わが家の食育…「お家で作ろう! 食べよう!」

家族の健康づくりは、わが家で作る食事から…。信濃毎日新聞発行「週刊さくだいら」「週刊いいだ」特集掲載をまとめます。

消化・吸収・代謝を知ってデトックスを

2012-11-14 | 農と食をつなぐ…健康で暮らすために 

 

農と食をつなぐ…健康で暮らすために Part3  

                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2012. 11/1号掲載>

飽食の時代、長寿の時代といわれ、食べるものや暮らしぶりが多様化している現代。
健康な老いを意識する一方でインスタント食品やジャンクフードが増え、生活習慣病が問題になっています。
体の機能を健全に働かせるためのメカニズムを知り、食べるものを意識して選ぶことが大切です。
そこで、食べて排出する食品の循環サイクルと、機能性が高いとされる旬の「キノコ」や「ヤーコン」をご紹介します。
 

食物酵素を食べて、食物繊維で排出する
食品の栄養を体内で消化し、その栄養素を吸収して身体の組織細胞やエネルギーに変える過程には、「酵素」の存在が不可欠です。
酵素を有効に働かせるポイント
【代謝酵素】体温を上げて活性化する
【消化酵素】よく噛んで唾液の分泌をよくする
【食物酵素】食品から摂る
 
「浄化」デトックス
体温を上げて酵素の働きをよくすると、解毒作用が高まり、血流(血液流動性)がよくなることで、血液サラサラになります。
この浄化作用が、免疫力や自立神経にも有効に働き、うつ病や肥満の防止にもつながります。

「排出」デトックス
酵素の働きで食物を十分に消化し、不要物や毒素を体外へ排出する腸の働きや肝機能が健全になると、全身の生態機能が改善されます。
食物繊維を含む野菜や寒天、こんにゃくなどが排出機能を助けます。

老化防止は、体内の浄化から
身体の機能を健全にするためには、新陳代謝の活性や細胞の老化防止が大切です。
対策は「抗酸化」と「抗糖化」。
体内毒素の発生を抑える食事の摂り方を知り、生活習慣の乱れで病気を引き起さないよう、食べ物を選ぶ意識づくりを。

抗酸化  
老化の原因は、活性酸素による細胞の酸化。
特に、活性酸素が脂肪と結びついて過酸化脂質になることを避けるため、抗酸化食品を食べて活性酸素を抑えることが第一です。

抗糖化  
糖とたんぱく質が結びついた「糖化」が体脂肪の燃焼を妨げ、肌の老化や内臓脂肪に蓄積につながります。
骨粗しょう症や糖尿病などの生活習慣病の誘因にもなるため、食後の血糖値急上昇を抑えるために、食物繊維を先に食べる食事法や血糖値が上がりにくい食品(低GI値)を選び、糖化した加工食品(小麦粉に砂糖を加えた焼菓子・揚げ菓子など)に気をつけるようにします。


菌食「マイコファジイ」のすすめ
地球上の生物は、動物・植物・微生物の生命連鎖(食物連鎖)で成り立っています。
最近、健康食として注目されている発酵食品は微生物が豊富。また、菌類のキノコも微生物に分類されます。
たくさんの種類の酵素を含む菌類は代謝を助け、特に、酵素なしでは機能できないビタミン・ミネラルの働きを助けます。
毎日、意識して菌食を取り入れるマイコファジスト(菌食者)になり、理想的な健康体をつくりましょう。


世代ごとの理想的な食生活
世代ごとに好ましい食事の摂り方があります。
高齢化が進む中で、未病に気づき、医療費の削減につながる予防医学が求められています。
食物と、それぞれの世代に合わせた食べ方を知り、自らの食習慣を見直すことで一生の健康を手にしませんか。

■育ち盛り
成長期は身体の基礎を築く世代。
バランスのよい食事を摂り、新しい食材との出合いの機会を多くすることで味覚が育ちます。
身体のためになる食材を選ぶ学習は、一生続くもの。
学校給食は献立づくりの基本となり、地元の食材や機能性のある食材を知ることで、環境を身近に感じ、その恩恵に気づきます。
食材や食べ方を細やかに伝え、食事の大切さを身に付ける大切な時期です。

佐久市唯一の自校給食を行う佐久城山小学校での「ヤーコン」料理の献立。食材の紹介をして、「かき揚げ」で食べました。

■働き盛り
壮年期と中年期は、ストレス世代。食習慣の乱れが体調を崩す引き金になります。
規則正しい腹八分の食事と空腹時とのメリハリが大切で、そのリズムが自立神経をバランスよく働かせ、身体を活性化します。
生活習慣病の予防が最も大切な世代。
食生活と身体を見直す自己管理能力を習得することが、老後の健康を左右します。
肥満、骨粗しょう症などを予防や、脂肪、塩分、糖分、食物繊維などへの関心を持ちましょう。

■高齢者
野菜中心の食事が増える世代。タンパク質の不足による低栄養が問題化しています。
食べる量が減る分、質の良い食事が望まれます。
高齢者の肺炎や、それにつながる歯周病は免疫力の強化で予防を。
おかずを中心にいろいろな食材を食べ、水分の摂取や、酵素と食物繊維の働きで消化機能をよくする努力を。                                                                                          
 

次々に発見される健康効果
エノキタケ
低カロリーでビタミンB群、食物繊維が豊富。
干すとビタミンD増加するなどで、その栄養価が知られていましたが、機能性の研究が進み、キノコキトサンの中性脂肪低下作用や糖たんぱくのガン抑制作用も報告されています。
抗酸化作用はレモンの10倍。さまざまな成分の研究がさらに進めば、いろいろな効果が実証されそうです。

乾燥えのき  
エノキタケリノール酸が内臓脂肪を減少させる効果で話題の加工法。
2時間天日干しにしたエノキタケを7~8分からいりして水分をとばし、細かく茶葉にして95℃の湯で30分抽出すると効果大とか。
サキイカのような食感で、つまみ、料理にも。                                                         
えのき氷    
エノキタケ300gと水400ccをミキサーでペーストにして、火にかけ、焦がさないように
1時間煮て冷まし、冷凍保存。毎日の料理に加えて摂取します。                                 キノコに含まれるうまみ成分はグアニル酸で、三大うまみ成分のひとつ。味噌汁、スープ、煮物どんな料理もだしの効果でおいしさアップです。

 

知る人ぞ知る機能性食品    天然のフラクトオリゴ糖を大量に摂取できます
ヤーコン  
「低カロリー」と「機能性」が身上のヤーコンは、塊根と葉それぞれに健康効果があります。
NPO日本ヤーコン協会は、現代病を改善し、健康づくりに貢献する作物として研究・普及を進めています。
塊根…腸内のビフィズス菌を増やし、ダイエット、コレステロールや血糖値、血圧の低下に効果的。
きんぴら、漬物、炒め物、和え物など料理用途は万能です。
…血糖値上昇の抑制作用が、お茶で飲み続けると生活習慣病の予防に効果的。
強い抗酸化作用をもつ物質も含まれるため、ガン抑制効果が期待されています。


ヤーコンの農業体験
佐久市臼田のヤーコン品種試験農場では、形状や収量などで長野県に適した品種の試験栽培をしています。
無農薬無化学肥料が適し、1株からたくさん収穫できるヤーコンは、家庭菜園に揃えたい野菜です。
栽培を知り、機能性を学んで食べるヤーコンの体験学習を、毎年、臼田小学校5年生が実施しています。
今月中旬には収穫の体験学習があります。

                                               春の畝づくりと定植作業。ヤーコンの説明をし、鍬(くわ)の使い方を指導する高橋正輝氏(元県野菜花き試験場佐久支場長)。

 
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