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脳の疲れ - NHKサイエンスZERO

2004-11-07 00:11:51 | テレビ番組
NHKのサイエンスZEROで脳の疲れに関する話題を取り上げていた。
手や、身体を動かすと肉体が疲れる。
同じようにパソコンなどの頭を使うと、脳が疲れる。
最近は、脳が疲れる場面が増えてきている。それに対して、脳の疲れに対する研究はこれまであまり進んでこなかった。

でもって、そうした脳の疲れをPETを使って解析した結果、単純労働の組み合わせは、脳を疲れさせる。よく使う部分だけが活性化し、それ以外のところの血流が止まる。そして、その血流を監視している部分が疲れを感じるらしい。

それを回復させるものとして研究の結果登場したものが、例えば森の緑の香り。その香りが脳の一部を活性化し、脳の疲れを感じさせる部分を抑制したりすると言う。後は有効なのが、笑い。後は気分転換。
残念ながら、それ以外に脳の疲れを回復させる方法は登場していなかった。まー、どっかなー。ひとまずは職場の笑いが大事ってことですかね。

脳の疲れをいやせ
http://www.nhk.or.jp/zero/dsp57.html



「ばっかり食べ」

2004-10-17 00:12:41 | テレビ番組
初めて聞いた言葉「ばっかり食べ」。
今、日本の子供たちの50%超が、この食べ方だという。
3種類のおかずがあったとすると、1種類ずつを食べ続けていくという。カレーライスで言うと、ご飯だけ食べて、その後カレールーだけを食べるという食べ方だ。それに対して、学校でもバランスよく食べる「三角食べ」を教えているという。余計に驚きだ。

口の中で食べる「口中調味」は、日本人独特の食べ方なのだという。実際に外国人はカツ丼も、カツだけ食べてからご飯に移る。うーん、「ばっかり食べ」は、元々外国では当然の文化。すげーなー。

日本でも、薄味になってきたことで、「おかずの味をご飯で調整しながら食べる」という文化が不要になってきているとも。今でも、町の定食屋にいくと、おかずは濃い味だし、ご飯と合わせて食べないと辛いよね。あれは古き良き日本の文化だったのか。


ドラマ「冬のソナタ」はストーリー展開も「ソナタ」形式?

2004-10-11 21:37:50 | テレビ番組
 韓国ドラマ人気の原点とも言える作品「冬のソナタ」。感動の純愛ストーリーと、主役のユジン役のチェ・ジウさん、チュンサン役のヨン様ことペ・ヨンジュンさんの切ない演技が人気を呼びました。

 ところでこのドラマのタイトル、「冬のソナタ」の「ソナタ」は音楽用語。18世紀~19世紀に完成された、クラシック音楽の形式(楽式)のひとつです。クラシック音楽の多くは、「A」→「B」→「A'」といった進行で曲が作られています。この3部分からなる音楽の形式を「三部形式」といいます。「ソナタ形式」は、この「三部形式」を発展させたものです。ソナタ形式の場合、「A」→「B」→「A'」は、それぞれ「A=提示部」「B=展開部」「A'=再現部」と呼ばれ、「提示部」「再現部」それぞれに第一テーマ、第二テーマが含まれるもののことをいいます。「クラシック音楽」と聞いて思い浮かびやすい交響曲などは、ほとんどがこの「ソナタ形式」をとっています。他に、同じような音楽形式用語としては、「二部形式」「ロンド形式」などがあります。

 そうした様々な音楽形式用語の中で、「冬のソナタ」が作品のタイトルに選んだのは「ソナタ」。「冬のロンド」でも、「冬のワルツ」、「冬のノクターン」でも、ありませんでした。それでは、「冬のソナタ」のストーリー展開は、果たして「ソナタ」形式なのでしょうか? ここでは、「冬のソナタ」を楽式的に分析してみたいと思います。

【ご注意ください】

この先を読むとストリー展開がわかってしまいます。まだ「冬のソナタ」をご覧になられていない場合にはご注意ください

【ご注意ください】


 「冬のソナタ」は、主人公であるチュンサンとユジンの高校時代の出会いから始まります。(第1回) 視聴者の多くにトキメキを思い出させた二人の青春時代と事故による突然の別れ。(第2~3回)。
 事故によってチュンサンとしての記憶を失いミニョンとなったチュンサンの登場を中心に、高校時代の仲間(ユジン、サンヒョク、チェリン)が再び仕事の中で出会います(第3回)。その中で複雑に絡み合う恋愛ストーリー(第5回~第13回) 。様々な出来事の中で、突然訪れた、ミニョン(実はチュンサン)の二度目の事故 (第14回)。
 事故から目覚めた後、ミニョンはチュンサンの記憶を取り戻します(第15回)。そして、明らかになるチュンサン、サンヒョク、ユジンの血縁関係(第16回~第20回)。そして迎える大団円(第20回後半)、というのが大まかな流れです。

 このストーリーの中でも特に気になるのが、チュンサンを襲う二度の事故。ドラマ第2回のチュンサンの事故、そして、第13回のミニョン(チュンサン)の事故です。この事故がドラマのストーリー展開を変える大きなきっかけとして使われています。この2回の事故で、ストーリー全体を区切ると、ストーリーは3つの部分に分かれます。「ソナタ形式」もちょうど「提示部」「展開部」「再現部」と3つに分かれた形式のため、まずはぴったり合いそうです。

 「冬のソナタ」のストーリーを「提示部」「展開部」「再現部」に、それぞれあてはめてみると、こんな具合になります。大まかな流れとしては、音楽に詳しくない人でも納得してもらえるのではないでしょうか。

● 「冬のソナタ」の大ざっぱなソナタ形式

提示部 = 高校時代 (第1回~第3回)
展開部 = 社会人編 (第4回~第14回)
再現部 = 蘇る高校時代の記憶 (第15回~第19回)

 これだけでは、「三部形式」にはなっていますが、まだ「ソナタ形式」にはなっているとはいえません。そのためには、冒頭に紹介したように「提示部」と「再現部」に、それぞれ「第一テーマ」と「第二テーマ」が必要です。

 まず「提示部」にあたる「冬のソナタ」第1回と第3回、そして、第15回からの「再現部」に共通する第一テーマと第二テーマにあたる部分はなんだったか考えてみると、第一テーマは「血縁関係」、第二テーマは「実らぬ恋」であることがわかります。
 これらの情報を付与してみると、「冬のソナタ」のストーリー構造は、下記のようになります。3つに分けたときには、第20回が含まれていませんでしたが、これは、楽式的には「コーダ」として捉えることができます。音楽を専門的に学んだ方なら、共感していただけると思うのですが、「冬のソナタ」のストーリー展開は、楽式的に捉えても、「ソナタ形式」になっているのです。

●ソナタ形式としての「冬のソナタ」

提示部 = 高校時代 (第1回~第3回)
 第一テーマ 血縁関係(血縁関係の謎)
 第二テーマ 実らぬ恋(初恋編)

展開部 = 社会人編 (第4回~第14回)

再現部 = 蘇る高校時代の記憶 (第15回~第19回)
 第一テーマ 血縁関係 (明らかにされる血縁関係)
 第二テーマ 実らぬ恋(社会人編)

コーダ = 3年後の出会い (第20回)
 血縁関係のどんでん返し
 旅立ち結ばれぬチュンサン、サンヒョク、ユジン
 チュンサン、ユジンの出会い

 せっかく、ここまで分析したのですから、残った展開部についても詳細に分析してみましょう。第一テーマ、第二テーマまでだと「ソナタ形式」の基本形を押さえただけ。この部分を分析すれば、「音楽」としての「冬のソナタ」形式が明らかにできます。第4回~第14回までの毎回ハラハラさせられた展開も、音楽展開的には、下記のように捉えることができます。

● 詳細な分析を行った「冬のソナタ」ソナタの音楽的構造

提示部 -高校時代編-

第一テーマ 血縁関係(血縁関係の謎)
 提示 謎の転校生チュンサンとの出会い
 確保 転校生の目的は父親探し
 推移 サンヒョクの父の存在

第二テーマ 実らぬ恋(初恋)
 その1 提示 チュンサンとユジンの恋と友人達の嫉妬
 その2 提示 一度目の事故とチュンサンの死による別れ        
   
小結尾 チュンサンからのテープにより永遠の別れを受け入れるユジン


展開部 -社会人編-

(第二テーマ嫉妬部分の展開)
 その1 チェリン部分
  ミニョンとの出会い
  チェリンの嫉妬
  深まる誤解

 その2 サンヒョク部分
  山頂での一夜
  サンヒョクとの婚約発表、別れ、結婚準備

属音保続 明らかになり始める謎(第1テーマを使って)
  カン・ミヒのリサイタルと取材内容
  ミニョン=チュンサンであると発覚
  二度目の事故


再現部 -蘇る高校時代の記憶と明らかになる血縁関係-

第一テーマ 血縁関係 (明らかにされる血縁関係)
 再現 取り戻した記憶と高校時代の回想
 確保 父親の記憶の喪失
 推移 サンヒョクの父とチュンサンは親子?

第二テーマ 実らぬ恋(社会人編)
 その1 再現 2人の恋の復活と友人達との仲直り 
 その2 再現 2人の結婚決意と兄妹(姉弟?)と言われたことによる別れ

コーダ(第一テーマの確保、推移と第二テーマその2を使って)
 サンヒョクの父=チュンサンの父であることが発覚
 アメリカへ旅立つ病気のチュンサン
 3年後の2人の出会い

 ところで、ここまで分析してみたところで気になるのが、この「冬のソナタ」と同じ構成をとったピアノ・ソナタはあるのか、というところです。ところが「冬のソナタ」のストーリー展開は、展開部のはじまりが第二テーマの展開になっていること、コーダ構成が独特であること、から、意外とぴったりあてはまる曲がありません。そこで、ハイドンからセルゲイ・プロコフィエフまで、18世紀から現代まで、広く様々な作曲家の作品と比較してみたところ、下記の2曲を見つけることができました。

ハイドン ピアノ・ソナタ 第49番(旧59番)op.66 Es-dur 第1楽章
(ソシ♭ラ♭ドシ♭、)
シューベルト ピアノ・ソナタ 第19番 c-moll D.958 第1楽章
     (ドーーードレ、レ、)

 ハイドンは再現部の出だしが提示部と同じなのが残念ですが、属音保続やコーダで事故の影響が感じられます。
 シューベルトは展開部で死んだはずのチュンサンが登場するなど、ストーリー通りです。

 以上が、人気ドラマ「冬のソナタ」ストーリーの楽式的な分析です。「冬のソナタ」という題名に偽りはなく、「ソナタ形式」のストーリー展開になっていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。興味のある方は、さらに上記で紹介したハイドンとシューベルトの作品も聴いてみていただけると幸いです。

 ちなみにここまで分析した後に知ったのですが、日本語版では「冬のソナタ」と訳されたこのドラマの原題は、韓国語では「冬の恋歌」というそうです(つまり、『ソナタ』ではない) 日本にこのドラマを持ち込んで「冬のソナタ」という題名にしたのは、よほど音楽的な素養のある人だと思うのですが、いったいどなたが翻訳されたものなのでしょうか。

 NHKでは、「冬のソナタ」完全版 (春~夏に放送されたものは、毎話 10分前後カットされたものだったのです!) を、BS2で12月20日~30日まで、午後10:00から2話ずつ放送するそうです。ぜひ、この分析を見ながら、当たっているかどうか、確かめてみてください。

-用語解説-

確保: 始めのテーマを覚えてもらうために、もう一度テーマを繰り返している部分

推移: 第1テーマから第2テーマへの移行部分

小結尾: 提示部の最後数小節の小さなまとめ

属音保持: 再現部に戻るための何だか落ち着かないハラハラするところ。属音とは音階の5番目の音。ハ長調ならソ。この音がベースに、ずっと鳴り続ける中、しばしば第1テーマが断続的に用いられ、戻ることを予感させる。

コーダ: それまでの経過を回顧し、終結感を強めるために付加される部分。