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ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

ボレイコ+CPEバッハ合唱団=シュニトケ「ファウスト カンタータ」他

2022-03-18 | 音楽 - シュニトケ
 先日買ったCDを聴いた.A.ボレイコ指揮,C.P.E.バッハ合唱団,ハンブルク交響楽団による,シュニトケ「ファウスト・カンタータ」ほか.

 やや遅めのテンポを採り,譜面を正確に再現した演奏.ボレイコ率いる合唱団とオーケストラは,ライヴレコーディングゆえの乱れは目立つものの,シュニトケの音楽が持つグロテスクかつコミカルなサウンドを,力強く引き出している.録音は鮮明で,各セクションとアンサンブル全体の様子とをよく捉えているが,その反面で,ステージ上と客席からのノイズを,大きく拾ってしまっているのは残念.また,アコースティックとエレクトロニックの入り混じる変則的な編成からか,突然音像の遠のくシーンあり.


SCHNITTKE FAUST CANTATA
Carl-Philipp-Emanuel-Bach-Chor,
Hamburger Symphoniker,
Andrey Boreyko (conductor),
BERLIN Classics,0017762BC

グルズマン+ルツェルン響=シュニトケ「ヴァイオリン協奏曲第3番」他

2021-04-20 | 音楽 - シュニトケ
 先日買ったCDを聴いた.V.グルズマンの独奏,J.ガフィガン指揮+ルツェルン交響楽団による,シュニトケ&ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲集.

 両ナンバーとも,やや遅めのテンポを採り,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.ヴァイオリンのグルズマンは,充実の技術に安定し,伸縮を伴うフレージングや十分なブレスを交えた,余裕のある進行.ただし,とかく強弱の起伏に欠け,無表情の印象も.ガフィガン率いるルツェルン響は,強奏時にもうるさくならない清新なアンサンブルで,ソロイストを支える.録音は鮮明であるものの,高音域に音色のエッジを和らげる人工的なマスキングあり.

 ベートーヴェンでの,シュニトケによる聴き馴染みのないカデンツァは,20世紀音楽の響きを湛えた場違いなものだが,他の作曲家たちのヴァイオリン協奏曲からの引用もふんだんで,思いのほか楽しめた.


Beethoven: Violin Concerto・Schnittke: Violin Concerto No. 3 (SACD-Hybrid)
Vadim Gluzman (violin),
Luzerner Sinfonieorchester,
James Gaffigan (conductor),
BIS Records,BIS-2392

J.シル「組曲&ファンタジー」

2020-06-24 | 音楽 - シュニトケ
 先日買ったCDを聴いた.J.シルのヴァイオリン,I.アンドリエフスキーのピアノによる,近現代アルバム『組曲&ファンタジー』.

 どのナンバーも,正確な技術とアンサンブルに安定し,力強さやカンタービレにも事欠かない演奏で,なおかつ音楽に対してむやみにのめり込んだりしない,清新の曲作り.ただし,伴奏のアンドリエフスキーはいくぶん澄ましたタッチで,そっけない嫌いも.録音は,両楽器を間近から捉えた鮮明なもの.


SUITES & FANTASIES
Joo Yeon Sir (violin),
Irina Andrievsky (piano),
Rubicon Classics,RCD1003

G.クレーメル+フィルハーモニア管「ロシアを離れて」

2020-04-22 | 音楽 - シュニトケ
 先日買ったCDを聴いた.G.クレーメルのヴァイオリン,C.エッシェンバッハ指揮+フィルハーモニア管弦楽団による,協奏曲集『ロシアを離れて』.

 僕のめあてはシュニトケで,終始正確かつ念入りに譜面を描き込んだ演奏.クレーメルの独奏は,ややヒステリックな強弱の付け方が気になるものの,持ち前の技術の高さでこの難曲を不足なく弾きこなしている.エッシェンバッハ率いるフィルハーモニア管も,特徴には乏しいながら,持って回ったところのない率直な曲作りと,安定したアンサンブルで彼をバックアップする.録音は鮮明であるが,たえず低音域に僅かな定常ノイズが載っているのは遜色.また,「視覚的カデンツァ」におけるソロイストの呻きをあまりに間近で捉えており,音響としてアンバランスであると同時に,いったい何が起こっているのか,却って聴き手に分かりづらいように思う.

 アルバム全体はごく珍しい曲目によっており関心を引くが,後半のルリエは散漫な曲調が延々続く凡作で,はなはだ退屈.とはいえ,いずれのナンバーも単にヴァイオリンソロを含むというだけでなく,クレーメル自身のライフワークとも言うべき愛着のレパートリーから選曲されており,その点で,ロシア・アヴァンギャルドの時代を生きた一人のプレイヤーをめぐる,ある種のストーリーとして,じゅうぶんに魅力的なディスクである.


ロシアを離れて ―魂の音楽―
ギドン・クレーメル (ヴァイオリン),
フィルハーモニア管弦楽団,
クリストフ・エッシェンバッハ (指揮),
ワーナーミュージック・ジャパン,WPCS-6000

R.ミンツ他=シュニトケ・ヴァイオリン作品集

2016-12-13 | 音楽 - シュニトケ
 先日買ったCDを聴き終えた.R.ミンツ・ヴァイオリン+K.アペキシェヴァ・ピアノほかによる,シュニトケ・ヴァイオリン作品集.

 終始丁寧かつ強弱のメリハリある溌剌の演奏.ここで取り上げられたシュニトケの作品はシリアスな内容のものが多いが,作風は様々で退屈させないプログラミング.また,ヴィオラ・ダモーレとチェンバロ,パーカッションによって演奏される「古い様式による組曲」は,いっぷう変わった試みでありながら,楽想によく合致して快適.録音は優秀.


ALFRED SCHNITTKE | WORKS FOR VIOLIN AND PIANO (2CD)
Roman Mints (violin),
Katya Apekisheva (piano),
Olga Martynova (harpsichord),
Andrey Doynikov & Dmitri Vlassik (percussion),
QUARTZ MUSIC,QTZ2116