わが家の食育…「お家で作ろう! 食べよう!」

家族の健康づくりは、わが家で作る食事から…。信濃毎日新聞発行「週刊さくだいら」「週刊いいだ」特集掲載をまとめます。

新調理法で春を祝おう <ジャー炊飯器編>

2010-12-13 | 「料理を楽しむ」シリーズ
                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2007.3/1号掲載>


炊飯器は日本ならではのこだわりの調理器具です。
主食のご飯をおいしく食べることへの追求から生み出された炊飯専用器具。それは日本の食文化を極めるために発達した、食文明の理想的な開発の姿です。
丹精込めて育てた作物をおいしく食べる最終仕上げは調理。炊飯器の特長を活用する発想の転換から、新しい調理の楽しさを発見してみましょう。


「かまど」から「ジャー炊飯器」ヘ
初めチョロチョロ、中パッパ、赤子泣いてもフタとるな。
昔、かまどで炊くご飯の炊き方は、火加減の技術の習得でした。
ご飯の甘さと粘りと香りを引き出すための上手な炊き方。経験が生み出す火加減と圧力と蒸らしによって究極のおいしさを極めています。

高度成長期から電気炊飯器、保温機能がついた電子ジャーが次々に開発され、今の主流はIH(電磁誘導過熱)ジャー炊飯器。銅やアルミニウム等の内釜全体をIHコイルの磁力線で発熱させて強い火力を生み出すもので、メーカー毎においしく炊くための要素(圧力・土鍋・本炭・スチーム)を取り入れた製品を揃えています。

ジャー炊飯器とごはん
数年前の国民生活センターの調査では、おいしさの評価は銘柄米のIHジャー炊飯器による炊飯が高く、ご飯を12時間保温後の栄養損失はビタミンB1、ビタミンEともに変わらないものの、おいしさの評価は大きく低下するとか。
ご飯をおいしく食べるためには、保温より温めなおしがベスト(省エネにも)。
水の残留塩素は蒸発するため心配なく、無洗米は水の量を少し多めに。

炊飯器調理のポイント
最近は調理用の内釜が別に付属されている炊飯器も販売されています。
中フタが取れたり、使用後はきれいに洗いやすい炊飯器を使い、3合・5合炊き共に炊飯以外は半量~2/3量以上入れないことが大切。
次の特長を生かすと活用の幅が広がります。
1.水分が無くなるまで加熱される
2.火力が強く、蒸らし機能付
3.圧力釜のように中まで加熱
   
ひなまつり、お彼岸…、お祝いの定番メニューを
炊飯器のスイッチを押すだけ。
ふっくら蒸らす機能が、手間を省いておいしさをつくります。


三色ドームケーキ 
■ケーキのスポンジ台作りのポイントは、卵の泡立てと温度調節。
卵白をしっかり泡立てて、粉を手早く混ぜたら、あとは炊飯器にお任せです。
1.薄力粉(90g)をふるっておき、卵(3個)は卵白と卵黄に分け、卵白を泡立てる。
2.1に卵黄とグラニュー糖(90g)を加えてさらに泡立てる。
3.2に①の薄力粉を2~3回に分けてさっくりと手早く混ぜ、湯せんで溶かした無塩バター(30g)を混ぜ、周りにバターを塗った炊飯器に流し入れて軽くトントンと落とし中の空気を抜く。(炊飯器の底に丸く切って周りに切り込みを入れたオーブンシートを敷いておけば焦げにくい)
4.スイッチが切れるまで加熱し、竹串を刺して確かめる。生の種がついてきたら数分再加熱する。
5.4を取り出して乾いたフキンをかけて冷ます。あとは、赤、緑に薄く色づけした生クリームで飾る。

■アーモンドスライスを敷いたり、チーズケーキにはクラッカーを砕いて敷くと、そのまま焼けます。
内釜に水を入れ、耐熱容器や紙コップでカップケーキやプリンなども蒸しあげて。


お赤飯
お祝いに欠かせない赤飯は、手作りで。
もち米(2カップ)を洗って水に浸しておき、炊飯器に水を切っていれたら、あずきの水煮(約120g)を汁ごと加え、炊飯器の水加減表示量よりやや少なく(2カップ弱)水を足します。あとは白米と同じに炊き上がります。
加えて炊くだけの手軽な赤飯用あずきの水煮が、缶詰、密閉パック入り等で市販されています。


おはぎ
■お彼岸に揃えたい三色おはぎ。
意外に簡単で、手づくりの定番になります。

※もち米と白米は3対1の割合で量り、白米と同じ水加減で2時間位浸水して炊きます。
保温になったら15分程おき、ボールに移してすりこぎで半つぶしにして小さめに丸め、
あずきあんで包み俵型にします。
【あずきあん】あずきの水煮参照
【ゴマあん】黒ゴマをいってすり鉢で油がでるまですり、砂糖・塩を加えたもの。
【きなこ】芯にあずきあんを入れて握り、きなこと砂糖をまぶします。



   
あずきの水煮
■あずきの赤は邪気を払う色として、祝い事の食べ物とされてきました。
 普段もゆでておくと重宝です。

あずき(150g)はアクを取るために、鍋に入れて浸る位の水を加えて5~6分煮てザ
ルに上げて水を切ります。
それを水(450cc)と一緒に炊飯器に入れて白米と同様に加熱。40~50分で炊き上がります。保存は冷蔵庫で。
抹茶ケーキや蒸しパン、砂糖を加えて煮れば、ぜんざい、羊かん等々、煮上げて“あずきあん”にも。


和・洋・中華、ご馳走料理を簡単に
旨みを閉じ込め、焦がさず中まで火を通す機能は大活躍!
炊飯器は大小2台揃えると便利。


ミートローフ
■低予算でご馳走感のある料理です。作り置きできるのがうれしい。
デミグラスソースやホワイトソースをかけて…。
1.みじん切りタマネギ(約2/3玉)をよく炒めて冷まし、生パン粉(60g)はの牛乳(50cc)に浸しておく。
2.牛豚合挽肉(500g)に1と卵(小1個)、塩コショウ、ナツメグを入れてよく練り、グリーンピース、ニンジン、コーンなど好みの具を混ぜ込む。
3.炊飯器にバターを塗り、空気が入らないように2を詰めて入れ加熱する。約40分で出来上がり。竹串を刺して透明な汁がでれば、火の通りは中までOK!



パスタ
■パスタはゆでる手間が…、という時、これは便利。
少しやわらかめでもおいしい平打ちのフィットチーネやペンネに向いています。
※炊飯器に水(2カップ)を入れて加熱し、沸騰したらフィットチーネ(200g)と塩(小さじ1/3)を入れてフタをして12分加熱。やや固めなのを確認して①のスイッチ
を切り、すりおろしたパルメザンチーズ(または粉チーズ40g)、生クリーム(150
cc)、バター適宜を混ぜて卵黄を入れ、フタをして2~3分蒸らし塩コショウで味を調える。

カニ玉
■カニ缶詰を丸ごと入れたふわふわの卵に、あつあつの甘酢あんをかけるだけのスピード料理。一度作って、芯の半熟加減の時間を覚えるとおいしさの腕が上がります。

・卵(5個)を割りほぐし、カニ缶(90g)、グリーンピース、細切りニンジン・タケンコ、長ネギ、シイタケなどの野菜を加えて、炊飯器で加熱します。
※甘酢あんは、酢・砂糖(各大さじ2)、しょうゆ(大さじ1/2強)、トマトケチャップ(小さじ1)、鶏ガラスープ(100cc)を煮立てて、仕上げる直前に片栗粉でとろみをつけます。


使い方いろいろ……日常で活用
炊飯器でごはんの水分が無くなるまで保温してしまったことはありませんか。
硬くなったごはんをおいしく食べる方法は、水を加えて再加熱。大目の水でおかゆ、具を入れて味をつければ、栄養たっぷりの「おじや」になります。



おじや 
薄切りのダイコン、ニンジン、ちりめん小女子(ジャコ)等の具と、酒・塩・しょうゆ(各適宜)を入れ、お吸い物程度の味加減にして炊きます。めんつゆでも可。 


  

豆腐蒸し 
豆腐をザルやフキンにのせておき、十分水切りしたものをボールでほぐします。
鶏ひき肉、薄切りレンコン(または、ささがきゴボウ)、ニンジン、長ネギ、ギンナン、長イモのすりおろし(少々)、おろしショウガ、しょうゆ、塩コショウを加えて練り、炊飯器に入れて加熱。
保温になったら火の通りを確かめて取り出し、皿に盛ってとろみをつけた和風味のあんをかけます。
  
コメント
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