町並み情景工房

童話③ 節分祭のジオラマ③、最終回

 つづき

「節分の声掛けは、どうする・・・」
みんな困っています。


横で雑巾がけをしながら聞いていた小坊主が、手を止めて、いきなり「鬼も内”にすれば”」のひと言”

 「・・・・」「・・・・」
「それしか無いか」「今年はそれでいこう」の和尚の言に
寺の方針は決まりました、僧たちは、豆をいったり、甘酒をたいたり、準備は整いましたが、それだけでは収まりませんでした。

  そのころ・・・鬼将軍はと、いえば
 子の誕生祝いの行事も、行わず、姫と子のために、城の裏山にある「鬼神社」に通い、祈願詣での毎日です。

 この神社は、鬼将軍の妹鬼が代々神主を務めており、すべての鬼たちを守る役割を担っています、全国にたくさんの「忍び鬼」を配下に置き、情報を集めと、鬼将軍の裏の仕事を、人知れず果たしている宮です。




さて、年に一度の大切な、節分の段取りの方は
集落の長老鬼たちが毎夜、お城(鬼が城)に集まって会議をしています。


 「どの鬼連を、どの村に派遣」「この鬼連はこの寺」「あの連はあの宮に…」の相談です、
そうなんです、集落ごとに「鬼連」があって、昔から人間たちとのあいだに、年に一度の暗黙の了解?と言うか、契約まではいかない、「約束ごと」が、あっての、
節分祭だったのです。

当日になりました、日暮れすぐの頃から、
  「鬼は外」で、豆をぶつけられ、
追い出された鬼達が、この寺
に集まりだしたのです、
例年は、鬼村に帰るのには夜道を半日掛けで歩いていたのに・・・「今年はあの寺で集まり泊まろう」
「福は内 鬼も内」の寺の噂は、町の近隣では、すっかり広がっていたのです。

当然、寺は大混乱””大変な騒ぎになります。

ついには、宴会が始まるしまつに、酒とにぎやかな事が好きな和尚は、鬼たちと一緒になって大盛り上がりです、



 酒とタクワン漬け、煎り豆は、それぞれが、家々での頂き物で充分にありますが、お坊さんたちは、酒の肴づくりに追われて気の毒”なことでした。

節分の夜が明けると鬼達は三々五々山に帰って行きます、「来年は料理も持ち込みで、来ますので、よろしく」と、勝手に約束をして・・・

そして入れ替わるように、そんなことは知らない、鬼将軍が、少数の共を連れて、嫁子の迎えに来ました、荷車には、お礼にと、いっぱいの食料を積んであります。

昨夜の出来事を、和尚から聞いた、鬼将軍は、「来年からは私たちも来させて下さい、費用は全部おまかせ下さい」
  「我々の先祖、夜叉は元々は、釈迦に仕える者でもあり・・・」
と、寺への、臣従を誓い、嫁子を連れ、別れを惜しむように帰っていきました、積んできた、米俵をおろし、嫁鬼を乗せて・・


 こんな理由で、毎年この寺での節分祭は、
   「福は内、鬼も内」に、決まったのでした。
頃は「天正」信長が台頭してきた時代の、お話です。
                       おわり

    全国に「鬼は内、福も内」のところ、たくさんありますが、
  こんな事があったんです?ね、キット。



おことわり・・・この童話、後日写真挿入、差し替えします、





町おこしのためのジオラマです。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「童話」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事