もできるだけ地元製造のものを使い、酒粕は地元酒造会社製を惜しみなく使って漬けています。
佐久市との合併により販売店も増え、佐久市農商工連携地産地消推進協議会の「地産地消推進の店」(加工部門)にも、このほど認証されました。


当会の女性18名は、それぞれが仕事を持ち、必要なときに集まる仲間。
額に汗して大量の重い漬物の作業をする姿は、家族や地域のためにひたむきに働く昔ながらの女性像です。
長年、地域の農産物を加工して地域に提供する活力を支えてきたものは、地元を愛する心と地域の人々の親睦と感じさせられます。


本格漬けがおいしさの理由
駒ちゃん漬けのおいしさは、パリッとした歯ざわりのよさ。おいしい漬物に欠かせないその条件を生み出す秘訣は、塩分と二度漬け、塩抜きのコツにあります。
大量の漬物をわが家の味に漬ける“加減を知った”技術は、20年に及ぶベテランの腕。後継者育成とともに、次世代への変わらぬ味の伝承をかなえてほしいものです。


同じ水で育ったものを食べることを勧めることば「身土不二」。蓼科水系の軟水で育った野菜と、酒造りから生まれた酒粕による漬物は、まさにふるさとの味、健康な食です。


身の厚い白ウリは、まず塩漬けにして、水が上がるまで7℃に管理された冷蔵庫に保存されます。塩抜き後、余分な水を自然に取り除きたっぷりの酒粕に漬けます。


今季の製造が出来次第販売します。【販売店】JAしらかば店(望月)、菜ないろ畑、こまがた、浅科道の駅など。

信州味の里とうみ(東御市)
東御市は、果樹、野菜、畜産などの農作物が豊富な地域です。その豊富な農産物を加工して地元の皆さんに提供したいという農家の女性たちの想いを実現させたのが、東御市農産物加工組合の設立でした。

地域に知られる「みまき豆腐」の製造元で、東信地域の女性加工グループの先駆けでもある北御牧村味の研究会(同市)の指導を仰いで豆腐製造に着手。
「とうみ豆腐」の発売からさらに、総菜、味噌、漬物、ジャム・ソース類の各分野で幅広い商品を生み出しています。
平成16年発足という地域では比較的新しい加工グループですが、営業努力により、様々な販路を展開しています。


地域の農業と消費者に密着
規格外品の加工で地元の農業に貢献し、土産品として観光や農産物のPRに役立て、弁当や惣菜は地域の食を豊かにするといった小回りが利く、地域密着型の運営で地産地消を進めています。
保存料無添加ですから衛生管理が第一。
毎日の作業が惰性にならないために「日常の五心」や注意事項を貼って日々の確認作業をし、約30名の女性が初心のモチベーションを守り続けています。
   TEL 0268-64-1033



ふるさと味の会「豆腐製造グループ」(佐久穂町)
佐久穂町佐久中央小学校近くにある豆腐製造施設は、1996(平成8)年に農産物研究開発施設として地元産の農産物の加工を目的に作られました。
現在は、一般公募で選んだ親しみのあるネーミングの豆腐の製造に力を入れ、地元にある「おいしい豆腐屋さん」を目指しています。
町内のできるだけ多くの家庭で食べてもらいたいのがメンバーの女性7人の願い。
まちの駅、マツヤ南佐久店で販売するほか、町内の企業や家庭からの注文には1丁から個別配達を行っています。
  

地元で大豆栽培を増やしたい…
地元産大豆を地元で消費する、という理想的な地産地消のために、この加工所は大切な役割を果たします。
良質たんぱく源としても日本食に欠かせない豆腐。
おからは、小海町に本店のある「高原のパンやさん」の「ごはんパン(おから)」に利用されています。
地域の人々の健康を、農から食の連携で守ることが、命を育てる女性の熱い思いでもあります。
  
当会では、来年度の地元大豆生産者を募集しています。


パッケージが新しくなった「こりゃうんめ~や」。長野県推奨大豆「ナカセンナリ」と「本にがり」のみでつくった木綿豆腐です。甘みとコクのある味は、冷奴や湯豆腐にするとその味の違いがわかります。
  
  【豆腐の注文】月・水・金曜日製造。施設直売午前10時~午後2時
TEL0267(86)2533 
       ※注文は9時より。町外の注文も状況に合わせて受けます。
   来年度、地元大豆生産者募集中!



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