《 空想から科学へ 》 奧菜主義革命~ 革命的奥菜主義者同盟非公然ブログ

奥菜恵さんは、精神と肉体の両方から無駄なものをすべて削ぎ落とし、必死に舞台に立っていた

七尾美術館を訪れて~~本当の私らしさは次回書き込みに

2012年08月24日 22時04分37秒 | Weblog
8月18日。石川県の小松がその日の国内最高気温を記録した日。
38℃を超えたという。
その日に、石川県七尾美術館に長谷川等伯展を拝見するため行ってきました。


ずっと冷房の効きすぎた電車に揺られ続け、
七尾に着いたらすぐにタクシーに乗り込み、
絵画を守るためとはいえ、超快適な空調が効いている美術館に逃げ込んだわけですから、
ま、外が何℃になろうと私の体調は小揺るぎもしなかったのですが、
「昨日は38度を超えた石川県にいたんですよ~。」という話は、帰宅のために乗ったタクシーの車内で鼻を高くできたものでした。

写真を見てください。
この空の青さはデジタル加工したものではありませんよ。もう7年ぐらい使っているかなり古式ゆかしきデジカメで撮った画像そのままで、ここまでの青さ。
あまりに高気圧が優勢のため、強い下降気流が空気をきれーいにしてくれちゃった証拠で、同時に38度超を雄弁に物語ってくれています。



等伯作品について語る資格は私にはとうていありませんので、ひと言だけ。

下図は、圓徳院「山水図襖」の、七尾美術館がつけた整理番号C-1の絵なんですが、
長さ7~8㎝ぐらいですかね、すーっと横に、なんということもない真っ直ぐな墨の線が入っていて、その上にもじゃもじゃっとした墨の汚れのようなものがある、のが偶然目にとまり、
なんじゃこりゃ?とちょっとの間見つめてしまうことになりました。
汚れにしちゃぁずいぶんと真っ直ぐな横線なもんで。



すーっとした横線が舟だと気づいたとき、「等伯、すげー!!!!」と思いました。
舳先もちゃんと描かれているし。
もちろんもじゃもじゃっとした墨の汚れのようなものは、船頭の姿。
何がすごいかというと、
汚れとしか思えていない段階から私の視線を奪う力もすごいが、もっとすごいのは、
舳先の向きから考えると、竿が絵のままだと舟、バックしちゃうんじゃない?って絵なのにすごく説得力があったということの方。(ただし「竿は三年、艪は三月」、という言葉もあるから、わたしが竿による操舟を勘違いいしているだけなのかも知れないが)


圓徳院の襖絵の半数(半数しか見られないのは、作品の大きさからスペース的に無理もないことで、作品入れ替えをまたげば、前・後期あわせて三十二面のすべてが鑑賞できる)と「月夜松林図屏風」他十七作品(ただし等伯以外の長谷川派作品も含む)が鑑賞できて、700円は安い。安すぎる!
フェルメール展のように宣伝しておきながら(確かに展覧会名は美術館の名前になっているが、素人にはフェルメール展でしょ)、
目玉は1つか2つ(目玉が3つ有ったら恐いからか?)なのに、
1500円とか、1600円とか要求されて、ごちゃごちゃに混み合っている中で鑑賞を余儀なくされる美術展に行くより、
七尾美術館の「長谷川等伯展」ですよ。
平日の開館直後だったら16枚の襖絵独り占めですよ。「止まらないでください」なんて言われなくていいんですよ。
交通費・宿泊費をどう考えるかは問題として残るが……。