わが家の食育…「お家で作ろう! 食べよう!」

家族の健康づくりは、わが家で作る食事から…。信濃毎日新聞発行「週刊さくだいら」「週刊いいだ」特集掲載をまとめます。

かしこく食べて、達者で長生き

2008-02-23 | 「料理を楽しむ」シリーズ
          週刊さくだいら特集 料理を楽しむ Part
              2006年9/14号掲載
高齢化時代の中で誰もが望むものは、最期までいきいき矍鑠(かくしゃく)と生きられること。
認知症や寝たきりを防ぎ、心身ともに健康で自立した日常生活をするために
私たちに出来ること、それは病気や老化の予防と、老化のスピードを遅らせ
る食生活への努力です。

加齢(老い)と食生活
100歳過ぎても健康で暮らす人の共通点は、「運動をしている」「家族と
同じ食事を食べられる」「視力の維持」とがあります。

これらを健全に続けられなくなるのが、体の老化で、その原因は、遺伝的な
もの、細胞の老化、ホルモン分泌の低下、肥満が挙げられます。

遺伝的なもの意外は、毎日の生活でアンチエイジング(抗加齢)できるもの。
様々な機能の衰えを防ぐ運動や食生活を毎日繰り返すことで、健全ないを手
に入れましょう。

【日常食】
運動量が減るために食が細くなり、噛む力も衰えます。一度にたくさん食べ
られないので、食品を選び、食べやすい調理で効率よく栄養をとるように
しましょう。
味覚を育てる離乳食とは違い、味の好みが確立していますから、味にメリハ
リをつけたり、家族と同じものを食べやすくする工夫で食欲を促し、楽しく
食事ができるような思いやりを。

楽しく食べよう――――人の命を支えているのは食べること 
■噛むことは全身運動
噛むことは、運動量の少なくなった高齢者が毎日続けるひとつの運動。
食事は栄養の摂取のためだけでなく、噛む運動による全身への好影響が生ま
れます。
【認知症の予防】脳の血流量が増え、脳細胞の活性化につながります。
        家族との楽しい食事も同様。

【消化機能の向上】食べ物が細かくなるだけでなく、唾液の分泌による消化
  酵素の働きで、消化吸収力がアップ。

【虫歯・歯周病予防】唾液には殺菌作用などがあり、よく噛むことで唾液が
          分泌し、口腔の鍛錬にも。

【筋力増強】噛む力(咀嚼力)が増し、背筋力まで強化。

【視力維持】目を支えている筋肉が鍛えられ、視力の低下の防止に。

【肥満防止】満腹中枢の刺激になり、過食の防止に。

【免疫力】唾液の中の成分が、免疫力アップに。

【丈夫な骨】腰椎のカルシウム量が増えるケースも。
                         

■長寿の食事 
  長寿で知られる沖縄では、食べ物のことを「ヌチグスイ(命の薬)」と
  言います。長寿食としての代表は、豆腐、豚肉、モズク、ゴーヤー等など。
  脂を上手に取り除く調理や野菜やフルーツのビタミンを組み合わせた
  料理は、まさに「医食同源」、命を支える薬です。
  沖縄に学ぶことは、栄養バランスのよい食事と、運動(踊り)、ストレス
  をためないおおらかさ。これらは、老化の元となる活性酸素を抑える“
  抗酸化物質”の働きの強化にもつながります。

【抗酸化物質】
ビタミンC、 ビタミンE、 β(ベータ)カロテン、イソフラボン(大豆、
大豆製品)、アントシアニン(ブルーベリー、赤ワイン)、リコピン(トマト、
スイカ等)、カテキン(茶、赤ワイン)、アスタキサンチン(サケ、エビ、
タイ等)、ケルセチン(ブロッコリー、玉ネギ、リンゴ等)


カレー  
   家族のカレーと一緒に途中まで煮込み、野菜がやわらかくなったら
   別鍋で煮汁に牛乳とゆでたマカロニを入れてカレー風味で煮込みます。

焼 肉                        
   しゃぶしゃぶ用の肉で棒状に切ってゆでたジャガイモを芯に巻き、
   家族の焼肉と一緒に焼きます。ひき肉とおろしレンコン(長芋)を練
   った団子や、くし切りのカボチャ、玉ネギも。

和風スパゲティ 
   パスタを短く切ってゆでておき、和風だしをとったスープで細かく切
   った鶏肉と野菜を煮込み、しょうゆ味をつけてパスタを加え、水溶き
   片栗粉でとろみをつけます。

天ぷら
   エビやミツバを細かく切ってかき揚げに。カボチャやサツモイモも細
   切りで食べやすく小さめにして揚げます。サクサクは食べにくいので、
   薄味にした天つゆに浸せるように。

病気になっても心は健康でいたい 
 寿命を左右するものは、免疫機能と生活習慣病、そして食べる機能です。
 病気や転倒によるケガの予防が第一ですが、万が一、介護が必要な状態に
 なっても、残された機能を把握し、活用する努力をしましょう。
 どんな時でもポジティブに捉えて、心は健康でいることが大切です。

【介護食】
日本人の死因の多くは、ガン・脳卒中・心疾患・肺炎ですが、高齢者になる
ほど、誤嚥(ごえん)性肺炎が多くなります。嚥下(飲み込み)障害により、
食べ物や唾液を気管に飲み込み引き起こす炎症で、嚥下障害は脱水や低栄養
の原因にもなります。
命の源となる食事ですから、誤嚥を防ぐことが大切です。

とろみをつける……液体をまとまりやすくして、のどへゆっくり移動する
         ように。片栗粉や寒天などのとろみは加熱が必要ですが、
         市販のとろみ調整食品はそのまま混ぜて使えます。

脱水  汗や尿などの排泄物などで一日に失われる水分は、高齢者で1500
    ㏄とか。
    脱水すると、発熱、脱力感、血液濃縮、皮膚の乾燥から意識障害、
    生命の危機までも。

低栄養 嚥下障害があると、思うように栄養が摂れません。栄養不足だけで
    なく、免疫力が低下し、褥瘡(じょくそう=床ずれ)や感染症からさら
    に症状が悪化。
   

食べやすい介護食  飲み込みの状態をよく知り、調理や材料を選びます。食べることを楽しめるように、温度のメリハリ、目先や食感を変える工夫も。

【蒸し物】 茶碗蒸し、かぶら蒸し、ごま豆腐、白身魚の蒸し物、山芋蒸し、
      プリン

【プルプル食】 フルーツゼリー、ババロア、ムース、杏仁豆腐、ブラマン
        ジェ、コンソメかん

【ネバネバ食】 とろろ、ひきわり納豆、ゆでオクラ刻み

【どろどろ食】 かゆ、クリームスープ、シチュー、フルーツネクター(バナ
        ナ、リンゴ等)

【まろやか食】 アイスクリーム、ヨーグルト


今年は豊作です! たっぷり買って、栄養源に
「ジャガイモ」はやさしさの味昔は主食として食べられていたイモ類。体にやさしく、弱った体の栄養源と
しては申し分ありません。
たっぷり蒸したりゆでて、マッシュポテトやスープで冷凍保存。ポテトサラ
ダ、タラコを混ぜたタラモポテトの堅さから、スープでのばしたポタージュ
まで、幅広い調理ができます。

栄養 ビタミクCとカリウムが豊富。免疫力を高め、胃腸の粘膜を守り、整腸、
   便秘予防の効果も。血圧を安定させ、生活習慣病の予防・治療にも効果
   大。
                                                 
ポテトスープ 
 ①玉ネギ(小1/2玉)の薄切りをバター(20g)で炒め、3、4cm角
  に切ったジャガイモ(200g)を加えてさらに炒める。

 ②①にご飯(1/4カップ)、ブイオンスープ(3カップ)を入れてやわら
  かくなるまで煮て裏ごしする。
    
 ③②に生クリーム(50㏄)を加えて、塩コショウで味を調える。 


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栄養のバランスとコントロールは家食で…

2008-02-14 | 家族そろって楽しい「家食」
                           2007.11/8掲載

冷凍庫や電子レンジの普及によって調理法が急速に進歩し、食の外部化が
進む現代の食生活。

簡便化は手軽さや時間短縮による「楽」を生み出すものの、心の「楽しさ」
につながることなのでしょうか。

文明の進歩と共に家庭の食生活で失われたものも多い現在。食事とは、健康
生活とは、家族とは…。ちょっと立ち止まって、生きる原点を考えてみませんか。

「家食(いえしょく)」って、なに…?
  
家食は家で食べる食事、すべてのことを言います。暮らしに欠かせない「衣・
食・住」の中でも、何よりも重要なものは人の命を育む「食」…食べること。

インスタントでも出来合いのお惣菜であっても、家族が家で食べる食事の時間
はかけがえがない一家団らんのひととき。

長野県から発信する“家食”は、家族でつくるわが家の食文化の大切さを願う
ことばです。


「家食パラダイス」 
詳しくは⇒
信濃毎日新聞社発刊


栄養の「バランス」と「コントロール」は家食で…
  
家族それぞれの生活環境によって家庭外で食べる食事はまちまち。そして、
性別、年齢、労働量、代謝吸収能力によっても必要なエネルギーと栄養素には
個人差があります。また、料理の材料や食べ合わせによっても変化しますので、
あまり数字にとらわれず、緩やかに受け止めることも必要です。

「何をどの位食べているか」その結果として「今の体調はどうか」、個人差
のある人間の健康管理は、日々の観察から感じ取るもの。自分の食事は自分で
管理することが基本です。

“ゆるく”しかし、いつも観察していることが体の変化をキャッチする力に
なります。

「食育」は健全な人生を送るための食べ方教育でもあります。家族のコミュ
ニケーションによって、一日の中で足りない栄養を伝え合い、家食でしっかり
補えるようにしましょう。

■外食、中食の問題点  
外食、中食(テークアウト、デリバリー等)が多くなるのは仕方がなくても、
そのリスクを知っている事が大切です。

・野菜、豆類、乳製品が不足しがち……ビタミン、ミネラルの不足
・高カロリーに……肉の脂身、揚げ物の衣、ドレッシング等に注意
・塩分過剰……麺類の汁、漬物、濃い味付けに注意

■食品の機能性  
食品には様々な機能があり、いろいろな食品を食べることでその機能を生か
せます。家食で一日の栄養バランスの調整をしましょう。

 ・1次機能……エネルギー供給源
 ・2次機能……健康の維持回復に働く生態調整機能
 ・3次機能……自然と人間の関わりで発揮される機能(病気の予防・回復、
体内リズムの調整、老化防止、免疫強化)
  
■一日3食の必要性  
脳の栄養となるブドウ糖の供給が円滑になり、体内機能が安定します。欠食
すると、食間が長くなることによる生理的脂肪の蓄積、一度の摂取量が増える
ことによる糖尿病の因子、脂肪の増加などの弊害が現れます。

                  ⇒「食べることは生きること」につづく


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食べることは生きること……家族で守る健康生活

2008-02-14 | 家族そろって楽しい「家食」
 食育基本法の制定から、食べることの大切さに焦点が向けられています。
 食べ物を作る“作り手”の心は、おいしさと健康を願うもの。安心と満足は
人を大切に思う祈りの心から生まれます。

 食べ物が生きている姿に接することは自然の営みに触れること。何気なく
食べている毎日の食事から、命への感謝の気持ちが生まれます。

 料理に行き詰ったとき
 「料理をつくる時間がない」「好みがいろいろ」「レパートリーが少ない」
など、メニューに行き詰る理由は人それぞれ。原因による対処法を見つけて
みましょう。

  ●時間がない……
      作り置きや下処理をしておく。食事の片付けをしながら次の準備
      をするなど、計画的な「…しながら」作業で効率よく。
  ●年代の違い、好き嫌い……
      量を加減し、品数を増やして対応。洋食は出来合いで用意しても、
      和食づくりには力を注ぎ、得意料理を増やしましょう。
  ●料理を知らない……
      料理本や料理番組でいろいろな料理を知ることから始めます。

メニューづくりのヒント
 料理は何度もつくってみることで得意料理になります。
 基本はレシピ通りにつくり、味を確かめながらわが家好みの味に変えて
いきます。一つの材料から数種のメニュー展開を知ったら、材料をまず主菜
に使い、残りは翌日副菜メニューに取り入れて上手な消費を。

  ●旬……
      旬の食材で食卓に季節感を
  ●行事や記念日、郷土食……
      わが家の味をつくり、わが家の食文化に。
      誕生日は本人の大好物を
  ●和洋中華のバリエーション……      飽きさせないための基本
  ●温かく、冷たく、香り高く……
      五感で食欲増進を
  ●彩り……
      食材の色を彩りよく取り合わせます。栄養学では色と栄養価は
      何らかの関係があるといわれ、赤、黄、白、緑の「4色運動」
      や陰陽学を取り入れ黒を加えた「5色バランス健康法」があり
      ます。見た目にもおいしい色の彩りは、栄養バランスの大まか
      な目安にもなりそうです。
  

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「家食パラダイス」

2008-02-14 | 家族そろって楽しい「家食」
「家食パラダイス」    詳しくは⇒  
  松本大学人間健康学部教授 広田直子 監修
  信濃毎日新聞社出版部編
  B5版/120ページオールカラー
  定価1575円(税込み・本体価格1500円)

家庭に一冊! 食事を見直すキッカケに
 「日々の食事をなんとかしたい…」「今のままでいいのかしら?」
 毎日食事をつくりながら迷いや悩み、不満を抱えている方も多いのでは。
 解決する一歩は、まず広い視野で考えることから。

 家食ステップアップの5つの鍵、写真で見せる県内の我が家の朝食100食
・夕食100食、家食Q&Aと盛り沢山の内容です。食卓を垣間見ること、
人の悩みを知ること、アドバイスやヒントを得ることから新たな発想が浮かぶ
はず。
“家の食事”のあり方の基礎作りに役立ちます。

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消費で応援! 地産地消で旬を食べよう

2008-02-14 | 家族そろって楽しい「家食」
消費が生産を変える………安全・安心はみんなでつくるもの
エコの時代 
 消費型の時代は終わり、次世代へつなぐための生産型の時代がやってきま
した。エコロジー(環境)とエコノミー(経済)、ふたつのエコは、循環と
再生産による持続を求めています。

 食品の大幅値上げや様々な経費の値上げが経済を圧迫し、食生活を根底
から見直す時期がきました。
 安全な食事、経済的な食生活は家食が決め手になります。

 よい商品を選ぶ目と価値観を持ち、必要な物を選択することが、本当の
「得(徳)」。手づくり料理に時間を割くことは経済的で、目に見えない心
の栄養も生み出します。


農業の多面的機能と地産地消
 後継者不足、農業所得の低迷等々で農地の荒廃が増えています。耕さなけ
れば畑で無くなる…。

 国内の食料自給率が40%を割り、食料確保への危機感や流通の矛盾等を
抱えながら農業の振興が望まれています。農地の大切さは、洪水の予防、
土砂の流出防止、地下水の涵養(かんよう)、気温の上昇緩和、自然環境の
保全、景観形成、文化の継承などの多面的機能にも現れます。

 農業生産は消費することで守られます。地産地消は産地づくりの原点。
地域の生産物に愛着を持ち、生産の意欲と生産力を支えることから日本の
農業を守りましょう。


消費で応援! 地産地消で旬を食べよう

休耕地の活用のために農林水産省が推奨した野菜が、直売所中心に緩やか
に消費拡大されています。
知名度の低いマイナー野菜は、食べ方が知られていないのが残念なこと。
地元で採れた旬の味覚に興味を持ち、消費することで定番野菜に育てま
しょう。

マコモタケ
 休耕田での栽培が推奨されているイネ科の多年草。甘みとタケノコのような
 食感が持ち味で、生食、てんぷら、焼き物、炒め物に。



ヤーコン
  ⇒ヤーコン 
 サツマイモのような外観でナシのような食感、フラクトオリゴ糖が豊富な
 機能性食品です。
 いため物、和え物、お菓子づくり等々、アイデア次第です。
 葉はヤーコン茶に。

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上手においしい煮物を・・・(1)

2008-02-10 | 「料理を科学する」シリーズ
 料理上手に必要なのは、知識、経験、センス、愛情…。

 中でも食物や目的に合わせた調理の科学を知ると、能率的で最適な調理の
 技術が身につき、技術の応用や創作への幅も広がります。
 また、失敗の原因が根本からわかり、無駄を省いたエコクッキングを知る
 ことにもなります。

 難しそうでいて身近な料理の科学。まずは、煮ることから極めてみましょう 
       
調理とは----------
 私たちが「食べる」ためには、食物を手に入れ調理することが必要です。

 調理にはお刺身やサラダなどのように食物を生で食べる“生物調理”と、
 熱を加えておいしく食べやすくする“加熱調理”があります。

 「煮る」は加熱調理のひとつ。材料を水に入れて加熱することで水に成分
 を浸出させたり、逆に水に加えた調味料を材料にしみ込ませます。
  
煮物の種類(調味や煮方の違い)  

  湯煮(ゆで煮)  加熱目的だけ。熱湯でゆでる。
  白煮・青煮   塩や砂糖で煮上げ、材料の色を生かす。 
  塩煮       塩または塩コショウを入れる。
  しょうゆ煮    しょうゆで味付けし、砂糖・酒・みりんなども加える。
    煮しめ    形をくずさずに煮汁がなくなるまで味をしみ込ませて煮る。
    煮つけ    煮汁を少なくして、短時間に煮上げる。
    うま煮    彩りのよい材料を揃え、甘みをきかせて煮上げる。
    照り煮    しょうゆと砂糖の煮汁を煮立て、加熱済みの食品を入れて
サッと煮る。
    炒め煮    材料を油で炒めてから調味して煮る。
    つくだ煮   保存用に濃い味付けにして煮詰める。
    くず煮    煮汁にとろみをつけて材料に味をまとわせる。
  砂糖煮     材料に甘みだけをつける。
  酢煮       酢と塩、砂糖を加えて味のバランスよく煮る。
  味噌煮     味噌、酒、砂糖で煮る。臭みをとりコクのある煮物。
  煎り煮     でんぶ、おからなど、加熱しながらかき混ぜて煮上げる。
  含め煮     やわらかく煮たら火から下ろし余熱で煮汁の味を含ませる。
  煮込み     時間をかけて煮込み、材料と煮汁の味を


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上手においしい煮物を・・・(2)煮る

2008-02-10 | 「料理を科学する」シリーズ
煮る     
    グツグツ煮る…                                                                                                                                   材料の特徴や持ち味に合わせた煮方を選び、煮汁の味を材料にしみ込ませる
 煮物は食品を煮汁の中で加熱する調理で、熱の放射や煮汁を無駄に蒸発させ
 ないためにフタ付きの鍋を使って煮ます。

 温度は100℃以上になることはなく、表面はいつも蒸されていて全体の温度が
 比較的一定し、あまりムラなく火が通るのが特徴です。
 材料や煮方によって鍋の材質を選び、適した加熱温度や調理時間にします。

 煮方の種類によって煮汁の量や調味料の分量、火加減、加熱時間を変えます。
 荷崩れしやすいものは中をかき混ぜないで、落しぶたをして煮汁が材料に
 均一にかかるようにします。
 
  ・根菜類や魚介は材料からの水も出るので、煮汁は少なめにして短時間に
   煮ます。

  ・乾物などは煮汁が多く必要なため、薄味で煮始め、弱火でゆっくり味を
   含ませます。

仕上げを変えるアイテム 
 
 片栗粉 ・材料の表面を覆って旨みや栄養の流失を防ぎます。
 
 【治部煮】 「鴨の治部煮」は金沢の郷土料理。肉の表面に片栗粉をまぶして
        煮汁に入れると、旨みが外に逃げず、汁もとろっとしてコクのある味
       を楽しめる。鶏肉や白身魚の煮物にも。

    ・煮汁にとろみをつけて温度の低下を遅らせます。
     沸騰後に火から下ろした温度変化は、通常3分後に13℃になる
     条件で、とろみをつけると20分後でも20℃位に保たれます。 
     とろみをつける水溶き片栗粉は、水の量の1/2。早く混ぜて
     おいて十分吸水させ、加えた後もしっかり火を通すのがコツ。

  【かきたま汁】青菜などを入れたお吸い物に水溶き片栗粉でとろみをつけ、
           溶き卵を少しずつ流しいれる。とろみで卵が沈まずに
           フワッと仕上がる。

 食塩・重曹  塩や重曹は豆腐のニガリが硬くなるのを遅らせる効果があります。

  【湯豆腐】 豆腐は火を通し過ぎるとたんぱく質が硬くなってスが立つので、
         だし汁に食塩や重曹を少し入れる。

 酢・
 酒・砂糖   
    肉は、煮ると重量で20~40%減少します。肉汁が溶出し、たんぱく質が
    65℃で凝固するため硬くなります。反面、通常の加熱ではコラーゲンが
    60~65℃の過熱で縮みゴム状になるのに対し、煮る調理はコラーゲンを
    ゼラチン化する利点があるのです。

    軟らかい肉は短時間で煮たり、軟化効果のある酢、ショウガ汁、酒、砂糖を
    入れると格段の味。
 
【豚肉の梅酒煮 】  鍋で油を熱し、ショウガと豚肉(300g)を炒め焼き色をつける。
            梅酒(120㏄)、しょうゆ(大さじ3~4)を入れ、水を肉がかぶる位
           加えて煮る。甘みは味見して調整する。鶏肉にも。

<煮含める> 薄味でゆっくり煮て、中まで味を含ませます。
     

【サトイモの含め煮】 
 白く仕上げる時は、米のとぎ汁と酢を入れてゆで(下ゆで)、一度冷ます。水2カップに対し、
みりん1/4カップ、白しょうゆ小さじ2、砂糖・塩少々の割合の煮汁で煮たら一度冷まし
て味を含ませ、食べる直前に温める。


<煮浸す>  たっぷりの薄味の煮汁で煮て、煮汁に浸したまま汁ごと食べます。

 【水菜と厚揚げの煮浸し】
   だし汁2カップに対してしょうゆ・みりんが各大さじ1、砂糖少々の割合で入れ、厚揚
げから先に煮始める。浸る位の煮汁にして青菜を加えて火を通し、汁ごと器に盛る。


<煮からめる> イカなどを硬くしないために、煮てから取り出し、煮汁だけを煮詰めて
からめます。


【イカの煮物】
  しょうゆ・酒・みりん・砂糖(2:1:1:1)の割合の煮汁でイカを煮て取り出し、汁を
煮詰めて最後にイカとからめる。


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上手においしい煮物を・・・(3)ゆでる、煮込む

2008-02-10 | 「料理を科学する」シリーズ
ゆでる      材料に火を通す

  味付けを目的とせず、沸騰した湯に入れて火を通します。
  材料はそのままゆでて食べる場合と、料理の下ごしらえとしてゆでる
  ものがあります。
  その目的には、「アク抜きや生臭み抜き」「色鮮やかにする」「軟ら
  かく
する」「たんぱく質を凝固させる」「脱水する」「消毒する」
  などがあります。

   ゆでる際に、塩、酢、重曹、米ぬか(米のとぎ汁)などを水に加えると、
  それぞれの目的の効果が高くなります。

  
    野菜の繊維を軟らかくします。
    緑の葉緑素を安定させるため、色鮮やかに。
  
     漂白効果がアクの黒ずみなく白く仕上げます。
     軟らかく仕上がります。
 重曹 
     水をアルカリ性にしてアクを除き、繊維質を軟らかくします。
     水の重量の1.5%位の濃度にします。
 米ヌカ
     アクをヌカに吸着させて、材料を軟らかく白く仕上げる効果。
     タケノコのエグ味はヌカの旨みで緩和されます。
 焼ミョウバン
     サツマイモやクリの煮崩れを防ぎ、タコを色よく柔らかにします。
     殺菌、pH調整剤となり、日持ちをよくします。

卵をゆでる
    ゆで卵こそ、料理の科学を知って目的のゆで加減で楽しみたいもの。
   半熟卵、温泉卵は特に、ゆでる温度と時間をしっかりと把握しましょう。
   最初は卵黄が中心になるように転がしながらゆで、卵白は70~80℃、
   卵黄は65~70℃で固まることを利用します。

   ゆでる時の基本は卵をまず室温にしておき、水から入れます。
   冷蔵庫から出してすぐゆでるときは、針や画鋲を殻に刺して穴をあけ、
   水に酢を少し入れて。

【温泉卵】65~70℃で25~30分加熱します。

【半熟卵】沸騰してから5分ゆでます。一般のゆで卵は10分ゆでます。むいて食べ
     やすいのは7~8分。




 煮込む     コトコト煮る
    長時間一定温度で煮続けることで、煮汁が材料にしみ込む効果と、
    材料の成分が煮汁にしみ出し味がミックスされる効果があります。
    
    煮込み料理は、低い温度で長時間煮るものですが、基本は冷めるとき
    に味がしみる特徴を利用したもの。徐々に味を含ませてやわらかく
    しますが、ただ熱を加えるだけでなく、火から下ろして冷まし更に加熱
を繰り返すことで、省エネしながらおいしく仕上げることができます。

【煮豆】 豆は乾物ですから、まず十分に水を含ませやわらかくしてから
徐々に味を含ませます。
びっくり水と砂糖を何度かに分けて加えるのは、なるほどおいしく上手
に煮るコツです。
 【肉】 肉を長時間煮るとパサつきますので、調理に適した肉を使います。
鶏肉は骨付き肉、牛肉はすね肉、それぞれゼラチン質がしみだして旨みに
なります。
豚肉は脂身が赤身の間に程よく入ったバラ肉やロース肉を使います。

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上手においしい煮物を・・・(4)煮るの科学

2008-02-10 | 「料理を科学する」シリーズ
「煮る」を科学する 

 加熱のしくみ
   熱の伝わり方には、伝導、対流・放射(輻(ふく)射)があります。
   「煮る」「煮込む」は、食品を水の中に入れて水を熱することにより
   加熱するもので、熱が鍋を伝わり水を温める「伝導加熱」と、温めら
   れた水が上昇する「対流加熱」両方の作用で煮上げます。

   熱量を表す言葉はいろいろありますが、比熱(1g当たりの物質の温度を
   1℃上げるのに必要な熱量)は耳慣れたことば。
   比熱が大きいと温まりにくくて冷めにくい、温度の上昇に必要な熱量が
   大きくなります。

   温度変化のしにくさを表す「熱容量」は、同じだけ温度を上げる時に
   熱容量が大きいと必要な熱量は大きくなるものです。
   熱容量が大きいと、同じ温度を加えても温度は上がりにくくなります。

   加熱のしくみを知って火が通りやすく効率的な調理をすると、おいしく
   て経済的な省エネが叶います。
   材料の切り方の工夫、調理道具の選び方、加熱の方法などを組み合わせて、
   いろいろな煮方を試してみましょう。

 ガスコンロ 
   ガスコンロの火は、熱がなべ底を大きく対流するので、味が均一にしみ
   やすく焦げにくいですが、鍋の側面に上昇気流が起きて対流が中心から
   ドーナツ型に偏るので、時々かき混ぜるのがよいです。


 IHヒーター
   最近普及が拡大しているIHヒーター(電磁調理器)は、磁力を発生させて
   鍋全体をかき混ぜるうな対流起こすため、全体が早く均等に熱せられ
   ます。

煮るための道具いろいろ

   銅鍋  熱容量が高く、火が弱くても火力があるため省エネに役立ちます。
        熱が均等に伝わり、まろやかな煮上がりで、イオン効果が水道
        水の塩素を分解します。

   鉄鍋  血液、脳、骨、神経のために大切な銅をとれる銅鍋と同様に、
        貧血予防になる鉄分を毎日少しずつ吸収できます。

   アルミニウム鍋  熱伝導率が高く、短時間で煮ることができます。アルマ
         イト加工をしたものが、昔ながらの「実用鍋」です。

   雪平鍋   キッチンの必須アイテム。表面の打ち出しが火の回りをよくして
       加熱時間が短くなります。

   土鍋  鍋物以外の調理器具として見直されています。ゆっくりと
        温度を上昇させて、冷めにくいのが特長。
        酵素が活性化する温度(55~60℃)で加熱できるので芯
        までムラなく火が通ります。

  
アルティアーノ圧力鍋 
  短時間でやわらかくする圧力鍋の機能と、温度が下がる時に味がしみ
  る働きを上手に使うとおいしい煮物に。(写真上)

クルーゼ
  フランス生まれの鋳物ホーロー鍋。とても重く、旨みや栄養価を守った
  仕上がリと保温性が特徴の伝統の逸品。熱源を選ばず、弱火調理で経済
  的です。(写真中)

レミパン 
  使いやすさが人気で贈答品イチオシ。側面がアルミニウム、底面が銅・
  鉄・アルミの3層の溶射構造の鍋。穏やかな対流で火の通りが早く、
  蒸気も無駄なく使われます。(写真下)
      <2サイズ>直径22cm、直径24cm、
      <3色>イエロー・オレンジ・黒

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今年の抱負は“お料理上手”

2008-02-05 | 「料理を見直そう」シリーズ
                        2006.1/19号掲載


外食やテークアウトの食事が増え、野菜嫌いや家庭での料理離れが進む現代の
食生活。
その中で、生活習慣病やアレルギー疾患の増大が急速に進み、健康な暮らしに
少しずつ危機感を感じ始めている昨今です。
家族の健康は毎日の食事が支え。今年は一念発起して、料理で家族の健康管理
をしませんか。


毎日の食事で家族の健康を支える
料理は愛情、工夫、まごころ…   
  昭和30年代の「三種の神器(じんぎ)」冷蔵庫・テレビ・洗濯機と共に
 家庭生活に普及した洋食。時代が簡便さと省力化を進め、物質への価値観を
 優先して駆け抜ける中、食事の欧米化も進み続けてきました。

  さまざまな弊害が現れてきた今が、食生活を見直す時です。

  プロの味にはかなわなくても当たり前。料理は、おいしく食べてもらおうと
 する気持ちが入るだけで、出来映えに大きく影響するものです。つまづきは
 意外と初歩段階に。
  基本と味見を覚えると、料理は一気に上達します。
     
食べることは生きること。自分の健康は自分でつくる。    
  食べることは命を育むために何より大切。自分で求め、自分で食べることが
 生きる原点です。

  代わりにつくってもらう時には、感謝の心を。食べ物の生産に関わる人々
 への感謝、毎日家族の食事をつくることへの感謝。食材の価値を見直し、
 健康的な食生活を心掛けませんか。


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