わが家の食育…「お家で作ろう! 食べよう!」

家族の健康づくりは、わが家で作る食事から…。信濃毎日新聞発行「週刊さくだいら」「週刊いいだ」特集掲載をまとめます。

「長寿のためにぴんころ食を」

2012-09-07 | 農と食をつなぐ…健康で暮らすために 

  農と食をつなぐ…健康で暮らすために Part2  

                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2012. 9/ 6号掲載>

 
昔から、還暦を過ぎると、年齢の節目の「賀寿」(喜寿、米寿など)に長寿を祝います。
100歳過ぎても健康な高齢者の皆さんを見習い、自分の生活機能を出来るだけ残して天寿を全うしたいものです。
身体の機能の衰えを防ぐ運動や食生活によって老化速度を遅くし、それを毎日繰り返すことで健全な老いを手に入れましょう。 
  
理想的な長寿
「ぴんぴん健康に日常を暮らし、ある日、コロリと人生を終える…」。そんな最期が望まれています。
健康な長寿への願いは、幸せや生きがい、役割が増えるほど大きくなります。
限りのある命を自分らしく全うするために、まずは、健康な長寿を手にする要素を知りましょう。

身体と脳のバランスよく老いる
寝たきりや認知症を避けることが、健康な長寿の目指すところ。
身体と脳がバランスよく老いて、自然に加齢を受け入れていけることが理想的です。
自分の意思で、年相応の行動ができる高齢期を過ごし、人生を悔いなく全うしたいものですね。

寿命を左右するもの
身体は年齢と共に自然に老化していくものですが、食事や運動、そしてメンタル(心の持ち方)によって老化速度を変えられます。
免疫機能を失わないことで、様々な細菌や病原菌から体を守り、健康生活を阻む生活習慣病を予防することが大切。
生まれたときからスタートした寿命ですが、自分の暮らし方がその「長さ」と「質」に影響を与えることになります。
けがなどの外的要因で健康を阻むこと避け、病気は予防を心掛けて、寿命を守りましょう。

歯の健康
80歳になっても20本の歯を持とう、という「8020(はちまるにいまる)運動」があります。
口腔機能が健全なことは、おいしく食べる、会話を楽しむという“生活の質”が保たれるだけでなく、噛む能力が衰えず、脳がその刺激で活性化します。
また、唾液の分泌が認知症の予防、消化機能の向上、歯周病や肥満予防、筋力・視力・免疫力などにも役立ちます。 


運動
生活習慣病予防のための一日の理想的な歩行数は1万歩ですが、男女ともに平均値はその目標に達していないとか。
家庭菜園やガーデニングなども適度に交え、毎日身体を動かす習慣づくりが大切。
スキーのポールを杖にするポールウォーキングなどで無理なく歩き、代謝を良くすることも勧められています。


生きがい
自分の居場所と役割を持つことが長寿への道。
目標や希望、楽しみが生きる張り合いになり、前向きに生きる力が沸いてきます。
充実した時間を持つこと、メリハリのある暮らしなどが全身の機能の活性につながることでしょう。


農業は生涯現役
伝統野菜を作って、食べて…
「三里四方の食」といわれ、地産地消の作物は、生産することも食べることも体に良いものです。
昔から地元で栽培されている地方品種は、高齢の栽培者にも栽培しやすく、県内でも各地各々の「信州の伝統野菜」が栽培されています。
佐久市では、昨年「佐久古太きゅうり」が県で伝統野菜に選定され、生産拡大のためにさまざまな取り組みをしています。

志賀地域・春日地域で昭和20年もしくはそれ以前から栽培されていました。

 

米ちゃん弁当
出来るだけ地元産の旬の素材を使い、健康と安全を考えた手づくり弁当を在宅高齢者の皆さんに届けています。
「独りぼっちにならない、しない」…ふれあいのお弁当です。

佐久古太きゅうりの「肉巻き揚げ」「からし漬け」
   (豚ヒレカツ、カボチャのサラダ、モヤシの中華和え、スイカ)

 

長野県高齢者生活協同組合佐久、味工房「米ちゃん弁当」(佐久市田口)は、尾花隆さんと栄養士の市川信子さんを中心に現在6人のスタッフで運営されています。
米ちゃん弁当は、食事づくりが困難な高齢者の栄養障害や孤立を防ぎ、住みなれた地域で安心して明るく生きるための支え合いネットワークのひとつ。
昼食と夕食を届けることで高齢者に寄り添いながら暮らしを見守っています。
いろいろな野菜を使った総菜は、毎日食べても飽きなく健康的。
地域包括ケアシステムの一環として、これからの活動が期待されます。

 

「健康長寿は食にあり」
健康優良県を平均寿命と医療費、高齢者の就農率などで示している長野県。
高齢化率27.1%になり、漬物などの加工品による塩分の摂取がありながら元気な長寿を支えてきた原動力には、農業県の素地と、県民の健康づくりへの熱意があります。

長野県では、県民の健康な長寿のために各組織で目標を立て、さまざまな取り組みをしています。
食に関しては、長野県食生活改善推進協議会が各市町村の関係者が世代ごとの食育を実践し、
健康づくりを推進する取り組みをしています。

佐久市では、同市食育推進計画として「ぴんころ運動推進事業」を展開し、栄養士の指導と併せ、地域の食文化と食材を取り入れた長寿のための食事「ぴんころ食」を提案しています。
生活習慣病が増え続ける中で、予防医学の見地から健全な食生活への意識の向上は欠かせません。
食生活改善推進協議会の食生活改善推進委員(ヘルスメイト)が、それぞれの地域で食の情報を普及する活動の一つとして、県栄養士会佐久支部が開発した「ぴんころ御膳」を勧めています。

 


ぴんころ御膳
季節ごとに地元食材を取り入れた低カロリーで塩分控えめの献立です。
家族の健康な長寿を願い、毎日食べる家庭料理で健康管理をするための献立例です。

【8月ぴんころ御膳】 ごはん、ささ身のカリカリ揚げ、せん切り野菜の中華風サラダ、佐久古太キュウリのスープ、 白玉のずんだ和え

 佐久市の食生活改善推進委員(通称、食改さん)は、なんと189名。
市を7地区に分けて毎月行われている伝達講習学習会では、食改さんによるぴんころ御膳の調理実習があります。
8月は、地元の「佐久古太きゅうり」をスープに。
何気ない家庭料理でありながら、おいしく、楽しく食べる工夫を伝え、地域の健康レベルを上げる基になっています。


   
佐久市では一年に一度、「ぴんころ御膳料理コンテスト」が一般公募で開催されています。
昨年は、中込地区の食改さんでもある早川道恵さん(写真)が優秀賞に選ばれました。
今年は、9月7日(金)締め切り、書類審査。10月6日(土)調理による二次審査で試食の上、選考されます。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   もくじ

かんたんクッキングEX

かんたんクッキング 

ブログ}春夏秋冬いつもそよ風

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする