近所の盆踊 ＆ 「混血」考

　近所の盆踊が少雨の中強行された．馴染みの「炭坑節」や「東海音頭」を聞くと，記憶の奥深くを撫でられるような，何とも言えない不安定な気分になる．

　踊りの輪に，チラホラ外人らしき姿が見られる．彼ら彼女らの踊りはどこか違う．尻がフリフリと揺れてどうにもセクシーだ．浴衣は着ていてもやはり「盆踊」ではなく「盆ダンス」になってしまうのだ．
　この先，この外人式盆ダンスが，日本人の「元祖」盆踊に拮抗するくらいの勢力を持った場合どうだろう．どちらもそれぞれが個性的な「盆踊」の姿として，認めざるを得ないのではないか．どちらが正しいということは，きっといくらかの人々には言われるだろうが，前向きな議論ではない．
　その意味で文化の「混血」は大いに歓迎だ．「混血」が行なわれることで，却ってそのアイデンティティーを高めるのが文化というものだ．そうならず，「世界流」のうちに淘汰されてしまうものは，もとよりそういう性質なのだろうし，それでも消えてなくなるわけじゃない．

　「日本は単一民族国家」などと寝ぼけたことを口走る（「これをぜひとも守るべし」という不思議な言説が後続することも多い）自公政治家が後を絶たないが，一体何を見たらそういう認識になるのだろう．まあ，この調子で移民労働者が益々増えて，将来日本が字句通りの「混血ジャム状態」になれば，そんな妄言も吐いていられなくなるけれどね．