町並み情景工房

③出陣編「鬼切りの太刀」

 秀郷は、暗くなるのを待ち、山科に向かいました。
供のものは一人、提灯と酒の大徳利を持たせ、和尚の待つ庵へ・・・

  着くとすぐに酒、和尚手作りのつるし柿が肴、「干し柿は悪酔いしないし残らない」などウンチクを聞きながら、しばらく歓談です。
半時ほどたった頃「さて”」と立ち上がると、庵の周りを見渡しながら、部屋の障子を閉め、供のものを部屋の外で見張らせ、本題に入ります。

 大江山から「承知”」の返事が来たので、急がれよ、
・兵は20人、但し、お上には200人と上申の事。
・前言どおり、弓矢は無用”・武器は太刀のみ。
・鬼村の女子どもは、避難させてある。以上”

それだけ言ってまた酒”、大徳利が空になると「もう帰れ”」
庭の鶏が朝鳴きのころになっていました、青みがかってきた空を見上げると、加賀白梅が一輪

「残り梅 一輪だけの愛おしさ」
歌を詠めるほどに、心に余裕がが出てきたと、じぶんに言い聞かせ、
「次は桜じゃのー、そのころになるかのー」
 供の者は会釈だけで答えました。

屋敷に帰るとすぐに、口の堅い、腕利きの家来20名を集め
「大江山攻撃を行う」「敵は約500、見方は200、心おきなく手柄を立てられよ”」「細部については、その場に至り来た折に話す故」

 いよいよ出陣の日、屋敷前には200の兵がそろいます、

そのほとんどが弓隊?です。
 内裏からは、出陣祝いの酒が届き、検分役の公家の同行も求められ
 これまた、秀郷には迷惑なれど、想定内であり承知。

丹波みちから夜久野へ、ここで地の守護代から、あてがわれた寺

や,

大庄家宅

で泊まり、明け方に出立、守護代から、援軍の申し入れがあるが、
 山の麓までの道案内の者を頼み「あとは上皇様の指図なので我々だけで・・・お任せあれ」と、断り、いよいよ山に入ります。

二つほど嶺を超えた所で、案内人に謝礼を渡し帰し、
弓隊に命じます、
「ここで陣を敷き、逃げる来たる鬼は、すべて射殺せ!」
「我が帰陣せざるとき、お公家様を連れ、直ちに京へ戻るべし」
そして身内同然で、腕利きの配下20人は、日暮れを待ち。大江山本拠へ・・・。

つづく






町おこしのためのジオラマです。

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