ごろっと、えほんをひろげよう

子供と一緒に絵本、本を読んで早や10年。今は学校図書館司書をしています。読んできた本読みたい本を綴りたいと思ってます。

あのころはフリードリヒがいた

2016-09-07 22:14:52 | 児童書
 岩波少年文庫は、児童はなかなか手を伸ばしてくれませんが
やはり読んでおきたい作品ばかりです。
今回は、「あのころはフリードリヒがいた」を読みました。

 物語は1925年から1942年までの「ぼく」とアパートの上に住む
同い年の「フリードリヒ」の日々を描いたものです。
ユダヤ人として生まれ育ち、徐々に迫害の対象となっていく
フリードリヒと両親。作者の見て育ってきた記憶が
このような作品を作られたのでしょう。
 独裁的な社会の中で常に排他的な扱いを受けてきたユダヤ人の
過去も知ることが出来ました。

 小学生には難しい内容かもしれませんが、悲惨な歴史の一端を
こどもの目線で読むことが出来る貴重な本だと思います。
今さらですが、印象的な一冊となりました。