一人の女の子の訃報が来た。五年ほど前まで私の店で働いていた子だ。かわいくて、よく気がついて、とてもよく働いてくれた。申し分のない子だった、ただ、ひとつだけ問題があった。
うつ病だった。何かのきっかけで鬱にはいると、もうどうしようもない。家からでられない。やがて心療内科へ通い、治療薬を処方してもらった。こんどは逆に躁になる。これは手が付けれない。本人いわく、世界が私中心に回り、周りがみんなのろまに見える。夜も眠くないから、徹夜しても平気、という事らしい。その治療薬を減らしたり増やしたりでコントロールするのだと言う。
やがて店を去り、たまに顔を出すときは、たいがい気分がいいときだったのだろう、病気の気配はあまりなかった。昨年の暮れ、こんどようやく籍に入れてもらうといって彼氏を連れてきた。
そして年賀状には若い二人の写真をのせ、幸せになりますと書いてあった。
そして、電話でお祝いにコーヒーポットをもらいに行くからねと伝えてきた。
なかなか取りに来ないから気にはしていたが、今日、まさかの訃報だ。
直っていなかったのだ。やはり結婚するべきではなかった。彼女は自由人であるべきだった。
何度も薬を止めるように説得したが、おそらく飲み続けていたのだろう。鬱になると死ぬことしか考えられないと言っていた。しかし、彼女にとって、この世の中は苦痛だらけだったのだろう。死ぬことでどうなるのかは私にはわからないが、少なくとも彼女はそれしか方法がなかったのだろう。私から言えるのは、「ようやく楽になるね、先に行って待ってろ、そっちでまた遊ぼう。」・・・・とだけ・・・。
さぞ、お心落としでしょう。
ご冥福をお祈りします。
若い人が逝ってしまうのはつらいですね。
本当にショックです。抗うつ剤は止めるように言っていたのですが、止めれなかったようです。残念です。運命と言ってしまえばそれまでですが、悔いが残ります。