ディンド＆デンマーク国立響=ショスタコーヴィチ「チェロ協奏曲集」

　先日買ったCDを聴いた．E.ディンドのチェロ，G.ノセダ指揮+デンマーク国立交響楽団による，ショスタコーヴィチ・チェロ協奏曲第1＆2番．

　両ナンバーとも，やや遅めのテンポを採りながらも，譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏．ディンドは，力強く安定したソロで，また，たびたびデフォルメがかったフレージングを交えるなどして，ショスタコーヴィチのグロテスクな作風を，いっそう引き立てている．ノセダ率いるデンマーク国立響も，活気のあるリズムとアクセントで進行する，整然のアンサンブルで，これをバックアップする．とりわけ，チェロのソロに対抗するかのような，管楽器群の生々しいまでの強奏は，曲の随所で耳を引く．録音は鮮明で，各セクションを間近に捉えたもの．ただし，「第2番」では音像が遠のき，いくぶん大人しい聴感．


SHOSTAKOVICH: CELLO CONCERTOS (SACD-Hybrid)
Enrico Dindo (cello)，
Danish National Symphony Orchestra，
Ginandrea Noseda (conductor)，
Chandos Records，CHSA 5093