ごろっと、えほんをひろげよう

子供と一緒に絵本、本を読んで早や10年。今は学校図書館司書をしています。読んできた本読みたい本を綴りたいと思ってます。

彼岸花はきつねのかんざし

2014-02-08 13:42:07 | 児童書
 以前読んだ「八月の光」の作者、朽木祥さんの中学年向けの
物語です。国語の教科書で紹介されていたと思います。

 也子は、子ぎつねにであってだまされまいとしているけれど
楽しくあそんでいました。おばあちゃんもおかあさんもおきつねさんと
呼ばれるきつねに会っています。それはその子ぎつねのおばあちゃんと
おかあさんのようでした。

 戦争の色が濃くなる広島の郊外に住む也子とまわりの人々
やさしく、やさしく日々は過ぎていくのに、原爆はいろいろな人を
奪っていった。そして子ぎつねも…。

 昔はわたしの家のまわりにも、竹藪があちこちにあって
あのザワザワとした感じに畏怖を覚えることがありましたね。
 今の子どもたちはそれを感じたことは無いだろうなあって
思います。あの感じがわかっていたら、もっとこの物語に
入って行き易だろうなとしみじみ感じます。

 「八月の光」同様、普通に暮らす人々が戦争に巻き込まれて
いく描写が見事だと思います。
「ちいちゃんのかげおくり」「一つの花」を学んだ中学年が
こんな本も読んでくれたら、より戦争について感じることが
出来るかなと思います。