ちかちゃんの・・前を向いて行こう!

39歳、まさかの乳がん発覚。その時の自分の気持ち、そして戻って来た普通の日々・・思いつくまま書き記しておこうと思います。

手術

2008-01-28 | 手術まで
12月27日、手術当日。

午後から手術のため、昨日の夕食以来、絶食。
水分も摂れないので、のどが渇く度にうがいで凌いだ。

朝手術に立ち会う看護師さんから、最後の説明。

「不安なことは全部言っておいてね。必ず私が何とかしますから・・」

その言葉に、どれだけ安心させられたか・・。
その時の看護師さんに、とても感謝している。


手術の1時間前くらいから点滴が始まる。
前の手術に時間がかかって、開始時間が少し遅れそうだということ。

何もすることがなく、ひたすらテレビをじーっと見ていた。
ちょうど陣内・紀香の婚約会見のニュースばかりが目にとびこんできた。

「幸せそうやなあ・・」

比べても仕方ないけど、病室で手術の開始を待つ自分とは、えらい違いだ

横についてくれている母が泣いていた・・。
娘を手術室へ送る親の気持ちはどんなものであっただろうか・・。

かける言葉も見つからず、背を向けたままひたすらテレビを見ていた。


「もうすぐ手術室へ行きます」

という連絡が入る。
いよいよ・・か。

私が極度に怖がりで緊張するタイプであるという事を伝えてあったので、
病室にいる時から安定剤の点滴。
点滴が入ると、すぐにウトウトし始める・・。

その後ベットのまま手術室へ。

その頃には、もう爆睡体制に入っていて、テレビドラマでありがちな「感動的な」
別れは無かった

どんな顔をして手術室に入ろう・・なんて悩んでいたのに・・!

手術室に入ったら、確認の為、まず自分の名前を言うよう言われていたのだが、
もちろんそれも言えず・・
その後の記憶も全く無い。




「がんばったね~終わったよ。」

の声にうっすら意識が戻ってきた。
ストレッチャーに乗せられて、術後のICUへ移動している途中だった。
今日手術だった人は、皆、一旦その部屋へ移される。
両親、旦那の顔が見える。

終わったんだ~~。

「リンパきれいだったって・・」

その言葉にほっと胸ををなでおろす。
病理の結果は、2週間後までわからないようだが・・。

体にいろんな管が繋がれていて、全く動きがとれない。
少し頭痛もする。

意識は次第にしっかりしてきた。
痛みはほとんどなかったが、これから朝までが長い・・と聞いていたので、
それが不安だった。

意識がはっきりしたのを確認して、家族は帰って行った。
無事終わったこととリンパがなんともなかったことで、雰囲気は明るかった。



繋がれている管が少し気持ち悪いが、耐えられないほどではない。
時々キューっと締まる血圧計は少し気になったけど・・。

夜中、何分かおきに、看護師さんが来てくれて、口に水を含ませてくれたり、
寝返りをうたせてくれたり・・。
それは身動きとれない私にとっては、何より有難かった。

その度に「ありがとう・・」と心の中で言った。

お陰でうとうと眠れて、すぐ朝になった。


朝、看護師さんが体を拭いてくれてドレーン以外の管が抜かれると、

「じゃ病室へ帰ってね。」

と言われ、びっくり

も、もう歩いていいの~~??

恐る恐る起き上がってみた。
特に何の苦痛も無い。

ゆっくり立ち上がってみる。

あ、歩ける・・とても普通に・・

出産後よりよっぽど楽。

点滴をからからと押しながら病室へ帰る。
同室のおば様たちにも、すっかり普通に歩いていることを驚かれた。

さらに驚いたことは、昼食に普通食が出てきたことだ。
まる一日以上何も口にしていないので、ペロリとたいらげた。
外科の手術なので、胃腸は到って普通なのだ。

その後の回復も順調。

術後4日で退院の許可が出たが、お正月の間に何かあっては・・ということで、
一時帰宅ということにしてもらう。
退院は正月3日抜糸後、ということになった。



入院   

2008-01-27 | 手術まで
2006年12月25日 入院。

街はクリスマスだというのに、今年の私にはなんの関係もなかった。
二人の子供達は、昨日から実家の徳島の方で預かってもらっている。
術後の痛々しい姿を見せない方がいい・・という両親の計らいだ。
ちょうど冬休みなので、その点は助かった。

朝、入院手続きを済ませると、血圧測定、検温、簡単な問診。
それが終わると何にもすることが無かった。

夕方先生から手術の説明・・いわゆるインフォームドコンセントというやつだ。
この前撮ったCTで、反対側の胸にも怪しい影がみつかったらしい。
その生検は手術中に行うとのことだった。
手術に関しては

・右胸の3箇所の腫瘍を全て含むように扇形に切除するということ。
・リンパ節は手術をしてみないと転移の有無がわからないが、第二レベルまで郭清 するとのこと。(うちの病院では先生の方針で、センチネルリンパ生検を行って いない・・というのは後になって知った。その時は質問する知識もなかった私  
・手術で悪いところをとるのがまず第一だが、私の場合は、術後なるべく早い段階 に抗がん剤で体内に残った目に見えないガン細胞をたたいておくのがとても重要 だということ。
・抗がん剤はFEC100というのを使う。その他タキサン系のも使用する可能性 があるとのこと。

など、説明は30分~1時間ぐらい。スムーズに終わった。

不安はなぜか手術のことよりもその後の抗がん剤の方であった。
不安だらけだが、何を質問してもいいかわからなかった。
点滴がとても苦手なことも伝えたが、その程度の理由で再発を半分に抑えられる抗がん剤をやらないのはばかげている・・!と厳しく言われた。

手術の前日、37℃の微熱。
先日からのどが痛かったから、風邪をひいてしまったか。
明日も下がらなければ、手術は延期になってしまう・・。
せっかく空けてもらった、年内最終日のオペ。
延期にはしたくない。

なんとか熱が下がりますように・・。
そちらの心配のほうが、大きくて手術への不安はあまり無かった。

告知からまだ4日余り・・。
なのになぜか心は静かだった。
今は目前に迫っている手術を無事終えたい。
そんな強い気持ち。
あんなに悲しんでいた自分は、もう過去に置いて行こう・・。
人間開き直ると強くなるもんだ・・。