知り合いの若い女性が、『顎関節症(がくかんせつしょう)』と診断されたと聞きました。
・・・こじれる前に治療してね、と個人的経験を交えてアドバイス。
重症になると、全身に影響が及びますからねぇ・・あの病気は・・・
そう、何を隠そう(笑)、私は顎関節症に関して特に詳しいのである。
・・実体験してますからねぇ~
患者だったんですよ、昔。
今は結構一般的に知られてきたこの病気、当時はそれ程普通に知られていませんでした。
初期段階で自分に知識があれば・・・早い段階で手を打てたものの・・・
その代償は結構大きかったですね。
お陰で、頭部のレントゲン撮影をすると、上顎と下顎に数十の物体が映し出される羽目になりましたから。
一目瞭然、ネジ釘の類です・・・チタン製の。
今も不思議に思ってるのですが、チタンて金属探知機に反応しないんでしょうか??
今まで空港などで引っかかったことが無いんですが。(笑)
最初、顎の関節に違和感を覚えたのが小学生高学年の時。
たまに、口を開けるたびに音がすることがあって、少し痛みも感じてた。
それから騙し騙し顎を使い続けて、二十歳近い時・・・
決定的な瞬間が訪れたのです。
ある日、衝撃ある感覚と共に口が開かなくなりました。
顎を支えるクッションの役割を果たす『関節円盤』という軟骨が前にずれて、関節がロックされてしまったのです・・・
口を開けようにも、1cmも開かなくなりまして・・これじゃ食事も出来ない。(苦笑)
仕方なく、近所にあった矯正歯科に駆け込んだのでした・・・
その時は、顎の関節の部分に生理食塩水を注射して、関節円盤を浮かし・・位置を戻すことで応急的に処置してもらったのですが。
調べてもらった所、長年放置したせいで顔の骨格自体に歪みが生じ、根本的に『改造』するしかないとの事。
・・・改造・・とかその時思ったもんです。
具体的に言うと、上顎と下顎を噛み合わせた時のライン。
これを『咬合平面』と言うのですが、この角度が、私の場合は後ろに向かって角度が急カーブしてる・・
つまり、横から見た場合、後ろに行くにしたがって噛み合わせの角度が斜めに上がり過ぎていると言う訳です。
この形状だと顎に余分な力がかかりすぎて、顎がロックされる可能性が大きいんだそうだ。
その当時は歯並びがちょっと良くないこともあって、それも原因の一つだと言う事でした。
解決方法は、咬合平面の角度を下げることと、歯列矯正。
このまま放っておいても症状が悪化するだけなので、思い切って治療することにしました。
歯列矯正は、やった人なら解ってくれるが、辛いもんです・・・
痛いし、めどが付くまで数年掛かるし。
歯列矯正が形になってから、顎の大改造も行いました。
実際は半日ほどかかった手術です・・・
国内で第一人者の口腔外科医の先生に執刀してもらいました。
輸血を防ぐために、定期的に病院に通って自己血を溜めたり・・・
術前にも結構な準備に時間をとられましたが。
手術時の様子は、後から聞いて見ると、ビデオに撮っておいて貰えば良かったと思いましたねぇ・・眠ってて自分じゃ見られなかったんですから。
口を大きく開きまして、内部からメスを入れるわけです。
上下の顎の骨全体をバラバラにして、何分割かのパーツに分け位置を調整し、腰から切除した骨片で隙間を埋めて角度を改善し、チタン製のネジ釘で固定する。
・・・大まかに言ってこんな感じだったようです。
模型を組み立てるのと大差ないかも?
術後は一月程度、口が開かないように固定され、食事は鼻からチューブを通した流動食・・・
これには参った、チューブが食道に擦れて常時痛いのと、味の無い食卓。
食べた気がしないのに満腹になる不快感・・・
季節は秋・・TVをつけるとニュース番組で七輪で焼いた秋刀魚とかの映像が流れて・・・
無意識に涎(よだれ)が垂れて来たもんです・・・
口が麻痺してるので、締りがない事この上なし。(笑)
あぁ、口から食べられて味のある食事ってなんて素晴らしいんでしょう
それ以後いつも思って感謝してる事柄の一つですね~
人間、口から飯が食べられなくなったらお終いだと思う。
術後初めて口から食べた「お粥」の美味しさ・・一生忘れないでしょう・・
あと、腰から骨を取った代償として、しばらくは車椅子・・その後の松葉杖。
これも、今思えば貴重な経験でした。
痛みに耐えながらのリハビリも。
リハビリと言えば、口のリハビリが一番大変でした。
なんせ、これだけいじってるからねぇ・・・
鼻から下の感覚も麻痺してるし、口は上下に上手く動かないし。
食事する時意外は常時、上下の歯一本一本に取り付けた金具に小さい輪ゴムを引っ掛けて、変な癖がつかないように固定しなくちゃならない。
数ヶ月はそんな状態が続いたかなぁ・・・?
徐々に柔らかいものから慣らしていって、顎の機能のリハビリをしました。
一番難物だったのが「コンニャク」。
あれ、意外と噛み切るのに力が要るんです・・しばらくは歯が立ちませんでした。(笑)
手術からかなり経ちましたが、今では普通に食事も出来るし問題は皆無。
大げさではなく、健康の素晴らしさと言うものを噛みしめる日々です。
一度でも不自由な思いをすると、物の見方が劇的に変わりますね・・・
失いかけて得るものがあるとでも言いましょうか。
・・と、話がかなり長くなりましたが
かように、『顎関節症』と言う病は、甘く見ると痛手をこうむります。
なりやすいのは若い女性。
ストレス過多、柔らかい物偏重の食事や食べ物の片噛みなどが原因とも・・・
顎に違和感や痛み、口の開閉時に音がする・・などの症状がありましたら、急いで口腔外科の診察をすることをお薦めいたします。
・・・こじれる前に治療してね、と個人的経験を交えてアドバイス。
重症になると、全身に影響が及びますからねぇ・・あの病気は・・・
そう、何を隠そう(笑)、私は顎関節症に関して特に詳しいのである。
・・実体験してますからねぇ~
患者だったんですよ、昔。
今は結構一般的に知られてきたこの病気、当時はそれ程普通に知られていませんでした。
初期段階で自分に知識があれば・・・早い段階で手を打てたものの・・・
その代償は結構大きかったですね。
お陰で、頭部のレントゲン撮影をすると、上顎と下顎に数十の物体が映し出される羽目になりましたから。
一目瞭然、ネジ釘の類です・・・チタン製の。
今も不思議に思ってるのですが、チタンて金属探知機に反応しないんでしょうか??
今まで空港などで引っかかったことが無いんですが。(笑)
最初、顎の関節に違和感を覚えたのが小学生高学年の時。
たまに、口を開けるたびに音がすることがあって、少し痛みも感じてた。
それから騙し騙し顎を使い続けて、二十歳近い時・・・
決定的な瞬間が訪れたのです。
ある日、衝撃ある感覚と共に口が開かなくなりました。
顎を支えるクッションの役割を果たす『関節円盤』という軟骨が前にずれて、関節がロックされてしまったのです・・・
口を開けようにも、1cmも開かなくなりまして・・これじゃ食事も出来ない。(苦笑)
仕方なく、近所にあった矯正歯科に駆け込んだのでした・・・
その時は、顎の関節の部分に生理食塩水を注射して、関節円盤を浮かし・・位置を戻すことで応急的に処置してもらったのですが。
調べてもらった所、長年放置したせいで顔の骨格自体に歪みが生じ、根本的に『改造』するしかないとの事。
・・・改造・・とかその時思ったもんです。
具体的に言うと、上顎と下顎を噛み合わせた時のライン。
これを『咬合平面』と言うのですが、この角度が、私の場合は後ろに向かって角度が急カーブしてる・・
つまり、横から見た場合、後ろに行くにしたがって噛み合わせの角度が斜めに上がり過ぎていると言う訳です。
この形状だと顎に余分な力がかかりすぎて、顎がロックされる可能性が大きいんだそうだ。
その当時は歯並びがちょっと良くないこともあって、それも原因の一つだと言う事でした。
解決方法は、咬合平面の角度を下げることと、歯列矯正。
このまま放っておいても症状が悪化するだけなので、思い切って治療することにしました。
歯列矯正は、やった人なら解ってくれるが、辛いもんです・・・
痛いし、めどが付くまで数年掛かるし。
歯列矯正が形になってから、顎の大改造も行いました。
実際は半日ほどかかった手術です・・・
国内で第一人者の口腔外科医の先生に執刀してもらいました。
輸血を防ぐために、定期的に病院に通って自己血を溜めたり・・・
術前にも結構な準備に時間をとられましたが。
手術時の様子は、後から聞いて見ると、ビデオに撮っておいて貰えば良かったと思いましたねぇ・・眠ってて自分じゃ見られなかったんですから。
口を大きく開きまして、内部からメスを入れるわけです。
上下の顎の骨全体をバラバラにして、何分割かのパーツに分け位置を調整し、腰から切除した骨片で隙間を埋めて角度を改善し、チタン製のネジ釘で固定する。
・・・大まかに言ってこんな感じだったようです。
模型を組み立てるのと大差ないかも?
術後は一月程度、口が開かないように固定され、食事は鼻からチューブを通した流動食・・・
これには参った、チューブが食道に擦れて常時痛いのと、味の無い食卓。
食べた気がしないのに満腹になる不快感・・・
季節は秋・・TVをつけるとニュース番組で七輪で焼いた秋刀魚とかの映像が流れて・・・
無意識に涎(よだれ)が垂れて来たもんです・・・
口が麻痺してるので、締りがない事この上なし。(笑)
あぁ、口から食べられて味のある食事ってなんて素晴らしいんでしょう
それ以後いつも思って感謝してる事柄の一つですね~
人間、口から飯が食べられなくなったらお終いだと思う。
術後初めて口から食べた「お粥」の美味しさ・・一生忘れないでしょう・・
あと、腰から骨を取った代償として、しばらくは車椅子・・その後の松葉杖。
これも、今思えば貴重な経験でした。
痛みに耐えながらのリハビリも。
リハビリと言えば、口のリハビリが一番大変でした。
なんせ、これだけいじってるからねぇ・・・
鼻から下の感覚も麻痺してるし、口は上下に上手く動かないし。
食事する時意外は常時、上下の歯一本一本に取り付けた金具に小さい輪ゴムを引っ掛けて、変な癖がつかないように固定しなくちゃならない。
数ヶ月はそんな状態が続いたかなぁ・・・?
徐々に柔らかいものから慣らしていって、顎の機能のリハビリをしました。
一番難物だったのが「コンニャク」。
あれ、意外と噛み切るのに力が要るんです・・しばらくは歯が立ちませんでした。(笑)
手術からかなり経ちましたが、今では普通に食事も出来るし問題は皆無。
大げさではなく、健康の素晴らしさと言うものを噛みしめる日々です。
一度でも不自由な思いをすると、物の見方が劇的に変わりますね・・・
失いかけて得るものがあるとでも言いましょうか。
・・と、話がかなり長くなりましたが
かように、『顎関節症』と言う病は、甘く見ると痛手をこうむります。
なりやすいのは若い女性。
ストレス過多、柔らかい物偏重の食事や食べ物の片噛みなどが原因とも・・・
顎に違和感や痛み、口の開閉時に音がする・・などの症状がありましたら、急いで口腔外科の診察をすることをお薦めいたします。